アウディ グループは、5月5日、2023年の第1四半期に、ほぼすべての主要な地域で好調な販売台数を記録するスタートを切ったと発表した。
ブランド グループは、第1四半期に、前年同期比約8%増となる、約42万2,000台のアウディ、ベントレー、ランボルギーニを販売。半導体の供給状況が改善されたことで、特にヨーロッパと米国におけるアウディに対する高い需要に対応することが可能になったという。売上高は169億ユーロに増加、営業利益は18億ユーロに増加し、営業利益率は戦略的目標範囲の上限となる10.8%に達した。
また、電気自動車の販売台数が43%増加しており、電動化への移行を急ピッチで進めている最中だ。2023年下半期から2025年下半期には、アウディ史上最大の電動化攻勢を展開し、約20のニューモデルを導入することを発表した。
アウディ、ベントレー、ランボルギーニの各ブランドは、前年同期比7.9%増となる、合計42万1,824台の車両を販売(2022年第1四半期:39万826台)。半導体の供給状況が改善したことにより、アウディは世界中のユーザーに41万5,684台(2022年第1四半期:38万5,084台)の車両を販売した。
電気自動車の販売が増加
2023年第1四半期は前年同期比約43%増となる、3万4,584台(2022年第1四半期:2万4,236台)の電気自動車を販売。これにより、電気自動車のシェアは、6.2%から8.2%に大幅に増加した。
AUDI AG最高経営責任者(CEO)マルクス ドゥスマン氏は「ブランド グループの電気自動車の販売台数は43%増加しました。これは、私たちの電動ポートフォリオがいかに魅力的であるかを示しています。さらに、今年の下半期からは、Q6 e-tronを皮切りに、アウディ史上最大のニューモデル攻勢を展開し、加速するeモビリティへのトレンドに対応します」と述べている。
アウディブランド、ヨーロッパと米国で大幅に販売台数を増加
アウディは、ヨーロッパにおいて第1四半期に前年同期比18%増となる18万1,001台(2022年第1四半期:15万3,408台)の車両を販売。また本拠地のドイツでは、13.1%増の約6万1,000台のアウディ販売し、この好調な業績に貢献した。
さらに米国では、前年同期比48.6%の大幅な増加となる5万2,763台(2022年第1四半期:3万5,505台)、中国では第1四半期に13万6,416台のアウディ車を販売した(2022年第1四半期:16万1,621台)。
第1四半期は好調な売上高
第1四半期の売上高も大幅に増加しており、売上高は18.2%増加して168億8,300万ユーロ(2022年第1四半期:142億8,200万ユーロ)を達成。この増加に大きく貢献したのが、電気自動車のAudi Q4 e-tronとAudi e-tron GT quattro、そしてAudi Q5、Audi Q7だ。EUタクソノミーに準拠した売上高の割合も14.5%(2022年第1四半期:11.3%)に達した。
第1四半期の営業利益率
アウディ グループの営業利益は18億1,600万ユーロ(2022年第1四半期:34億6,800万ユーロ)を達成。前年同期に対する減少は、主に16億ユーロに上る原材料ヘッジ取引によるマイナスの影響によるものだという。一方、価格設定と、ブランド グループの好調な業績が営業利益にプラスの貢献をしている。その結果、アウディ グループは、戦略的目標範囲の上限値となる10.8%という2桁営業利益率(2022年第1四半期:24.3%)を達成した。
ベントレー、ランボルギーニ、ドゥカティの各ブランドも販売好調
ブランド グループ傘下のベントレー、ランボルギーニ、ドゥカティも、2023年のスタートに大きく貢献。なかでもベントレーは、前年同期比約10%増となる3,517台(2022年第1四半期:3,203 台)の車両を販売。さらに、売上高も前年同期比8.5%増の8億8,200万ユーロ(2022年第1四半期:8億1,300万)に伸ばした。営業利益は2億1,600万ユーロに増加し(2022年第1四半期:1億7,000万ユーロ)、営業利益率は3.5%上昇して、 24.4%(2022年第1四半期:20.9%)に達した。
またランボルギーニは、前年同期比3.3%増の2,623台(2022年第1四半期:2,539台)の車両を販売し、記録を更新。売上高は22.8%増加して7億2,800万ユーロ(2022年第1四半期:5億9,200万ユーロ)となり、営業利益は46.1%の大幅な増加となる2億6,000万ユーロ(2022年第1四半期:1億7,800万ユーロ)を達成。営業利益率(30.0%)をさらに押し上げ、2023年第1四半期には35.7%を達成した(2022年第1四半期:30.0%)。
ドゥカティも、前年同期比9.1%増となる1万4,725台(2022年第1四半期:1万3,492台)のモーターサイクルを販売。売上高は 40.3%増の3億2,300万ユーロ(2022年第1四半期:2億3,000万ユーロ)に達した。営業利益は、前年同期比134.2%と大幅に増加し、5,800 万ユーロとなった(2022年第1四半期:2,500万ユーロ)。営業利益率は17.8%で、前年同期より7.1%上昇している(2022年第1四半期:10.7%)。
2023年の今後の予測について
アウディ グループは引き続き、2023会計年度に180万台から190万台の車両の販売、690億ユーロから720億ユーロの売上高を見込んでおり、営業利益率はこれまで通り9~11%の範囲になると予測。ネットキャッシュフローは、45億ユーロから55億ユーロの範囲になると予想しているという。
アウディ グループの主な業績(抜粋)
2023年第1四半期 | 2022年第1四半期 | |
---|---|---|
ブランド グループ販売台数 | 421,824 | 390,826 |
アウディ グループ売上高(単位:百万ユーロ) | 16,883 | 14,282 |
アウディ グループ営業利益(単位:百万ユーロ) | 1,816 | 3,468 |
アウディ グループ営業利益率(単位:%) | 10.8 | 24.3 |
営業外収益(単位:百万ユーロ) | 544 | 430 |
税引後利益(単位:百万ユーロ) | 1,767 | 2,939 |
アウディ グループ ネットキャッシュフロー(単位:百万ユーロ) | 1,710 | 1,638 |
アウディブランド販売台数
2023年第1四半期 | 2022年第1四半期 | 2022年比増減 | |
---|---|---|---|
全世界 | 415,684 | 385,084 | +7.9 % |
ヨーロッパ | 181,001 | 153,408 | +18.0 % |
| 60,811 | 53,754 | +13.1 % |
| 32,636 | 27,201 | +20.0 % |
| 11,859 | 9,688 | +22.4 % |
| 16,915 | 13,290 | +27.3 % |
| 9,836 | 6,554 | +50.1 % |
米国 | 52,763 | 35,505 | +48.6 % |
メキシコ | 3,204 | 2,477 | +29.4 % |
ブラジル | 1,363 | 1,042 | +30.8 % |
中国(香港を含む) | 136,416 | 161,621 | -15.6 % |
(Text Toru Matsumura)