Audiは3代目となる新型「Audi Q5」であえて冒険しない。この人気SUVは、自分自身に忠実であり続ける。
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
「Audi A5」に続くAudi Q5は、新しいPPCプラットフォーム(Premium Platform Combustion)を採用した初のSUVである。初代Audi Q5の販売台数は160万台を超え、2代目もドイツだけでなく世界中で最も人気のあるSUVのひとつとなっている。北米(カナダを含む)が44%と最も強く、次いでヨーロッパが約35%となっている。
名前に関しては、既存の「Audi A4」の顧客は新しい名前に慣れなければならないが(Audi A4は今後Audi A5と呼ばれる)、Audi Q5はAudi Q5のままである。しかし、旧型とはちょっと違う!
価格:ベース価格52,300ユーロ(約862万円)から
新型Audi Q5は、2.0 TFSIを搭載し、ベース価格52,300ユーロ(約850万円)で注文可能となる(直近のAudi Q5 35 TDIのベース価格は49,950ユーロ=約814万円から)。新しい「Audi SQ5」は、82,900ユーロ(約1351万円)から始まる。
デザイン:Audi Q5がより逞しく
新色「タンボラグレーメタリック」は、S liuneエクステリアとスタイリッシュな21インチホイール(17インチホイールは標準装備)で重厚感がある。シングルフレームグリルは高さがあり、Audi Q5 S lineではマットシルバー仕上げの2つのエアカーテンで左右を縁取られている。
幅の狭いLEDヘッドライト(マトリクスLEDはオプション)は、従来よりも4cm高い位置に配置されている。現在のトレンドに反して、ヘッドライトは2つに分割されておらず、立体的で力強い形状をしている。デイタイムランニングライトは中央に向かって細くなっている。
Audiは、全長4.72m(プラス3.5cm)のAudi Q5のプロフィールにおいても、そのラインに忠実であり続けている。ホイールアーチは強くフレアし、余計なラインやビーディングはない。ドアハンドルも伝統的なままだ。
リヤは現代的で、第2世代のOLEDテクノロジーを採用した連続リヤライトは、リクエストに応じてパルス状に点灯する。ルーフエッジスポイラー下のリヤウインドーに光が反射し、ブレーキライトをより強力なものにしている。
ナンバープレートは滑らかな表面に取り付けられている。そしてもうひとつ朗報がある。Audi Q5では不気味なフェイクテールパイプが廃止された。
パワートレイン:全エンジンがマイルドハイブリッド
2025年第1四半期に市場導入されるAudi Q5は、メキシコで生産が続けられ、3つのエンジンオプションが用意される。この先進のマイルドハイブリッド技術では、いわゆるパワートレインジェネレーター(PTG)がトランスミッションのアウトプットシャフトに配置されている。これは24psと230Nmのブーストを提供するだけでなく、アイドリングストップ中でもエアコンを稼働させることができるようになる。
新開発の最高出力204ps、最大トルク340Nmの2.0 TFSIはFWDが標準で、4WDのquattroはオプションとして用意される。ディーゼルは2L TDIのみで、最高出力は204psだが最大トルクは400Nmで、quattroが標準となる。
Audi SQ5:367ps
逆に、最上級モデルのAudi SQ5には3Lディーゼルが搭載されず、代わりに367psと550Nmを発揮する3.0TFSIが採用される。また、全モデルにSトロニックが採用された。先代Audi SQ5のようなトルコン式オートマチックトランスミッションは廃止された。
エンジンレンジは順次拡大される予定だ。299psまたは367psの2.0 TFSIをベースとした2種類のプラグインハイブリッドが発表され、少なくとも80kmの電動走行が可能である。6気筒ディーゼルも追加される可能性があるが、アウディはまだこれを確認していない。「Audi Q5 Sportback」はすでに発売が決定しており、Audi Q5の約半年後に登場する予定だ。
装備:MMIパノラマディスプレイを標準装備
先代のやや時代遅れのコックピット構造は過去のものだ。代わりにAudiは、Audi A5、「Audi A6」、「Audi Q6」にも採用されている新しい標準化されたソリューションを選択した。標準装備のMMIパノラマディスプレイのことだ。この湾曲したディスプレイはダッシュボード上に鎮座し、11.9インチのバーチャルコクピットと14.5インチのインフォテイメントスクリーンで構成されている。
それでも物足りないなら、追加料金で10.9インチのMMIパッセンジャーディスプレイを注文すればいい——これも兄弟モデルでおなじみだ。このディスプレイの風景は、見ていてとても印象的で、しかも直感的に操作できる。
良好なスペース
利用可能なスペースと素材の選択は非常に良い。新しい特徴は、ライトコントロールが運転席ドアに移動したことだ。アコースティックガラスが標準装備されたフロントガラスの下には、他のモデルでおなじみのインタラクションライトがある。
リヤにも十分すぎるほどのスペースがあり、リヤシートベンチは実用的な長さに動かすことができる。アウディはトランク容量を520~1473リッターとしている。
結論
Audi Q5に関していえば、Audiはあえて実験的なことはしていない。私はAudi Q5のエクステリアが特に好きだ。室内では、インゴルシュタットに本社を置くAudiィは、すべての新型モデルでMMIパノラマディスプレイを使いすぎないように注意すべきだ。改良された装備と追加された性能を考えれば、割増料金も納得できる。
(Text by Jan Götze / Photos by Audi AG)