2025年9月10日、Audiとadidasは、2026年からF1に参戦する「Audi Formula 1 Team」に関する包括的なパートナーシップを発表した。ドイツを代表する自動車メーカーとスポーツブランドが手を組み、モータースポーツの最高峰において新たな挑戦を共にすることになる。

今回の合意により、adidasはAudiのF1ワークスチームにおける公式アパレルパートナーとなり、ドライバーやメカニック、エンジニアを含むチーム全体に向けた高性能な装備品の共同開発を行う。機能性と快適性を追求したユニフォームやギアは、現場での作業効率を最大限に高め、パフォーマンスを支えることを目的としている。さらに、この取り組みは単なる機能面の強化にとどまらず、モータースポーツ文化に新たな潮流を生み出すことを狙っている。
パートナーシップの成果の一つとして、adidasとAudiは2026年2月、世界市場に向けて「adidas x Audi F1コレクション」を発表する予定だ。アパレル、フットウェア、アクセサリーを含む商品群は、F1開幕戦よりも前に展開され、ファンがチームと一体感を共有できる機会を提供する。この点について、両社は「ファンこそが今回の協業の中心にいる」と強調しており、スポーツとデザインにかける情熱を基盤にした新しいファン体験の創出を目指す。
AUDI AGのCEOでありSauber Motorsport AGの取締役会会長を務めるゲルノート・デルナー氏は、「adidasとAudiは、長年にわたりトップレベルのスポーツで協力してきた。今回のF1参戦における提携は、単なる技術革新や最高のパフォーマンスの追求を超え、両社のビジョンを融合させるものだ」とコメント。Audiが掲げる新しいデザイン哲学の「明快さと精緻さ」がコレクションにも反映されるとし、ブランド戦略上も大きな意味を持つと述べた。
一方、adidasのCEOであるビョルン・グルデン氏は、「Audi Formula 1 TeamとともににF1最高峰の舞台に挑めることを誇りに思う。4つのリングと3本のストライプが2026年のパドックで交わることは、新しい時代の幕開けを象徴する」と語った。さらに「ドライバーやチームをサポートし、新世代のモータースポーツファンに向けて革新的な体験を提供する」と意欲を示している。
チーム代表を務めるジョナサン・ウィートリー氏も、「Audiとadidasという象徴的なブランドが世界の舞台で協力することは、我々がグリッドに立つまでの重要な一歩だ」と強調。「このパートナーシップによってチームは最先端の装備を得られるだけでなく、コース外においても革新やスタイル、卓越性の追求を共有できる」と述べた。
adidasは、世界62,000人以上の従業員を擁し、2024年には売上高237億ユーロを記録したスポーツ用品業界のリーディングカンパニーである。Audiにとっても、長年の協力関係を背景にブランド価値を高める戦略的パートナーといえるだろう。
Audiは2026年シーズンからF1に自社開発のパワーユニットを搭載したワークスチームとして参戦する計画である。ドイツ・ノイブルクではパワーユニット開発を行い、スイス・ヒンウィルではマシン開発およびレース運営を担う。また、英国ビスターに設置された拠点では「モータースポーツバレー」の人材と連携し、F1に必要な技術力と知見を取り込む方針だ。2026年から適用される新FIA規則は、持続可能な燃料や電動化の比率向上を盛り込み、AudiにとってF1参戦の意義をさらに大きくしている。
「4つのリング」と「3本のストライプ」。両者の象徴が交わることで誕生するAudi F1 Teamの新たな姿は、モータースポーツのみならずライフスタイル分野にも広がることが予想される。Audiとadidasの協業は、2026年のF1グリッドに向けた準備を加速させると同時に、ファンに向けて新しい体験を提供する架け橋となるだろう。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。