2025年5月31日〜6月1日、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第3戦「富士24時間レース」が開催され、ST-Xクラスに参戦した#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSが3位表彰台を獲得した。

GT3マシンで総合優勝を目指すST-Xクラスには、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSに加えて、2台のMercedes-AMG GT3と、LEXUS RC F GT3、PORSCHE 911 GT3R、Nissan GT-Rの計6台が参戦した。
#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、A:鈴木建自選手、B:小川颯太選手、C:ジェームス・プル選手、D:猪爪杏奈選手のレギュラードライバーに加えて、今回はチーム監督の川端伸太朗選手がEライバーとして加わり、5名体制で24時間の長丁場に挑む。

Audi R8 LMSとMercedes-AMG GT4の2台で24時間レースに挑んだHitotsuyama Racingのドライバーたち。
5月30日の12時30分からは公式予選が行われた。スーパー耐久では、公式予選で記録したAドライバーとBドライバーの合算タイムでスターティンググリッドが決定される。#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、Aドライバーの鈴木選手が1分41秒656、Bドライバーの小川選手が1分39秒394をそれぞれマークし、A/Bドライバーの合算タイムは3番手となった。
翌5月31日は決勝のスタート準備が始まる13時30分には雷雨となり、スタート時刻は1時間遅れの16時に。これにともない走行時間も23時間に短縮されることになった。

1時間遅れの16時、セーフティカー先導でレースがスタート

1時間遅れの16時、セーフティカー先導でレースがスタート
セーフティカー先導により始まったレースでは、プル選手が#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSのスタートドライバーを担当。6周目にはセーフティカーランが解除され、雨も弱まると、コース上のレコードラインが少しづつ乾いていく。そこで#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSはスタートから約1時間10分が経過したあたりで、ライバルに先駆けてピットストップし、スリックタイヤに履きかえてマシンをコースに送りだした。この作戦が功を奏して、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、ファステストラップを連発する速さでポジションを上げ、50周目にはトップに踊り出た。
85周を終えたところで小川選手に交代すると、富士には夜のとばりが下り、20時には恒例の花火が打ち上げられた。その煙がコースを漂い、視界が悪化したことからセーフティカーが導入されるという珍事が発生。その後も濃霧による視界不良やコース上でのアクシデントなどによりFCYやセーフティカーの導入が続き、さらには2度の赤旗中断など、ナイトセッションは荒れた展開になった。それでも、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは川端選手、プル選手、鈴木選手が着実に周回を重ね、レースが再開された7時30分には3番手から再スタートを切ることができた。

その後、猪爪選手、小川選手が周回を重ねていくが、トップ争いを演じていた#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3がマシントラブルによりリタイヤし、また、#81 DAISHIN GT-R GT3にもトラブルが発生してポジションを落としたため、ST-Xクラスの優勝争いは、#23 TKRI松永建設AMG GT3、#666 seven x seven PORSCHE GT3R、そして、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSに絞られる。
しかし、プル選手に交代後、ゴールまで残り2時間40分というところで、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSをトラブルが襲う。300R付近で突然右リヤタイヤが脱落したのだ。それでもプル選手は3輪走行のままマシンをピットまでなんとか戻し、メカニックがこれを修理してコースに送り出す。これで8周をロスしたため、優勝からは遠のいたものの、それでも表彰台圏内の3位をキープした#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、レース終盤に鈴木選手、猪爪選手が着実に周回を重ねて、15時過ぎに3位でフィニッシュ。念願の初表彰台を獲得した。



ST-Xクラスを見事制したのは#23 TKRI松永建設AMG GT3で、これに#666 seven x seven PORSCHE GT3Rが続いた。

#23 TKRI松永建設AMG GT3がST-Xクラスで優勝

#666 seven x seven PORSCHE GT3RがST-Xクラス2位でフィニッシュ
GT4マシンで争われるST-Zクラスは9台がエントリーし、#22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CSはクラス2番手からスタートし、3位表彰台を獲得した。ST-Zクラスの優勝は#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4で、2位は#52 埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2だった。

#22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CSがST-Zクラス3位でフィニッシュ。

ST-Zクラスで優勝を飾った#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4
次回第4戦は7月5日〜6日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。
(Text & Photos by Sdatoshi Ubukata)