2020年7月25日、26日、宮城県のスポーツランドSUGOで「TCRジャパンシリーズ2020 Round 1」が行われ、25日のSaturdayシリーズ決勝でAudi RS 3 LMSが優勝し、幸先の良いスタートを切った。
TCR車両で競われるスプリントレース「TCRジャパンシリーズ」の2020シーズンがついに開幕した。2シーズン目を迎えるこの開幕戦には、Audi RS 3 LMSが1台、VW Golf GTI TCRが2台、CUPRA Leon TCRが1台、ALFA ROMEO GIULIETTA TCRが2台、ALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRが1台、Honda CIVIC TCRが2台の計9台が、スポーツランドSUGOに集結した。
各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、それぞれに15分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが組まれている。
7月25日 Saturdayシリーズ
この日の午前には、SaturdayシリーズとSundayシリーズの予選が予定されていたが、スポーツランドSUGOは朝から濃霧に見舞われ、安全な視界が確保できないとの理由から予選がキャンセルになってしまう。
これにともない、Saturdayシリーズ決勝のスターティンググリッドを抽選で決定。ポールポジションを獲得したのは#73 大蔵峰樹選手(GIULIETTA Veloce)で、#19 HIROBON選手(Golf GTI)は5番グリッド、#25 松本武士選手(Golf GTI)は7番グリッド、#190 一條拳吾選手(Leon)が8番グリッド、#21 篠原拓朗選手(RS 3 LMS)が9番グリッドからのスタートとなった。
#21 篠原選手は、前日の専有走行や、決勝直前のウォームアップ走行でともにトップタイムをマーク。それだけに最後尾からの追い上げに期待が集まった。午後1時16分にレースがスタートすると、1周目の終わりには#21 篠原選手が4位までポジションをアップ。一方、トップが#19 HIROBON選手、2位が#25 松本選手、3位が#62 塩谷烈州選手(Civic)、5位が#190 一條選手と、5位までを4台のフォルクスワーゲングループ勢が占める展開になった。
ここで強さを見せたのが#21 篠原選手で、3周目には#62 塩谷選手を捉えて3位に、4周目には2位に順位を落としていた#19 HIROBON選手をかわして2位に順位を上げる。ここから先行する#25 松本選手との差を徐々に縮め、9周目からはテール・トゥ・ノーズのバトルに。ともにオーバーオールを戦う2台だけに、#25 松本選手は#21 篠原選手を必死に抑え込むが、12周目の4コーナーで#21 篠原選手の先行を許すことに。
その後、2台の背後から迫る#190 一條選手がトップに踊り出る場面もあったが、#21 篠原選手が首位を奪還。そのまま16周を走りきって、開幕戦で勝利を飾った。
いわゆるジェントルマンドライバーが争うブロンズクラスは、#190 一條選手が優勝。2位が#19 HIROBON選手、3位が#62 塩谷選手という結果となった。
7月26日 Sundayシリーズ
Saturdayシリーズ同様、予選がキャンセルなったSundayシリーズ。決勝のスターティンググリッドはSaturday Series決勝のベストタイム順となった。ポールポジションは#190 一條選手で、2番グリッドが#21 篠原選手、3番グリッドが#19 HIROBON選手。#25 松本選手は4番グリッドからスタートの予定だった。
しかし、決勝が行われる26日も、スポーツランドSUGOは朝から濃霧に見舞われ、時間によっては安全な視界が確保できない状態。TCRジャパンシリーズのSundayシリーズ決勝が行われる時間帯も霧が深く、残念ながらレースは中止になった。このため、Round 2以降のレース開催期間中に、代替レースが組み込まれる予定だ。
次の第2戦は、8月29日、30日、ツインリンクもてぎで開催される。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)