140807-AO-02.jpgクルマを安全かつ快適に走らせるためには、そのクルマにふさわしいタイヤを選ぶことが重要です。では、その選択の基準は? 新車が納車されるときというのは、何度経験しても心が躍ります。「このクルマでどこに行こう」、「どんな想い出ができるんだろう」など、これから始まる新しいカーライフに思いを馳せる瞬間ですからね。

それと同時に、「どんな走りを見せてくれるのか」ということも、とても楽しみです。私の場合、真っ先にチェックするのがタイヤです。タイヤは、クルマのなかで唯一路面と接しているパーツ。「走る」「曲がる」「止まる」のすべてに影響を与えるものだけに、どんなタイヤが装着されているのかが、気になってならないのです。

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私の愛車のAudi A3 Sportback 1.4 TFSIには最新のコンフォートタイヤが装着されていてひと安心......というのはさておき、よく見るとサイドウォールに「AO」という文字が記されています。

このAOは「Audi純正承認タイヤ」を示すシンボルということをご存じの方は多いはず。でも、「Audi純正承認タイヤって何?」と改めて聞かれると、うまく答えることができません。

そこで、今回はAudi純正承認タイヤとは何かを調べてみました。

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Audi純正承認タイヤとは、簡単にいえばAudiの工場で新車に装着されてくるタイヤのことです。

前述のとおり、クルマの性能を引き出す大切なパーツであるタイヤによってクルマの印象は大きく変わりますが、新車のAudiはどれもダイナミックかつ安定性に優れた性能を発揮しています。ということは、Audi純正承認タイヤは、Audiらしさを引き出すような性能を持っていなければならないはずですよね?

どうやってこれを実現するのか? 実はAudiは開発段階からタイヤメーカーと協力して専用タイヤの開発を進めているのだそうです。

140807-AO-11.jpgちなみに、クワトロ社が手がけるRSモデルの場合は「RO1」という文字が刻まれています。AO同様、RO1タイヤはクワトロ社が承認した純正装着タイヤを意味しています。
重要なパーツだけに、Audi純正承認タイヤに選ばれるには、独自の厳しい基準をクリアする必要があるそうで、その基準はなんと最大50項目! たとえば、一般道において最長25,000kmに及ぶ長距離耐久テストを行い、ドライとウェットの性能をチェック。また、特別なコースでハイドロプレーニングのテストを実施するといいますから、タイヤのテストだけでも大変な労力が必要になるはずです。

環境性能に直結するタイヤの転がり抵抗についても正確に測定するとともに、快適な走行に欠かせない真円度なども厳しくチェックするそうです。

走行安定性やステアリングのレスポンスがAudiの要求を満たしているかも検証。これには最新のテスト機器を用いて数値的な検証を行うとともに、数値には表れないAudiならではの乗り心地やハンドリングを熟練のテストドライバーがその感性によって評価を行っているといいます。これこそが、Audiらしい走りっぷりをもたらしているに違いありません。やはり最後は人間なんですね。

さらに、FFとquattroの両タイプで同様の試験が行われます。FFとquattroでは走行時の荷重配分が違いますし、FFではより前輪に負担がかかることになりますが、このように異なる環境でも同じように評価基準を満たすことが求められるのは、当然といえるでしょう。

そして、こうしたテストを見事パスしたタイヤだけに「AO」のお墨付きが与えられるわけですから、AOマークの重みは想像以上に大きいことがわかるでしょう。

一方、タイヤメーカーとしてもAudi純正承認は重要な意味があるといいます。タイヤメーカーの話では、Audi純正承認を取るのはとても困難なことで、性能や品質の面で一段と高い基準をクリアしなければならないそうです。そのため、一般のタイヤに比べて開発にも時間も手間もかかりますが、このAOマークがタイヤメーカーとしてのステータスになるという一面もあり、力を入れる原動力となっているようです。

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こうして生まれたAudi純正承認タイヤは、Audiの厳しい基準をクリアした高品質・高性能タイヤであるとともに、Audi車にとってベストチョイスのタイヤといわざるを得ないでしょう。巷にはAOタイヤ以外にもさまざまな選択肢がありますが、Audiが誇るダイナミックかつ走行安定性の高い走りを手に入れるには、車両と同時に開発されたAudi純正承認タイヤが不可欠なのです。

Audiの正規ディーラーならAOマーク入りのタイヤが手に入りますので、買い換えを考えているAudiオーナーはぜひお店でご相談されてみてはいかがでしょう? 新品のAudi純正承認タイヤとともに、Audiらしい走りを取り戻しましょう。

(Text by Satoshi Ubukata)

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