ポルシェAGは2月8日、新型Cayenneの発売に向けて、綿密な準備を進めていると発表した。
ポルシェは、2017年に現行モデルである3代目Cayenneがデビューして以来、パワートレイン、シャシー、デザイン、装備、コネクティビティに関する広範な対策によって強化してきた。
シリーズマネージャーのミヒャエル・シェッツレ氏は「ポルシェ史上でも最大級の広範な製品アップグレードです」と、は述べている。
ヴァイザッハのポルシェ開発センターのエンジニアたちは、Cayenneにおける駆動方式の再構築に加え、シャシーシステムにも大幅な見直しを行ったという。
次期Cayenneには新しいセミアクティブシャシーが採用され、ドライバーと乗員は、コネクティビティ機能の強化のため広範囲にデジタル化された、新しいディスプレイと操作コンセプトを利用することができる。
発売前にすべてのモデルを限界までテスト
新型Cayenneに導入される多くの新技術のほとんどが新開発であるため、コンポーネントを完璧にチューニングするには複雑で緻密なテストが必要だという。
テストマネージャーのラルフ・ボッシュ氏も「新しいCayenneは、ゼロから開発されたかのように、完全で包括的なテストプログラムを受けています」と述べている。
「完全車両試験」と呼ばれるテストでは、ユーザーの使用状況はるかに超えた想定で、すべてのコンポーネントとシステムが相互作用する際の動作の安定性と機能性を確保することを目的としている。
また、耐久試験では、ユーザーが実際に体験することはほとんどないような厳しい条件下で、車両のライフサイクルをシミュレート。日常の条件下では、市街地、郊外、高速道路を、数カ月にわたって20万kmをはるかに超えて走行テストを行う。
プロトタイプは、さまざまな気候帯で品質と耐久性をテストすることを目的として世界中を旅し、極限状態をシミュレートしている。新型Cayenneのテストは、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米で行われ、合計で400万km以上を走行したという。
Cayenneのプロトタイプの組立およびテストチームを率いるディルク・レルシュ氏は「スペインでの過酷なオフロードテスト、モロッコの過酷な砂丘、フィンランドのアイスバーンやニュルブルクリンクのノルドシュライフェでのダイナミックな走行など、新しいCayenneに求められるものは、多くのお客様が実践されることとは異なるかもしれません。しかし、ポルシェ車を購入されるお客様には、走行する路面に関係なく、非常に高い負荷に耐えることができたということをお知らせしたいと思います」と述べている。
新型ポルシェCayenneは、2023年の春にワールドプレミアを迎える。
(Text Toru Matsumura)