「Audi A6」に2L直列4気筒ターボを搭載する「Audi A6 45 TFSI quattro」が登場。その実力をチェックする。

画像1: 【ミニ試乗記】Audi A6 45 TFSI quattro sport

新型の発売から約10カ月後の2020年1月、Audi A6に待望の新グレードが追加になった。発売当初は3L V6ターボのみだったエンジンバリエーションに、2L 直列4気筒ターボが加わったのだ。

その概要は上記のニュースをご覧いただくとして、搭載される2.0 TFSIエンジンは、最高出力180kW(245ps)、最大トルク370Nm(37.7kgm)というスペックで、旧型に比べると最高出力が5kW(7ps)控えめな数字となっている。トランスミッションは引き続き7速Sトロニックを採用するが、quattroは機械式センターディファレンシャルを用いるタイプから、AWDクラッチと呼ばれる電子制御油圧多板クラッチの新方式に変更されている。

さらに、12V電源システムを使用しながら、より大きなエネルギー回生が可能となるマイルドハイブリッドシステムを採用するのが新しい。

画像2: 【ミニ試乗記】Audi A6 45 TFSI quattro sport

さっそく走り出すと、動き出しの軽さとエンジンの反応の良さに驚かされる。旧型では発進時やエンジン回転が低い状況で軽く加速する場面などでは、多少動きがもっさりとした印象があったが、この新型ではそんな不満が見事に解消されていたのだ。

省燃費に貢献するマイルドハイブリッドだが、加速時にはベルト駆動のオルターネータースターター(BAS)がエンジンをアシストすることで、いわゆる“ターボラグ”をカバーしているのだろう。ただ、メーターを見ていても「現在アシスト中」といった表示は現れず、もう少しアピールしても良いと思うが、技術をひけらかさないところがAudiの奥ゆかしさだ。

一方、アクセルペダルを大きく踏み込めば、2000rpm手前あたりから力強い加速がもたらされ、6000rpmを超えても勢いが続く。もちろん、絶対的な加速は3L V6の3.0 TFSIには及ばないが、この2Lでもストレスのないスポーティなドライブが楽しめるのがうれしい。

高速道路を巡航しているときなどに、アクセルペダルをオフにすると、多くの場合はエンジンがストップし、惰力で走行する“コースティング”を行うのもマイルドハイブリッドの特徴。この状態ではいわゆるエンジンブレーキがかからないが、前走車が近い場合にはコースティングせず、エンジンブレーキをかける制御になっているのは安心の配慮だ。

気になる燃費は、今回の試乗では高速道路を流れに乗って走ったときが15km/L台、ややペースを落として80km/h付近で走行した場合が18km/L台。車両のサイズやパワフルな走りを考えれば、優秀な数字といえるだろう。

いまやこのクラスも4気筒エンジンが主流だが、より身近な価格と十分なパフォーマンスを手に入れたAudi A6 45 TFSI quattroは、A6シリーズの主力グレードになりそうだ。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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