2026年10月26日、Audiは、米国での新工場建設計画と、ゲルノート・デルナーCEOらがドナルド・トランプ米大統領とともに計画を発表したことについて、公式声明を発表した。大統領との共同発表が政治的なメッセージとして受け取られ、懸念が広がっていることを認める一方、今回の判断はあくまでAudiの経済的な利益と長期的な競争力を考慮したものだと説明している。

米国初の自社工場に40億ドルを投資
Audiは10月25日、米国ジョージア州ペリーに初の自社生産拠点を建設する計画を発表した。投資額は約40億ドル(約6000億円)、新たに約4500人の雇用を創出する見込みだ。
新工場はジョージア州の「ミドルジョージア・メガサイト」に建設され、2027年に着工、2030年代初頭の生産開始を予定している。最大年産能力は20万台で、北米市場のニーズに合わせたプレミアムSUVを生産する計画だ。
Audiはこの新工場を、欧州、中国に続く第3の主要生産拠点と位置づけており、北米市場での事業拡大を目指している。
デルナーCEOは工場建設の発表に際し、「米国におけるAudiには、もっと大きな目標があります。米国は世界でもっとも重要なプレミアムカー市場のひとつですが、私たちはまだその可能性を十分に引き出せていません。それを変えるために、魅力的なプレミアムモデル、より強いブランド、そして競争力のある現地生産体制を構築します。これは単に工場を建設するだけでなく、米国におけるAudiの事業そのものを強化する取り組みです」と述べている。
米国での現地生産は競争力強化に不可欠
米国は世界第2位のプレミアムカー市場であり、Audiにとって重要な市場のひとつだ。しかし、現在の米国事業は黒字化できておらず、収益性の改善が課題となっている。
競合するプレミアムカーメーカーの多くが以前から米国で現地生産を行っているのに対し、Audiは米国内に自社工場を持っていない。
そこで、米国での現地生産を実現することで競争力を高めるとともに、貿易政策や為替変動にともなうリスクを軽減し、市場の成長機会を最大限に活用する狙いだ。
また、Audiは米国事業の強化がドイツ国内の事業を軽視するものではないと強調。ドイツと欧州は今後もAudiの生産活動の中核であり、北米への投資は既存の生産ネットワークを補完するものだとしている。
トランプ大統領との共同発表について説明
今回の声明で注目されるのが、デルナーCEOらによる米国ジョージア州訪問と、トランプ大統領との共同発表に至った経緯だ。
Audiによれば、同社の代表団は新工場建設に向けた協議と交渉を進めるためにジョージア州を訪問。その過程で、米国大統領とともに計画を公表するよう要請を受けたという。
Audiはこの要請を受け入れた理由について、「Audiにとっての最善の利益だけを考えて招待を受け入れた」と説明している。
一方で、発表の状況が政治的な意思表示として受け止められた可能性があることも認めており、そうした懸念を非常に重く受け止めているとした。
声明の最後では、Audiが掲げる価値観や原則を引き続き堅持するとともに、企業の経済的な将来を守る責任も負っていると説明。このふたつは相反するものではなく、両立させるべき責任であり、今後もその考えに基づいて行動するとしている。
今回の声明は、米国工場建設の経済的な合理性を説明するとともに、トランプ大統領との共同発表が特定の政治的立場への支持と受け取られることを避けたいという、Audiの姿勢を示したものといえる。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。



