180627-Panamera-00.jpg「パナメーラ」のシューティングブレーク版というべき「パナメーラ スポーツツーリスモ」に試乗。プラグインハイブリッドがもたらす走りは?
早いもので、ポルシェのラインアップに4ドアサルーンの「パナメーラ」が追加されて、来年で10年になる。その間にフルモデルチェンジが行われ、現行型は2代目ということになるのだが、この最新型に追加設定されたのがステーションワゴンタイプの「スポーツツーリスモ」である。

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その特徴は後方に伸ばされたルーフライン。5049mmの全長、1937mmの全幅はパナメーラと同じだが、ステーションワゴンのようなスタイルとすることで、よりアクティブでスポーティな雰囲気に仕上がっている。

私自身はセダンよりもステーションワゴンやハッチバックが好きということもあり、もし手に入れるならこのスポーツツーリスモがいいなと密かに思っている。

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コックピットは、デジタルとアナログが絶妙にミックスされ、新しさはあるものの、やり過ぎた感じや、安っぽさとは無縁なのがうれしいところだ。ドライバー正面の5連メーターは、中央の回転計(内部に速度も表示される)はアナログだが、他のエリアは液晶パネル上に好みの内容を表示することができる。

センターパネルは12.3インチのタッチスクリーンを採用し、地図のほか、車両の情報などを表示する。

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センターコンソールにはタッチ式のスイッチが配置されるが、利用頻度が高いものは物理スイッチを用意するため、使い勝手は意外に悪くない。手持ちのiPhoneを接続してCarPlayを使ってみたが、フォルクスワーゲンの「Discover Pro」やアウディの「MMI」以上に親和性が高いのがうれしい。

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2950mmの長いホイールベースを持つパナメーラ スポーツツーリスモは、後席のニールームも十分確保されている。さらに、スポーツツーリスモのみ、4人乗り仕様に加えて、4+1(=5人乗り)仕様が用意される。今回の試乗車は後者だが、後席中央はごらんのとおり、緊急用と割り切ったほうがいいようだ。

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ラゲッジスペースは、ボディサイズから想像するよりも狭く、プラグインハイブリッドではさらにスペースが制限されるが、開口部とフロアの段差が低く抑えられるぶん、荷物の積み降ろしがしやすく、それだけでもスポーツツーリスモを選ぶ理由としては十分だろう。

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パワートレインは、2.9L V6ツインターボ(330ps)と電気モーター(136ps)を組み合わせたもので、システム出力は462ps、システムトルクは700Nmに及び、8速PDKを介して4輪を駆動する。

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14kWhの駆動用バッテリーを搭載するこのクルマは、「Eパワーモード」を選択することで、バッテリーの電気だけで最大51kmの走行が可能だ(欧州値)。さらに長い距離を走りたければ、ハイブリッドモードに切り替えればいい。

ハイブリッドモードには「ハイブリッドオート」「Eホールド」「Eチャージ」の3モードがあり、ハイブリッドオートではバッテリーの電気を積極的に使うのに対して、Eホールドではバッテリーの残量を保つようモーターとエンジンをうまく組み合わせて走る。つまり、一般のハイブリッド車に近いモードだ。一方、Eチャージモードは、エンジンによりバッテリーを充電しながら走るモードである。

加えて、スポーティな走りを実現するスポーツモードとスポーツプラスモードも用意される。

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システム起動後は自動的にEパワーモードに。モーター単体でも最大トルクが400Nmあるだけに、いわゆるEV走行でも十分な加速を見せてくれる。この日は少なくとも50km以上走る予定だったので、早々にハイブリッドモードに切り替える。その瞬間、いったんエンジンが始動し、勇ましいサウンドがキャビンに響き出す。

ハイブリッドオートモード、Eホールドともに発進はモーターが担当するが、ハイブリッドオートモードが比較的モーターだけで引っ張るのに対し、Eホールドでは早めにエンジンを始動し、バッテリーの消費を抑える。いずれのモードでもアクセルペダルを深く踏み込むと、モーターとエンジンが強調して、2トン超えのパナメーラ スポーツツーリスモを軽々と加速させるのはお見事。さらに、スポーツモードやスポーツプラスモード、そして、スポーツ レスポンスを使えば、圧倒的な加速を味わうことができる。

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そんなEハイブリッドの加速以上にエキサイティングなのが、パナメーラ スポーツツーリスモのハンドリング。全長5049×全幅1937mmのボディサイズを忘れさせるほどカーブでの身のこなしが軽く、コーナーを駆け抜けるのが楽しいのだ。

これに一役買っているはずなのがリヤアクスルステアで、その動きに不自然さがないうえに、Uターンなどの際に予想以上に小回りが利くのも見逃せない。

パナメーラ スポーツツーリスモの乗り心地はノーマルでも少し硬めだが、フラット感がある。スポーツに切り替えても十分に快適。ガソリンエンジンモデルに比べるとバッテリーやモーターなどのぶん重くなっているからか、より乗り心地が良いのもうれしい点だ。

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ちなみに、Eホールドモードを使って高速道路を中心に走行したときの燃費は約13km/Lで、これだけのボディとパフォーマンスを考えると驚くべき数字。ヨーロッパではパナメーラの約6割がプラグインハイブリッドだというが、その高い人気にも納得がいく。

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もしもパナメーラを手に入れることができるなら、スポーツツーリスモでEハイブリッド......まさにこの試乗車が私の理想の一台である。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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