2026年10月13日、Audiは3代目となる「Audi Q7」が欧州の自動車安全性評価プログラム「ユーロNCAP(Euro NCAP)」で、最高評価の5つ星を獲得したと発表した。なかでも、事故発生後の安全性を評価する「Post-Crash Safety(事故後の安全性)」において、市販車として初めて100%の満点を記録したことが注目される。

ユーロNCAPは、欧州で販売される自動車の安全性能を第三者機関が評価するプログラムだ。衝突時の乗員保護性能だけでなく、歩行者などの交通弱者に対する安全性や事故防止技術など、さまざまな観点から車両の安全性能を検証している。
今回、Audi Q7が満点を獲得したPost-Crash Safetyは、事故が発生した後の救助活動を支援する機能や、乗員が安全に車外へ脱出するための仕組みなどを評価するものだ。
具体的には、事故発生時の自動通報、救助に必要な車両情報の提供、ドアの解錠・開放、シートベルトのバックルの操作性などが評価対象となる。
Audi Q7は、救助情報の提供、事故後の支援、車外への脱出に関する評価項目で満点を獲得した。
事故後の救助を支える先進技術
この高評価に貢献した技術のひとつが、「Audi connect emergency call」だ。
重大な事故が発生した場合、システムが自動的に緊急通報を行い、救助活動の開始を支援する。法令で定められた最低限のデータに加えて、車両のブランドやモデル、ボディカラー、詳細な位置情報などを伝えることができる。
さらに、多言語でのコミュニケーションに対応するほか、適切な同意が得られている場合には、車両に関連付けられた携帯電話番号への折り返し連絡も可能だ。
これにより、救助機関は事故車両の状況や場所を迅速に把握し、必要な対応を進めることができる。
また、「マルチコリジョンブレーキ」も事故後の安全性に貢献する装備のひとつだ。
このシステムは、衝突センサーによって事故を検知すると、自動的にブレーキを作動させ、車両を停止させる機能を持つ。停止後はパーキングブレーキで車両の移動を防ぐとともに、ハザードランプを点灯させる。
ドライバーによるブレーキ操作の上書きも可能であり、事故後に車両が動き続けることによって発生する二次衝突のリスクを低減する役割を果たす。
乗員の脱出と救助隊の活動にも配慮
事故後の安全性では、救助隊が車内へアクセスし、乗員を救出できるかどうかも重要な評価項目となる。
ユーロNCAPでは、衝突後にドアが解錠・開放できるか、低電圧電源が失われた状況でも必要な操作が可能か、シートベルトのバックルを解除できるかといった点を検証している。
Audi Q7は、こうした救助や車外への脱出に関する評価でも最高得点を獲得した。
さらにAudiは、事故現場で救助活動にあたる消防隊員や救急隊員向けに、車両ごとの構造や装備に関する情報をまとめたレスキューデータシートとレスキューガイドを提供している。
こうした資料によって、救助隊は現場で車両の状態を把握し、適切な救助手順を検討しやすくなる。
事故前から事故後までを考えた安全設計
3代目Audi Q7は、5人乗り、6人乗り、7人乗りの仕様を用意する大型SUVであり、quattroによる4WDシステムと多用途に使える室内空間を特徴としている。
Audiが掲げる安全思想は、事故時の乗員保護だけにとどまらない。事故を未然に防ぐ技術から、衝突時の保護、事故発生後の救助活動の支援まで、一連の安全対策を総合的に捉えている。
今回のユーロNCAPにおける5つ星の獲得、とりわけPost-Crash Safetyでの初の100%という結果は、その取り組みが評価されたものといえる。
衝突安全性能や事故回避性能に注目が集まりがちななか、事故が起きた後の数分間における乗員の安全確保や救助活動の迅速化も、今後の自動車の安全性を考えるうえで重要な要素となりそうだ。
なお、ユーロNCAPが公表した2026年の評価結果によると、試験車両はAudi Q7 TDI quattro(220kW、左ハンドル仕様)。事故後の安全性以外では、安全運転支援が72%、事故回避性能が77%、衝突保護性能が88%という評価だった。
評価の詳細はユーロNCAP公式サイトで確認できる。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。


