121015-A6h-7.jpgついに日本上陸を果たしたアウディのハイブリッドカー「A6ハイブリッド」。その走りは? 燃費は? 121015-A6h-10.jpg
シフトレバーをDに入れ、ブレーキペダルから足を離すと、A6ハイブリッドはゆっくりと動きはじめる。あいかわらずエンジンは停止したままで、モーターの力だけで"クリープ"していることになる。

121015-A6h-Monitor-3.jpgアクセルペダルに右足を載せて軽く踏むと、A6ハイブリッドはモーターの力だけで加速をはじめる。A6ハイブリッドの車両重量は1850kgに及ぶが、加速にもどかしさはない。アクセルペダルの踏み加減にもよるが、しばらくするとエンジンが始動。ここからは、モーターにとってかわり2.0 TFSIが主役になる。

121015-A6h-5.jpgできるかぎりモーターで走行したいときは、センターパネルの「EVボタン」を押せばいい。アクセルペダルを大きく踏み込まないかぎり、エンジンをかけずに走行できるのだ。
121015-A6h-Monitor-5.jpgエンジンに主役が代わると、エネルギーフローディスプレイには黄色く塗られたエンジンが前輪を駆動する様子が表示される。さらにアクセルペダルを踏み増すと、即座にグイっと押し出される感覚。表示こそないが、どうやらモーターがエンジンをアシストしているようで、2.0 TFSI単体よりも明らかに力強い加速が味わえる。

121015-A6h-Monitor-4.jpg速度を調整するためにアクセルペダルから足を離すと、クルマは惰力で走行を続ける。このときエンジンは自動的に停止するが、"エンジンブレーキ"にような緩い減速が体感できる。これが回生ブレーキと呼ばれるもので、モーターが発電機として働くことでクルマの運動エネルギーを電気に変える。

回収されたエネルギーはバッテリーに充電される。この電気を加速が必要なときに再利用することで燃費向上が図られるというわけだ。ブレーキペダルを踏むと回生ブレーキも多少強まるが、一方、急ブレーキなどの場合は油圧ブレーキだけで減速することになる。

121015-A6h-Monitor-6.jpg アクセルペダルを強く踏み込むと、エンジンとモーターが大きな力を発揮し、強烈な加速を見せてくれる。これが「ブースティング」だ。エンジン音はさほど高まらないのに、V8か!というほど素早くスピードを上げる感覚がたまらない。

基本的には、これらの動きを切り替えながらA6ハイブリッドは走行することになる。面白いのはアクセルペダルを軽く踏んで巡航している場合で、速度維持にあまりパワーを必要としない場面ではエンジンが停止し、モーターの力だけで走行する状況がしばしば確認された。それは街中だけでなく高速道路でも頻繁に見られ、EVのように静かに巡航を続けるA6ハイブリッドに、従来型のクルマとの違いをまざまざと見せつけられた。

一方、乗り心地は、装着されているタイヤのアタリがやや硬めで、多少ゴツゴツとした印象を伝えることがあるが、フラット感はまずまずで、十分快適なレベルに仕上がっている。静粛性が高く、直進安定性も優れているため、長距離の移動は快適かつ疲れ知らずだ。

気になる燃費だが、「直列4気筒並みの経済性」というのは決して大げさではなかった。実はこのクルマをしばらく借り、通勤に使ったのだが、燃費に厳しい都心の移動は、平均速度25km/h以下、信号によるストップアンドゴーの連続、しかも、エアコンオンという状況で8〜10km/Lを記録。ちなみに同じ道を愛車のA3スポーツバック 1.4 TFSIで走ると9〜11km/Lくらいだから、A6の余裕あるボディをこの燃費でストレスなく動かせるのはお見事だ。

一方、ストップアンドゴーの少ない環境ではハイブリッドの威力がいかんなく発揮される。たとえば高速道路を80〜100km/hくらいで巡航する場合は15km/L以上は確実で、状況によっては20km/Lを超えることもあった。8速ティプトロニックは80km/hを超えたあたりで8速に入り、低いエンジン回転で巡航が可能。さらに、回収したエネルギーを使ってモーターの力で走る機会を増やし、ガソリンの消費を抑えることが、この低燃費をもたらしているのだろう。これほどの数字は愛車のA3スポーツバック1.4 TFSIでもなかなかお目にかかることはなく、正直なところ驚いた。それでいて、いざというときには圧倒的な加速を見せて、本線への合流などはお手の物だ。

というわけで、A6ハイブリッドは、1.4Lクラス、条件によってはさらに小さい排気量相当の低燃費を誇りながら、3L V6自然吸気エンジンをはるかに凌ぐパフォーマンスを示す高性能・高効率のセダンだった。個人的には走りの楽しさがまったく失われていないがうれしく、このあたりがトヨタやレクサスのハイブリッドとは大きく異なる部分だと思った。

効率を求めたためにA6ハイブリッドはクワトロではなくFFとなったが、必ずしもクワトロにこだわらない人には魅力的な選択肢となるに違いない。A6 2.8 FSI クワトロとの価格差がわずか70万円というのも実に悩ましい。

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(Text & photos by Satoshi Ubukata)

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