171224-RS 5-2.jpgAudi Sportが手がけるミッドサイズスポーツ「Audi RS 5 Coupe」を試乗。450psのV6ツインターボを手に入れた新世代RS 5の実力は? このモデルの登場を心待ちにしていた人は少なくないだろう。最新のAudi A5/S5をベースとしたスポーツクーペ、「Audi RS 5 Coupe」である。

Audi RS 5 Coupeのエクステリアは、Audi A5/S5 Coupeに比べて迫力を増している。ハニカムメッシュを採用し、quattroの文字が刻まれるシングルフレームグリルや、カーボンパネルが付加されたフロントバンパーなどが、ただならぬ雰囲気を醸し出している。
 
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さらに、大きく張り出したフェンダーもAudi RS 5 Coupeの特徴のひとつ。そこには275/30ZR20のタイヤが収まり、このクルマのハイパワーぶりが伝わってくる。

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先代のAudi RS 5 Coupeが自然吸気の4.2L V8エンジンを搭載していたのに対し、新しいAudi RS 5 Coupeは2.9LのV6ツインターボを採用。最高出力こそ450psと同じ数字だが、最大トルクは430Nmから600Nmへと大幅にアップ。これに8速ティプトロニックが組み合わされる。駆動方式が4WDのquattroであることは、いうまでもない。

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さっそくコックピットに収まると、すぐにいつものAudi A5/S5との違いに気づく。ステアリングホイールとシフトレバーにアルカンターラが施され、優しい手触りでドライバーを迎えてくれるのだ。

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ドライバー正面のメーターパネルもAudi RS 5専用のデザインに。回転計と速度計が一体化した丸形メーターを中央に配置できるモードが用意されるとともに、付加情報としてリアルタイムでパワーとトルクがチェックできるのが面白い。その下にはブースト計も備わる。
 
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オートモードで走り出し、最初に驚いたのがその乗り心地。Audi A5/S5よりもはるかにハードな乗り心地を覚悟していたが、見事に肩すかしを食らったのだ。

ボディの動きがしっかりと抑えこまれているのに、硬さを感じないのだ。ボディを下から押し上げているというよりも、むしろ上から吊り下げられ、路面にあわせてサスペンションがしなやかに動いているような、そんな不思議な感覚である。

タイヤが路面からショックを拾うこともあるが、275/30ZR20とは思えないほどそのショックは軽い。スピードを上げていってもフラットな乗り心地は維持され、スポーツカーの荒々しさとはまるで無縁である。

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一方、新しい2.9 TFSIエンジンは、わずか1000rpm前後でもその凄みを感じ取れるほどトルク豊か。アクセルペダルを軽く踏んで2000rpm以下で街を流すような場面でも十分過ぎるほどのトルクを発揮し、アクセルペダルの動きに対するレスポンスもまずまず。それでいて、こういった場面ではエンジンからのノイズも小さく、ラグジュアリークーペかと思うほど洗練されている。

しかし、アクセルペダルを踏みつけると2.9 TFSIエンジンは豹変し、圧倒的な速さを見せつける。とくに4000rpmを超えてからの吹け上がりは鋭く、レブリミットの6700rpmまで一気に加速するさまは「RS」の名にふさわしいものだ。にもかかわらず、その大トルクを余すところなく路面に伝えるため、ドライバーは躊躇せずにアクセルペダルを踏むことができるのはquattroならではだ。

俊敏な動きを見せるコーナーではロールをしっかりと抑え、確実に路面を捉えるのは、DRC(ダイナミックライドコントロール)付スポーツサスペンションのなせるワザ。残念ながら今回は本格的なワインディングロードやサーキットでその走りを試すことができなかったが、狙いどおりのラインをトレースできる優れたハンドリング性能をときおり垣間見ることができた。

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その完成度の高さに舌を巻いた新型Audi RS 5 Coupe。そうなると、2018年に日本への導入が予定されている「Audi RS 4 Avant」も楽しみである。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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