2019年10月25日〜27日、三重県の鈴鹿サーキットでFIA WTCR第8戦「WTCR JVCKENWOOD RACE OF JAPAN 2019」が開催され、フォルクスワーゲン、アウディ勢が表彰台を獲得するとともに、2名の日本人ドライバーが世界の強豪を相手に速さを見せた。
全10戦が開催されるWTCRの第8戦が鈴鹿サーキットで開催。全29台のうち、フォルクスワーゲングループはフォルクスワーゲンが4台、アウディが6台、クプラ(セアトのスポーツブランド)が4台エントリーした。
注目は、この鈴鹿ラウンドに“ワイルドカード”として2人の日本人ドライバーがスポット参戦したこと。SUPER GTでAudi R8 LMSを走らせるAudi Team Hitotsuyamaが、富田竜一郎選手と宮田莉朋選手とともに、Audi RS 3 LMSでエントリーしたのだ。
10月26日に行われたレース1では、2番グリッドからスタートした#10 ニールス・ランゲヴェルト選手(Comtoyou Team Audi Sport/Audi RS 3 LMS)が2位表彰台を獲得した。
翌27日のレース2では、2番グリッドからスタートした#12 ロブ・ハフ選手(SLR Volkswagen Motorsport/VW Golf GTI TCR)が2位でゴール。さらに、レース3では、#14 ヨハン・クリストファーソン選手が、ポール・トゥ・ウィンを果たしている。
一方、日本人ドライバーは、#77 宮田莉朋選手がレース1の予選で7位を獲得し、レースでも5番手スタートから世界の強豪を相手に一時10位までポジションを落としたものの、7位まで順位を回復。しかし、シフトアクチュエーターのトラブルからリタイヤとなった。翌日のレース2は25位完走、レース3はオープニングラップに他車に弾き出されリタイヤに終わっている。
#7 富田選手は、レース1は19位、レース2は18位で完走。しかし、レース3では終盤の接触によりリタイヤとなった。
それでも、一時はトップ10を走る日本人ドライバーの活躍に、日本のファンは大いに沸いた。また、併催のTCRジャパンシリーズに参戦するドライバーたちも、2人のドライバーの走りに刺激を受け、「いつかはWTCRを走ってみたい」という声が聞かれた。
レース後、Audi Team Hitotsuyamaの一ツ山亮次代表は、「決勝はほろ苦い結果となりましたが、それでも参戦前に予想していた以上にふたりのドライバーが活躍し、素晴らしい走りを見せることができたと思います。このWTCRに参加するために、併催のTCRジャパンシリーズの最終戦を欠場しましたが、TCRジャパンシリーズのエントラントや、これから参戦を考えている方々に対して、次なる目標を示すことができたとしたら、私たちがWTCRに参戦した意義は大いにあったと思います」とコメントし、参戦の手応えを噛みしめていた。
次戦は11月14日〜17日、マカオで第9戦が開催される。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Audi Sport, Volkswagen Motorsport)