新型コンパクトSUV「Audi Q2」の初回限定車「1st edition」を試乗会でチェックする!
※2017年5月の記事を再構成して掲載しました。
コンパクトSUVの「Audi Q3」よりもさらにボディサイズが小さいということで、このAudi Q2が「Audi A1」をベースとしたモデルと思われる人も少なくないだろうが、事実は異なる。それは、キャビンを覗けば一目瞭然だ。
Audi A1ではなく、Audi A3似のコックピットが物語るように、Audi A3、いや正確には、Audi A3やAudi TTが採用する「MQB」といわれるアーキテクチャーのうえに成り立っているのだ。
コンパクトなSUVでありながら、最新のアウディ バーチャルコックピットや、自動ブレーキシステム、アダプティブクルーズコントロール、トラフィックジャムアシストなどを搭載するのも、MQBを採用したアドバンテージのひとつである。
インテリアの質感が高かったり、最新版のMMIが搭載されているのも、このクルマが最新のAudi A3と同レベルであることを物語っている。名前の数字は「2」だが、中身は「3」なのだ。
ホイールベースは2595mmと、Audi A3やAudi Q3よりも短いが、後席には大人でも十分快適に過ごせるスペースが確保されている。リヤシートのバックレストやクッションもそれなりに厚みがあり、快適な移動ができそうだ。
ラゲッジスペースもコンパクトな見た目以上に広く、移動可能なフロアを低い位置に設定すると、60cm強の高さが確保されるなど、使い勝手も良さそう。もちろん、後席は分割可倒式で、その際、フロアを高い位置に設定すれば、ほぼフラットな荷室となるのもうれしいところだ。
ドライバーズシートに収まった感覚はほぼAudi A3。さっそく走り出すと、Audi A3よりも多少アイポイントは高いものの、運転感覚もAudi A3に近いものだった。
搭載するエンジンは、Audi Q2のラインアップのなかで最もパワフルな1.4 TFSI CoDであり、Audi A4をも不満なく加速させるだけに、加速性能は期待どおり。低回転から力強く、アクセルペダルに対するレスポンスも上々。高速道路の合流や追い越しのシーンでも、素早い加速を見せてくれる。
短時間の試乗ということで燃費は確認できなかったが、CoD(シリンダーオンデマンド=気筒休止システム)を採用するだけに、高速巡航時ならカタログ燃費の17.9km/Lは余裕で超えられるだろう。
一方、走りっぷりも、標準よりも1インチアップの215/50R18タイヤを履き、さらにsportがベースのS lineということで、思いのほかキビキビとしたハンドリングを示す。コーナリング時のロールも良く抑えられており、山道でも軽快に走るのが印象的だった。
反面、バネ下の重さが気になる場面もあり、また、路面のショックを伝えがちだったりと、やや荒っぽさが残るの気になってしまった。
短時間の試乗では、見た目は若々しくても、クルマそのものはAudi A3相当のしっかしした仕上がりを見せており、なかなか魅力的。今回は限定車の試乗だったが、標準モデルの試乗車が導入された後には、その乗り心地を含めてもう一度しっかりチェックしたいと思う。
(Text & photos by Satoshi Ubukata)