110930hn001.jpg● 学識専門家が未来のモビリティに関して10の立場や意見を発表、アウディと対話
● 都市とクルマは共生の時代へ

<インゴルシュタット/フランクフルト発、2011年9月22日>

フランクフルト国際モーターショー(IAA)の開幕に合わせ、世界中から450人の学識専門家が集い、都市の未来について語りあうアウディ アーバン フューチャー サミットが開催されました。各界の専門家が打ち出した立場や意見は、未来におけるモビリティの姿をエキサイティングに示しています。

フランクフルトで行われたアウディ アーバン フューチャー サミットでは、1つのことがはっきりと見えてきました。メガシティのお手本などは存在しないということです。たとえばニューヨークは、フランクフルトやムンバイ、メキシコシティなどとは、構造面、モビリティの面でまったく違った成長を遂げています。ソリューションを求める以前に、まずは対象となる都市を詳細に研究し、適切な問いかけを定義しなければならないのです。その問いかけに対する答えは現地のニーズに関連するものとなるでしょうが、同時に世界に適用できるソリューションを生み出す可能性も秘めているのです。

コロンビア大学で教鞭を取る社会科学者で、経済学者でもあるサスキア サッセンが提言したキーフレーズ「街は問いかけに答える」は、今回のサミットにおける一貫したテーマとなりました。都市はさまざまなレベルで情報を伝えてきます。私たちはそれらを分析して、問題解決に役立つアプローチを育てていかなければならないのです。マサチューセッツ工科大学(MIT)で教授を務める技術者、建築家であるカルロ ラッティも、スピーチでこの立場を支持しました。

未来の都市とその要件を理解するためには、私たちに提供されるデータを全体的に評価しなければなりません。社会協調やシェアリングというテーマとともに、ネットワークやデータベースは重要な役割を果たします。未来のクルマは、都市システム、インフラストラクチャー、デジタルデータの流れ、そして社会協調の中に組み込まれる存在となるでしょう。

今回のサミットは、生活のための都市部スペースにおけるモビリティに関する、先入観を抜きにした意見交換を始めるきっかけとなりました。オープンシステムとしての都市に関しては、異なる分野の専門家たちが発言。アウディはこの重要な対話に参加し、ディスカッションにおいて自動車メーカーとしてのノウハウを供与し続ける予定です。アウディ アーバン フューチャー インサイトチームは、対話の内容を評価し、社内にその意見を取り入れる役割を与えられています。

アウディAG取締役会会長ルパート シュタートラーは、このサミットにおいて明るい見通しを表明しました。「ここに集まっていただいた全員が、未来の都市におけるモビリティに関するディベートの中心的存在なのです。私たちは、ものごとを変える手段を持っています。私たちには、信念そしてノウハウがあります。私たちは全員が、未来に備えたいと思っています。知識を共有し、ネットワーク化、そして記録したいと思っているのです」。さらに、「未来のモビリティという問題に関しては、オープンで、お互いを尊重できる、正統な対話が必要です!未来において、クルマはどのような役割を果たすのでしょうか?」と続けました。

アウディのマーケティング&セールス担当取締役であるピーター シュワルツェンバウアーは、このイベントを総括して次のように述べました。

「未来の都市のモビリティに関わる難題を、ひとりで解決することなどできません。都市プランナー、電力会社、モビリティ提供者、政治家、そして未来の都市でこんな生活がしたいという意見を持つ人たちなど、関連あるすべての分野から人を集めてテーブルを囲まないと、成功させることはできないでしょう」。

基調講演からは、以下の立場や意見が発表されました。

○サスキア サッセン/コロンビア大学(ニューヨーク)社会学教授
「クルマの都市化には、『都市の一部のように見る』ことが求められます。この作業において、都市は気前の良いパートナー、より大きな現実を見るためのレンズなのです」。

○リチャード セネット/ロンドン スクール オブ エコノミクス内『LSE Cities』リサーチセンター所長、ニューヨーク大学人文科学部教授
「人間は、精神面においても感情面においても、まわりの複雑さを自ら理解することで成長してゆきます。(中略)私たちが成長するためにはオープンシステムの体験が必要なのです」。

○チャールズ レッドビーター/文筆家、クリエティビティおよびイノベーション分野で活躍するコンサルタント、専門家
「私たちが現在持っているシステムとともに生きていくのは、とても難しいことがわかってきました。私たちには、関係と共感をサポートするシステムが必要です。(中略)必要なのは『システムパシー』というような言葉で表現できるものです」。

○カルロ ラッティ/技術者、建築家、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授
「テクノロジーにより、街に立つビルや物体は私たちに答えを返すことができるようになりました。(中略)データに関して重要なのは、それらを組み合わせてゆくとパワーが飛躍的に増加するという点です」。

○ルトガー ホベシュタット/建築家、コンピュータサイエンス研究者、ETHチューリッヒ教授
「私たちが想像すべきは、指標付けられた知性によって力を持つようになった地球です。リソースや効率などのことを言っているのではありません。リソースは、いまやエネルギーと分離され、自由に循環するようになりました」。

○クリス アンダーソン/米国版『ワイアード』誌編集長
「『昔は、自分のクルマを運転して仕事に通ったものだ』
この文章の1語1句が私の子どもには理解不能に思えるだろう。
『自分のクルマを』-- 所有の概念は変わろうとしている。
『運転して』 -- クルマを運転しなければならないという事実はいかにも古風。
『仕事に通う』 -- これは仕事場が他にあることを暗示するもので、近年は変わりつつある概念です。人はどこでも仕事はできる。

○アラスデア ロス/エコノミストインテリジェンスユニット(ロンドン)グローバルプロダクトディレクター兼ワイヤーサービス部ディレクター
「私たちは、エネルギーの補足、変化、そして使用について意見を交わしてきました。クルマとは、この変化が発生する乗り物だということです」。

○ユルゲン マイヤー H/建築家、ユルゲン マイヤー H アーキテクツ(アウディ アーバン フューチャー アワード2010受賞)代表
「クルマは、運転するマシンから体験する乗り物へと変わってゆきます」。

○アリソン ブルックス/建築家、アリソン ブルックス アーキテクツ代表
「自動車および車両シェアリングプラットフォームは、プライベートなモビリティへのアクセス向上、都心部の土地および輸送インフラストラクチャーにかかる負荷低減のための戦略を提示できる可能性があります。共有を前提とするネットワーク化されたプライベート車両は、とくに開発途上国のメガシティにおいて負荷の掛かりすぎている公共交通システムを補うことができるかも知れません」。

○アンドレアス クロック ペダーセン/建築家、BIG(ビャーケ インゲルス グループ)パートナー、デザイン担当ディレクター
「ドライバーレスのクルマとは、より効率的なスペース活用、より詰めた駐車の実現、より効率的な交通の流れ、究極的にフレキシブルなモビリティの形を意味します。より効率的な交通の流れと、自動化された『スマート』パーキングによってクルマは道路からすばやく切り離され、オーナーを開放してくれます。(中略)交通テクノロジーの次なるパラダイムは、クルマに合った都市ではなく、都市に合ったクルマを生み出してくるでしょう」。

アウディアーバンフューチャーイニシアチブおよびサミット2011に関する詳細情報に関しては、以下を参照ください。
www.audi-urban-future-initiative.com

(アウディ ジャパン プレスリリース)

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