クルマのトラブルで最も多いのは何かご存じですか? 実はバッテリー上がりが一番多いんです。 JAF(日本自動車連盟)によれば、ロードサービスの救援依頼の原因として最も多いのがバッテリー上がり。2013年のデータを見ると、その比率は約35%と高く、約13%で2位のパンクを大幅に上回っています。
※2014年10月の記事を再構成して掲載しました。
![画像1: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/de8884d526a7fdfcb0f4469bf6d3a779afb226bf_xlarge.jpg)
バッテリー上がりの原因には、ライトやハザードランプなどの消し忘れや、エンジンをかけずにオーディオ/カーナビをオンのままにしたなど、ドライバーのうっかりミスが挙げられます。そして、バッテリーの寿命も。
ひと昔前は、「エンジンがかかりにくくなったり、ライトが暗いと感じたらバッテリーの寿命が近づいている証拠なので、早めに交換しましょう」というのが"常識"でした。ところが、バッテリーの高性能化が進んだ現在、この常識が通用しなくなっているのです。
私自身もこんな経験がありました。Audi車ではありませんでしたが、立体駐車場にクルマを停めてショッピングしたあと、クルマを出そうとしたらいきなりバッテリーが上がっていた......。前述のような予兆は皆無でしたし、ライト類の消し忘れもありませんでしたから、あまりに突然のトラブルで、信じられませんでした。
![画像2: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/b372df56637c25750d314225a5d4ed16d044a7ff_xlarge.jpg)
同様の事態はAudi車でも起こりえます。どうやら、Audiに搭載される高性能純正バッテリーは寿命が長く、寿命の最後まで高い性能を維持するぶん、バッテリー上がりの予兆が感じにくくなっているというのです。
エアコンなどの使用により、バッテリーに負担が大きくなるのが夏。「備えあれば憂いなし」ということで、Audi正規ディーラーにクルマを持ち込んで、早めにバッテリーを交換することにしました。
念のため専用テスターを使い、バッテリーの状態をチェックしてもらいました。これはバッテリーの内部抵抗からその"健康状態"を診断するものです。判定は「良好」でしたが、早めの対策に越したことはありません。
![画像3: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/4cdc1621f1ce6fe78583cc7c7df3be1e1ec4fa3c_xlarge.jpg)
さっそくバッテリーの交換作業が始まりました。Audi A6の場合、バッテリーはラゲッジスペースの床下にありますが、メカニックがボンネットを開けています。見るとバッテリーを外しても電源が落ちないよう、バックアップ電源を取り付けていました。こうすることで、オーディオをはじめ、各種設定がリセットされずにすむからです。こういった配慮がプロのワザですね!
![画像4: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/eced05b5fc0492a70ad820caee840afd9e44eaff_xlarge.jpg)
さっそくバッテリーを取り外しますがAudi A6用ともなるとサイズが大きいうえ、見た目以上に重くて驚きます。不用意に持ち上げると腰を痛めてしまいそうなので、プロに任せるのが最善ですね。
![画像5: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/56347dbe9db0487ee1042916cef4947302f89860_xlarge.jpg)
ここで肝心なのが、交換の前後でサイズや容量が同じものを使うこと。さらに、同じタイプであることも重要です。
実はこのバッテリーは「AGM(Absorbed Glass Mat)」と呼ばれるタイプで、ガラスマットに電解質を浸透させた構造のもの。振動に強く、完全密閉構造のためメインテナンスも不要です。さらに、スタートストップシステム(アイドリングストップ機能)やブレーキ回生システムに対応しています。
![画像6: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/cb36816084e4280cfa4165fbd7214738cebf3c0d_xlarge.jpg)
最近のAudi車はスタートストップシステムが多くのモデルで採用されていますが、スタートストップシステム付きのクルマに従来型のバッテリーを載せてしまうと、必要な性能が得られないばかりか、頻繁なエンジン始動に耐えられず、大幅に寿命が短くなってしまうそうです。無駄な出費を避ける意味でも、純正バッテリーがお勧めなのです。ちなみに、Audi純正バッテリーは2年保証が付いているので、2年ごとの交換が良さそうですね。
新品バッテリーに載せ換えたあとに、もうひと手間。車両のコンピューターに新しいバッテリーの情報を登録します。こうすることで、車両は純正バッテリーが搭載されたことを認識し、バッテリーの充放電をきめ細かく監視できるようになるのです。
![画像7: バッテリーは備えあれば憂いなし[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/08/14/926b2c802bf2d669382112e5b497cf493205df40_xlarge.jpg)
ということで、やはり本当の安心を求めるなら、Audiのプロの作業でAudi純正バッテリーに交換するのがベスト。ロードサービスのお世話にならないためにも、早めの対策が大切ですね!
(Text by Satoshi Ubukata)