2019年8月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた「鈴鹿10時間耐久レース(SUZUKA 10 HOURS)」で、Audi R8 LMS GT3で参加したAudi Sport Team WRTが見事優勝を果たした。

画像: photos by Audi Sport

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夏の四輪耐久レースとして親しまれてきた伝統の「鈴鹿1000km」に代わり、2018年にスタートした「SUZUKA 10 HOURS」。2年目となる今年は、国内外から36台のGT3とJAF-GT車両が参戦した。

Audi 勢は、Audi Team Hitotsuyamaの21号車(以下#21)、Audi Sport Team WRTの25号車(同#25)、Audi Sport Team Absolute Racingの125号車(同#125)の3台のAudi R8 LMS GT3が10時間の戦いに挑んだ。

決勝前日の8月24日には予選が行われ、ポールポジションこそ#42 BMW M6 GT3を駆るBMW Team Schnitzerに奪われたが、#25が2位、#125が7位、#21が18位と、Audi R8 LMS GT3の実力の高さを示すことになった。

画像1: 【SUZUKA 10H】Audi Sport Team WRTが優勝

翌25日は、真夏の日差しが降り注ぐなか、午前10時にレースがスタート。レース序盤は、ポールポジションの#42と予選3番手の#34の2台のBMW M6 GT3が1-2体制を築き、Audi勢は#25が3番手、#125が7〜8番手を走行する展開に。

一方、リチャード・ライアン選手、富田竜一郎選手、アレッシオ・ピカリエロ選手の3名で挑んだAudi Team Hitotsuyamaは、ピカリエロ選手がスタートを担当し、序盤から速いペースがポジションを上げていったが、他車との接触があり、それがもとでドライブスルーペナルティを科されることに。

画像2: 【SUZUKA 10H】Audi Sport Team WRTが優勝

富田選手にドライバー交替後には、接触が原因とみられる右フロントタイヤの内圧低下が発生。予定よりも早いピットストップを行い、その際、破損した部分の応急措置を施すことになり、先のドライブスルーペナルティとあわせて、タイムをロス。これにより、#21は優勝争いから早々に離脱することとなった。

画像3: 【SUZUKA 10H】Audi Sport Team WRTが優勝

これとは対照的に、#25はドリス・バンスール/ケルビン・ファン・デル・リンデ/フレデリック・ヴェルヴィッシュの3名が順調に周回を重ね、スタートから約2時間の時点で実質トップに浮上。

画像4: 【SUZUKA 10H】Audi Sport Team WRTが優勝

一方、#125のマーカス・ウィンケルホック/クリストファー・ハース/クリストファー・ミース組も少しずつポジションを上げ、スタートから約6時間後には実質的に2位となり、#25と1-2体制となった。

画像5: 【SUZUKA 10H】Audi Sport Team WRTが優勝

その後も、Audi R8 LMS GT3が1-2を続け、このままゴールかと思われたが、ゴールまで残り1時間を切り、#125が最後のピットストップを行った際に給油に手間取り、順位を落としてしまう。

最終的には#25が275周を走りトップでチェッカードフラッグを受け、#125が7位、#21が17位でレースを終えた。

なお、2位は#999 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing(Mercedes-AMG GT3)、3位は#912 Absolute Racing(Porsche 911 GT3 R)という結果となった。

レース後、Audi Sport customer racingで統括責任者を務めるクリス・ラインケ氏は、「Audi Sport Team WRTは、巧みな戦術によってミスを避け、3人のドライバーがすべてにおいて安定しており、速いラップタイムによって、スタート後3時間目から常にレースをリード。チャンピオンシップにおいて重要な意味をもつこの日本ラウンドで完璧なパフォーマンスを発揮し、勝利を収めることができました。今シーズンのIGTC開幕戦は苦しいスタートとなりましたが、これでマニュファクチャラーズとしては3位のポジションにつけることができましたと最終戦の南アフリカでは、年間タイトル獲得を目指します」と述べた。

一方、Audi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、「このレースはSUPER GTとは異なるピレリタイヤのワンメイクレースということもあり、Audi Sportからファクトリーカーと同じセットアップデータの提供を受け、予選はドライバー3人が安定したペースで20位以内に入ることができました。決勝は全体としてはいいペースで走ることができたのですが、第1スティントの接触によりペナルティを受けたり、その影響でタイヤの内圧が下がってしまうなど、タイムロスしたことが悔やまれます。やはり本国のチームはこのレースを熟知しており、またファクトリードライバーもR8の扱い方をよく知っているということを実感しました。今回の知見を今後のレースに活かしていきたいと思います。次はSUPER GTのオートポリスですが、セットアップの方向性も定まってきているので、上位を目指していきます」と、次のオートポリスでの雪辱を誓った。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, Audi Sport)

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