170416-A1 part3-2.jpg「Audi A1 Fun Cup」当日の4月16日は、青空を背景に雄大な富士山が姿を見せる絶好のレース日和に恵まれました。

予選開始は8時35分ですが、富士スピードウェイには6時半に到着。サーキットの朝は早いんです。
この日は、Audi A1 Fun Cupを含む混走レースの予選が最初のイベントということもあって、6時55分から"車検"を受けなければなりませんでした。もちろん、マシーンは170416-A1 part3-1.jpg
20分間の予選には、Audi A1 Racerに加えて、スターレット、ヴィッツ、デミオの計24台が同時にタイムアタックを行います。Audi A1 Racerよりもラップタイムが速いのはスターレットだけ。練習走行に比べると台数は少なく、他のレースに参加する速いクルマもいないので、前日よりは断然ラクです。

とはいっても、ラップタイムは思うようには縮まらず、5周目にマークした2分18秒718がベストでした。まあ、それでも前日よりは3秒も速いのですが。一方、ポールポジションを争うふたりは......104号車の塚本奈々美選手が2分14秒106、101号車の渡辺圭介選手が2分14秒476でともにコースレコードを更新! レースは10年ぶりくらいという102号車の一ツ山陽介選手も2分16秒989で、私だけ"おいてけぼり"を食らうことに。

ちなみに、走行時のギヤチェンジはすべてSトロニックまかせで、Sモードに入れたままです。Sトロニックなら、運転に集中できるし、エンジンのオーバーレブの心配もないのもいいですね。

結局、予選結果はクラス4位(つまりビリです)で、総合では14番手。1〜9位がスターレット勢で、その集団のあとにAudi A1 Racer、そのうしろにデミオが続いています。

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予選が終わると決勝までは3時間以上あるので、ちょっと一息。パドックをうろついていると、プレス関係者は少ないものの、意外なところで知人に出くわしたりして、気持ちが和みます。そうして私がリフレッシュしている間にも、メカニックがキッチリとマシーンをメインテナンスしてくれているので安心です。

そうこうしているうちに、コースインの時間が近づいてきました。再びレーシングスーツに着替え、イエローのAudi A1 Racerに乗り込み、スターティンググリッドを目指します。「グリッド間違えたらどうしよう?」なんて不安が一瞬頭の中をよぎりましたが、思いのほかグリッドの番号が見やすいうえ、担当のメカニックが手を振って迎えてくれているので、心配は無用でした。

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ここからフォーメーションラップのスタートまで約12分。初夏の陽気で気温の高い車内、バケットシートに縛りつけられて待つ時間が永遠のように感じられます。そしてようやくフォーメーションラップがスタート。スタンディングスタートのため、ふたたび自分のグリッドに着いて、レース開始を待ちます。

この瞬間、緊張はマックスに! せめてもの救いは、Sトロニックなのでエンストの心配がないことです(笑) レッドのシグナルが点灯し、すぐにブラックアウト。スタートはまずまずで、クラス3番手の102号車の前に出ることができました。ところが、混み合う1コーナーを見て怯んでいる隙に102号車に加えて、ラップタイムで劣る2台のデミオにまでインを刺されて先行を許すことに。度胸不足、経験不足が露呈してしまいました。

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こうなると、とにかく前を走るデミオをパスしないと、他のA1との差は開くばかりです。ストレートスピードで勝るAudi A1 Racerですが、コーナーは経験豊富なドライバーが操るデミオのほうが私より速く、どこで追い越せばいいのか迷っている間にも周回数は増えていきます。

さすがにこれじゃあマズイので、意を決してメインストレートで1台、その2周後にも1台パス。しかし、その直後からコーナーごとにデミオに煽られることに。そのたびにミスを犯しながらもなんとか持ちこたえ、ようやく終盤にはミラーに映るデミオの姿が小さくなりました。

先行する他のAudi A1 Racerはほぼ視界から消え、まるで貸し切り状態の富士スピードウェイ。心に余裕が生まれたのか、それまでがむしゃらに挑んできたコーナーが、少しずつ気持ちよく走れるようになってきました。ただ、調子に乗って単独スピンなどというみっともない姿だけは避けたかったので、最後まで気を緩めるわけにはいきません。

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そしてついにチェッカー! フラッグを確認したあと、さらにコースを1周。コースサイドでオフィシャルが手を振っているのが見えます。正直なところ、不甲斐ない結果でしたが、そんな私に対しても声援を送ってくれている姿に心が熱くなりました。無事に走り切れて良かった!

最終コーナーを過ぎてコースから離れようとすると、オフィシャルがピットレーンに誘導します。えっ、ポディウム!?

なんと先頭争いをしていた渡辺選手と塚本選手が接触、渡辺選手のマシーンはダメージを受け、一度ピットに戻っていたのでした。その結果、優勝は塚本選手、2位は一ツ山選手。私は3位でした。ちなみに、ファステストラップをマークしたのは渡辺選手でした......惜しい!

私のレース内容がいまひとつなだけに、ちょっと複雑な気持ちでしたが、"棚ぼた"でも富士の表彰台に上がれるのはうれしいもので、無傷で完走できたご褒美と思うことにしました(笑)

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そして、初めて上がる富士の表彰台は、なかなかの見晴らしで、なんとも気持ちがいい! "シャンパンファイト"(ノンアルコールですが)も楽しくて、またこの場所に立てたらいいなぁと思いながら、足取りも軽く、ピットに戻る私でした。

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自分の走りには納得いかないところばかりで、まだまだ修行の必要性を痛感しましたが、楽しく貴重な体験ができた2日間でした。マシーンの用意からメインテナンス、そして、ドライバーの面倒など、あらゆることをHitotsuyama GmbHがサポートしてくれたおかげです。

ヘルメットひとつ抱えて、ひとりでサーキットを訪れても、こうやって安心してレースが楽しめることを考えると、1レースあたり32万円からという料金は高くないどころか、むしろ安いくらいでは?

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レース後、泣く泣くレースを欠席したGさんに結果報告をしました。2戦目以降はGさんが参戦するはずですが、もしも急な仕事で出られなくなったときには、心置きなく電話をくださいね(笑)

(Text by Satoshi Ubukata / Photos Junya Sasaki, Satoshi Ubukata)

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