ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージに初試乗。それは至福のとき。911 GT3にツーリングパッケージを装着して、目立たないように走る911 GT3ツーリングパッケージには特徴的なリヤウィングはないものの、それでも刺激的な走りを見せた。そのことを、われわれのテストで報告しよう。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

画像: 911 GT3ツーリングパッケージは、まるでレールの上を走っているかのように振る舞い、ステアリングの精度はピカイチ。

911 GT3ツーリングパッケージは、まるでレールの上を走っているかのように振る舞い、ステアリングの精度はピカイチ。

数字は裏切らない

最高出力510PS、最大トルク470Nm、0-100km/h加速3.9秒。

新型「911 GT3ツーリングパッケージ」は、後輪駆動で、自然吸気の水平対向6気筒エンジンを搭載し、最高出力をリヤアクスル送り、加速する。標準のギヤボックスはマニュアルだ。つまりこの車は、オールドポルシェファンには打ってつけの911なのである。

画像: 数字だけを見ても、多くのことが期待できる。最高出力510PS、最大トルク470Nm、0-100km/h加速タイムは3.9秒だ。

数字だけを見ても、多くのことが期待できる。最高出力510PS、最大トルク470Nm、0-100km/h加速タイムは3.9秒だ。

高回転を好むリヤのボクサーエンジン

技術的には、シンプルで、その性能は、最近のほとんどのスポーティなセダンでも体験することができるものだ。それなのに、どうして911 GT3ツーリングパッケージはこれほどまでにわれわれを興奮させるのか。

それはそのパワーユニットだと即座に断言できる。今回のテストでも、その驚異的な自然吸気エンジンのフィーリングが好印象だった。素晴らしく自由自在なボクサー6気筒エンジンは、素晴らしい性能を発揮する。

991シリーズの「GT3 RS」や「スピードスター」のコンポーネントが、このボクサーエンジンに引き継がれている。このエンジンは、レッドゾーンに向けて狂ったように暴れ、猛烈なパワーを発揮し、レッドゾーンを超えてもなお猛烈なパワーを発揮して、ドライバーを楽しませてくれる。

エンジンの回転数を、常に5,000rpm以上に保ちたいという願望は、過剰であり、ほとんど無茶苦茶であり、現代の気候変動の観点からは、罪悪感をも持ちそうだ。

しかし、最終的には、パティキュレートフィルターを搭載しているので、環境基準にも準拠していることになり、小さな問題で済む。もうひとつ、エンジンサウンドシステムについてだが、ポルシェの才能は、パティキュレートフィルターが装着されているにもかかわらず、素晴らしいサウンドを奏でるスピードスターですでに証明されているが、992にも同じことがいえる。そのエンジンサウンドはまさに我々を興奮させるものだ。

RSRのシャシーパーツを使ったコーナリングマシーン

そのコーナリング性能は眼を見張るほどに素晴らしいもので、圧倒される。なぜ、これほど、正確かつスムーズ、そしてシャープにコーナリングができるのだろうか?

それは、ギヤボックスのおかげだ。手で操作しなければならない6つのギアは、おそらくポルシェでなければ、あれほど簡単かつ正確にシフトゲートを移動することはできないだろう。

革で覆われたシフトレバーを操作するときの独特の音が、すぐに恋しくなるのだ。

加えて、911 GT3ツーリングパッケージの重さも、このハイパフォーマンスに貢献している。ポルシェは、テクニカルデータに、乾燥重量、1,418kgと記載している。先代モデルと比べても、1グラムも増えておらず、比較的、ライトウェイトスポーツの水準を保っている。

では、ステアリングやシャシーは? 911 GT3ツーリングパッケージは、極めて正確に素早くステアする。当然のことながら、そのハンドリングは今回もレール上を走るような正確さで、十分なフィードバックと、一流の復元トルクも輝いている。これは、「GT3」が「RSR」から受け継いだ新しいダブルウィッシュボーンのおかげでもある。

快適性はあまり期待するな

乗り心地だが、サスペンションのスプリングレートを高め、スタビライザーバーをやや柔らかくしたことも新しい点だが、これだけでは快適性はあまり期待できない。

確かにそうだが、この点に多くを期待するのであれば、「カイエン」や「パナメーラ」を買ったほうがいいだろう。

それでも、コンフォートモードやツーリングモードを選ぶことで、特に長距離ドライブならば疲労は軽減されるはずだ。

本革をふんだんに使用しているインテリアもとても好ましい。先代モデルと同様に、ステアリングホイールのリムやシフトレバーには、アルカンターラではなくスムースレザーが採用されている。また、標準装備のブラックのファブリックが採用されている、バケットシートも長時間ドライブをしっかりとサポートしてくれる。

テクニカルデータ

●エンジン:水平対向6気筒エンジン、リヤ縦置き ●排気量:3996cc ●最高出力:510PS/8400rpm ●最大トルク:470Nm/6100rpm ●駆動方式:後輪駆動、6速MT ●全長×全幅×全高:4573×1852×1279mm ●乾燥重量:1418kg ●トランク容量:132L ●最高速度:320km/h ●0-100km/h加速:3.9秒 ●平均燃費:7.7km/L ●CO2排出量:292g/km ●価格:170,969ユーロ(日本仕様の価格は2296万円)

画像: テクニカルデータ

結論:AUTO BILDテストスコア=1-

ポルシェはまたしても最高のエンジニアリングを発揮した。

「911 GT3」のパフォーマンスは堪能したいが、あまり目立ちたくないという人には、これ以上のものはないだろう。

画像: 結論:AUTO BILDテストスコア=1-

(Text by Christoph Richter / Photos by Porsche AG)

画像11: 【Auto Bild】911 GT3ツーリングパッケージを初試乗

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