090723_8si_001.jpgレーシングドライバー、荒選手へのインタビューの後編です。前回はルマンについての話でしたが、後編では今季開幕戦を勝利し、現在(2009年7月30日時点)ドライバーズランキング、チームランキング共に3位と絶好調のスーパーGT選手権についてと、愛車のRS6について聞いてみました。
090723_8si_002.jpg2009年3月、岡山国際サーキットで行われた2009年スーパーGT第1戦は、雨の降る中、ウェットコンディションでスタートした。予選3番手でスタートしたNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手は好スタートを切り、そのままオープニングラップでトップに立つ。このレースで初めて投入した新パターンのレインタイヤをはじめとしたセッティングが見事に決まった。オリベイラ選手は後続を引き離し、2位に1分以上の差をつけて荒選手に交代する。荒選手に変わった後もノーミスで周回を重ねて、チェッカーを受ける。KONDO RACINGは念願の国内初優勝でもあった。このレースを振り返り荒選手は「2年がかりで開発してきたレインタイヤで結果を出せてとても嬉しかった。」と話してくれた。

090723_8si_009.jpg「今年のヨコハマタイヤはウェイトの影響もそんなに受けず、車重が重たくても速く走る。ウェットでも安定した速さを発揮する。様々なレースを想定して開発してきた結果なんです。」スーパーGTの開幕戦は、どのチームもウェイトハンディが無いために、まさにガチンコ勝負だ。チームとしての総合力が勝負の分かれ目になる。その開幕戦で勝利したことは荒選手をはじめチームに大きな自信となったそうだ。しかも第2戦から第4戦までポイントの取りこぼしが無く、良い流れを切らすことなく前半戦を終えたのではチームとしての完成度を感じる。

090723_8si_010.jpg好調のもうひとつの要因として、今年で3年目になる、荒選手/J・P・オリベイラ選手コンビのチームワークの良さも挙げられるだろう。お互いに信頼し合っているからこそ、長い距離を安定した速さで走りきれるのだろう。「今のチームなら、今後の課題や問題点などもすぐに解決できると思う。」そう力強く話してくれた荒選手から今年は目が放せない。

090723_8si_007.jpgさて、荒選手がプライベートで乗っているのは、アウディRS6アヴァント。とても気に入っているそうだが、どの辺りがお気に入りなのだろうか?「なんといってもスタイリングですね。特に前後フェンダーの盛り上がりとワイドで踏ん張った感じが好きです。ワイドなんだけどバランスが取れていてデザインもまとまっている。凄く太いタイヤを履いているんですが、下品な感じがしなくて良いですよね。あと、内装のクォリティが高いところも気に入っています。」ルーフやピラーの内張りがスウェードで覆われているのも、RS6ならではの独特な雰囲気を醸し出している。

090723_8si_008.JPG運転席に座った時に、窓の大きさやピラーの角度など、適度な包まれ感が安心できるとも言う。そんなRS6アヴァントの車内には、レーシングカーのR8と同じ空気を感じるそうだ。「実はRS6のスイッチ類の配置が、ルマンで走ったR8と似ているんです。同じスイッチもあるし、パドルの裏の手触りなんかも一緒なんですよ。」市販車とレーシングカーの意外な共通点に驚きながらも、『速いクルマ=楽に運転できて疲れにくいクルマ』という言葉を考えれば納得できる。

090723_8si_004.JPG「ワゴンでパワーがあって、速いクルマ」ということで2003年に購入したアウディRS6。CPUを変更しパワーアップしつつも、同時に燃費も改善。特注のサスペンションとブレーキパッドに変更。これらにより走りの安定感は更に高まった。「RS6は本当に良いクルマだと感じるのは、自然に落ち着いて乗れるからだと思います。今までいろいろなクルマに乗りましたが、ここまではまったクルマはなかったですね(笑)RS6は完璧なクルマです!!」

090723_8si_012.jpgレーシングドライバーとして円熟期をむかえている今だからこそ、そう思えるのではないだろうか。様々なカテゴリーに参戦し、様々なサーキットを、様々なコンディションを走り、多くの経験をしてきた荒選手だからこそ、RS6の素晴らしさにハマるのだろう。

(Text&Photo: M.MAKIMURA, Photo: GTA, YOKOHAMA RUBBER)

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