2012年6月4日、アウディ ジャパンはA1の5ドア版である「A1スポーツバック」を発表・発売。発表イベントを都内の「渋谷ヒカリエ」で行った。
海外試乗記はこちら 2011年の東京モーターショーで世界初公開(ワールドプレミア)となったA1スポーツバックが、ついに日本で発売になった。
アウディが「A0セグメント」と呼ぶサブコンパクトカー市場にこのA1を送り込んだのは、販売台数の増大に加えて、新規顧客の開拓と若い世代への顧客層の拡大という目的があった。
アウディ ジャパンの大喜多社長によれば、2011年の日本におけるA1の販売台数は4200台を達成し、うち77%が新規の顧客で、また購入層も40歳代以下が64%と、アウディの目論見どおりの結果となった。
購入者の世帯人数は2名以下が5割を占め、独身や若いカップルが中心だという。一方、ファミリー層にとっては、2ドアというボディタイプだけになかなか購入に踏み切れないというのが現実だろう。そこで、A1のスポーティさや上質な仕立てはそのままに、より機能的な5ドアモデルとして投入されたのがA1スポーツバックなのだ。
A1スポーツバックは、3ドアと同じ3970mmの全長を維持しながら、4ドア+テールゲートを備えた機能的なデザインを手に入れている。3ドアのスポーティさを失なわず、リアドアの後方にクォーターウインドーを加えることで3ドアとは異なる雰囲気をつくりあげたのが特徴だ。ちなみに、フロントマスクやフロントフェンダー、ボンネット、そして、フロントウインドーなどは3ドアとスポーツバックで共通である。
ボディカラーは9色を用意。ボディとルーフを別色で塗装する"コントラストルーフ"はオプション。ルーフアーチに加えて、ルーフパネルとルーフスポイラーが別色になるのが3ドアと異なる点だ。
インテリアも基本的には3ドアのデザインを受け継いでいる。エアコンの吹き出し口や内装のカラーコーディネートも可能である。
スポーツシートやスポーツサスペンション、215/45R17タイヤ+アルミホイール、LEDインテリアライトパッケージ、パドルシフト付き本革巻き3本スポークステアリングホイールなどが含まれる"スポーツパッケージ"(15万円)が用意されるのも3ドア同様である。ただし、3ドアのスポーツパッケージに"上乗せ"できるコンペティションパッケージはA1スポーツバックでは設定されない。また、オープンスカイルーフも用意されない。反対に、3ドアにオプション設定されるアドバンストキーシステムは、このA1スポーツバックでは標準で装着される。
MMIは、ナビゲーションなしの「MMIベーシック」を標準装着する。ナビゲーションシステムやETC、地デジなどが追加される「MMI 3Gプラス」はオプション(26万円)。BOSEサラウンドサウンドシステムは受注生産オプションである。
後席は、ルーフが後方に伸ばされ、また、実際にはわずかにルーフが高くなっていることでヘッドルームが拡大している。3ドアでは乗車定員が4人だったが、このA1スポーツバックでは5人乗りになったのも見逃せない点だ。もちろん、後席中央にも3点式シートベルトとヘッドレストを備えている。
ラゲッジスペースは3ドアと変わらない。フロア下にバッテリーやMMI関連のユニット、スペアタイヤを収納するため、高さが不足気味なところも受け継いでしまった。
パワートレインは、1.4 TFSI(122ps)と7速Sトロニックの組み合わせで、こちらも3ドアと同じ。スタート・ストップシステムやブレーキエネルギー回生機構も搭載され、JC08モード燃費は17.8km/Lをマーク。エコカー減税(50%減税)とエコカー補助金(10万円)の対象となる。
発表会にはフリーアナウンサーの内田恭子さんとタレントの瀬戸朝香さんが登場。ともに小さなお子さんを持つふたりは、素敵な生き方を実践するファミリー=「Urban Egoist New Family」の代表としてトークを展開。クルマ選びでもっとも重視するポイントとしてともに「カッコよさ」を挙げていたが、このA1スポーツバックならふたりのお眼鏡にかないそうだ。
気になる価格は、3ドアより20万円高い293万円。2012年の販売目標は2200台ということだが、私には控えめな数字のように思える。それはさておき、近々、この日本仕様に試乗できるので、どんな仕上がり具合なのか、しっかりチェックしたいと思う。
(Text by Satoshi Ubukata)
海外試乗記はこちら 2011年の東京モーターショーで世界初公開(ワールドプレミア)となったA1スポーツバックが、ついに日本で発売になった。
アウディが「A0セグメント」と呼ぶサブコンパクトカー市場にこのA1を送り込んだのは、販売台数の増大に加えて、新規顧客の開拓と若い世代への顧客層の拡大という目的があった。
アウディ ジャパンの大喜多社長によれば、2011年の日本におけるA1の販売台数は4200台を達成し、うち77%が新規の顧客で、また購入層も40歳代以下が64%と、アウディの目論見どおりの結果となった。
購入者の世帯人数は2名以下が5割を占め、独身や若いカップルが中心だという。一方、ファミリー層にとっては、2ドアというボディタイプだけになかなか購入に踏み切れないというのが現実だろう。そこで、A1のスポーティさや上質な仕立てはそのままに、より機能的な5ドアモデルとして投入されたのがA1スポーツバックなのだ。
A1スポーツバックは、3ドアと同じ3970mmの全長を維持しながら、4ドア+テールゲートを備えた機能的なデザインを手に入れている。3ドアのスポーティさを失なわず、リアドアの後方にクォーターウインドーを加えることで3ドアとは異なる雰囲気をつくりあげたのが特徴だ。ちなみに、フロントマスクやフロントフェンダー、ボンネット、そして、フロントウインドーなどは3ドアとスポーツバックで共通である。
ボディカラーは9色を用意。ボディとルーフを別色で塗装する"コントラストルーフ"はオプション。ルーフアーチに加えて、ルーフパネルとルーフスポイラーが別色になるのが3ドアと異なる点だ。
インテリアも基本的には3ドアのデザインを受け継いでいる。エアコンの吹き出し口や内装のカラーコーディネートも可能である。
スポーツシートやスポーツサスペンション、215/45R17タイヤ+アルミホイール、LEDインテリアライトパッケージ、パドルシフト付き本革巻き3本スポークステアリングホイールなどが含まれる"スポーツパッケージ"(15万円)が用意されるのも3ドア同様である。ただし、3ドアのスポーツパッケージに"上乗せ"できるコンペティションパッケージはA1スポーツバックでは設定されない。また、オープンスカイルーフも用意されない。反対に、3ドアにオプション設定されるアドバンストキーシステムは、このA1スポーツバックでは標準で装着される。
MMIは、ナビゲーションなしの「MMIベーシック」を標準装着する。ナビゲーションシステムやETC、地デジなどが追加される「MMI 3Gプラス」はオプション(26万円)。BOSEサラウンドサウンドシステムは受注生産オプションである。
後席は、ルーフが後方に伸ばされ、また、実際にはわずかにルーフが高くなっていることでヘッドルームが拡大している。3ドアでは乗車定員が4人だったが、このA1スポーツバックでは5人乗りになったのも見逃せない点だ。もちろん、後席中央にも3点式シートベルトとヘッドレストを備えている。
ラゲッジスペースは3ドアと変わらない。フロア下にバッテリーやMMI関連のユニット、スペアタイヤを収納するため、高さが不足気味なところも受け継いでしまった。
パワートレインは、1.4 TFSI(122ps)と7速Sトロニックの組み合わせで、こちらも3ドアと同じ。スタート・ストップシステムやブレーキエネルギー回生機構も搭載され、JC08モード燃費は17.8km/Lをマーク。エコカー減税(50%減税)とエコカー補助金(10万円)の対象となる。
発表会にはフリーアナウンサーの内田恭子さんとタレントの瀬戸朝香さんが登場。ともに小さなお子さんを持つふたりは、素敵な生き方を実践するファミリー=「Urban Egoist New Family」の代表としてトークを展開。クルマ選びでもっとも重視するポイントとしてともに「カッコよさ」を挙げていたが、このA1スポーツバックならふたりのお眼鏡にかないそうだ。
気になる価格は、3ドアより20万円高い293万円。2012年の販売目標は2200台ということだが、私には控えめな数字のように思える。それはさておき、近々、この日本仕様に試乗できるので、どんな仕上がり具合なのか、しっかりチェックしたいと思う。
(Text by Satoshi Ubukata)