2026年6月2日、アウディ ジャパンは、「Audi RS 3」をベースにさらなる高性能化と専用装備を施した限定モデル「Audi RS 3 Sportback competition limited」および「Audi RS 3 Sedan competition limited」を発表し、全国の正規ディーラーで予約受注を開始した。1980年代からAudiの象徴的なパワーユニットとして知られる5気筒エンジンの誕生50周年を記念して開発されたモデルで、世界限定750台のうち日本にはSportback 70台、Sedan 30台の計100台が導入される。納車は2027年第1四半期を予定している。

今回の限定車最大の特徴は、Audiの歴史を彩ってきた2.5L直列5気筒TFSIエンジンへのオマージュである。このエンジンは最高出力400PS、最大トルク500Nmを発生し、7速Sトロニックと4WDのquattro、さらにRSトルクスプリッターを組み合わせることで、0-100km/h加速3.8秒という圧倒的なパフォーマンスを実現する。

5気筒エンジンは、かつて「Audi Sport quattro」やWRCマシンを支えたAudiの伝説的ユニットであり、その独特な点火順序「1-2-4-5-3」が生み出すサウンドは現在も多くのファンを魅了している。本モデルでは、その特徴的なエキゾーストノートをさらに際立たせるため、ファイアウォール周辺の遮音材にも専用チューニングを施した。
走行性能面では、Audi RS 3史上でもっともサーキット志向の強い仕様となる。速度リミッターは290km/hまで引き上げられ、フロントにはレッドキャリパー付きRSセラミックブレーキを標準装備。
ダンパーは3ウェイ調整式で、高速域と低速域のコンプレッション、さらにリバウンドをそれぞれ独立して調整できる。これによりドライバーは、走行環境や好みに応じて乗り心地と運動性能のバランスを細かく設定できる。車両にはセットアップマニュアルと専用工具も搭載されている。
低速側コンプレッションはコーナリング時などに発生する荷重に対するサスペンションの反応を調整するもので、タイヤのグリップ特性に大きく影響する。ダイヤルにより12段階で調整でき、「+」側に回すと減衰力が高まり横方向のグリップが増し、より鋭いターンインと高いコーナリング速度を実現する。一方、「−」側では減衰力が弱まり、乗り心地を重視した設定となる。
高速側コンプレッションは、路面のバンプ通過や急激なステアリング操作など、瞬間的に大きな入力が加わった際の車体の動きを制御する。こちらは15段階で調整可能で、硬めの設定では上下振動をより強く抑えてドライバーへのフィードバックが鋭くなり、柔らかい設定では路面の凹凸をより滑らかに吸収する。
さらにリバウンド側の減衰力も16段階で調整可能だ。減衰力を高めるとサスペンションの伸び戻りが遅くなり、より正確でダイレクトなハンドリングが得られる。逆に弱めるとスプリングの伸びが速くなり、快適性が向上する。
リヤには肉厚を増した新設計のチューブラースタビライザーを採用し、剛性は85N/mmへと高められた。これに合わせてリヤスプリングレートも80N/mmに引き上げられている。これらの改良により、高速コーナーからの立ち上がりでの直進安定性と俊敏性を高いレベルで両立する。
エクステリアには、1980年代の名車Audi Sport quattroを想起させるマラカイトグリーンと、RS 3として初採用となるグレイシアホワイトマットの2色を設定した。フロントリップスポイラーやカナード、サイドスカート、リヤスポイラー、ディフューザーなどは専用のマットカーボン仕上げとなり、高い空力性能と存在感を両立する。さらに、ヘリテージカラーのRSバッジや「RS 3 competition limited」の専用レタリングを施し、特別仕様車であることを強く印象づけている。



足元にはマットネオジムゴールド仕上げの19インチアルミホイールを装着。フロント265/30R19、リヤ245/35R19という前後異径タイヤを採用し、高いグリップ性能とハンドリング性能を追求した。
インテリアも専用仕様となり、ネオジムゴールドとブラックを組み合わせたダイナミカ/レザーインテリアを採用。RSバケットシートにはマットカーボン製バックシェルを組み合わせるほか、ステアリングホイールやシートベルト、フロアマットに至るまでジンジャーホワイトのステッチが施される。センターコンソールには世界750台限定であることを示すシリアルナンバーも刻印される。


また、専用ドアエントリーライトや、「Audi RS2 Avant」へのオマージュとなるホワイト基調の専用メーターデザイン、さらに5気筒エンジンの点火順序をモチーフにした専用ダイナミックライトアクションなど、細部にも特別な演出が盛り込まれている。
生産工程も通常モデルとは異なる。インゴルシュタット工場で塗装と基本組み立てを終えた車両は、Audi Sportモデルやレーシングカーの製造を担うベーリンガーホフ工場へ移送される。そこで熟練メカニックが専用サスペンションやカーボンパーツを1台ずつ手作業で組み付けるという特別な工程を経て完成する。
5気筒エンジンは、1980年代のラリーシーンでAudiの名を世界に轟かせた技術的アイコンであり、現在では自動車業界でも数少ない存在となった。その誕生50周年を記念するこの限定モデルは、単なる装備充実版ではなく、Audi Sportが培ってきたモータースポーツ技術とブランドの歴史を凝縮したコレクターズモデルといえるだろう。
車両価格は「Audi RS 3 Sportback competition limited」が1399万円、「Audi RS 3 Sedan competition limited」が1418万円。グレイシアホワイトマットを選択する場合は29万円の追加費用が必要となる。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Audi)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。


