160519-A2Z-01.jpgAudiのクルマはおおまかにふたつのタイプに分けることができます。それは「縦」と「横」です。 川田:先輩のA7ってクワトロなんですよね?

上村:そう、日本で販売されるA7は全部クワトロだからね。でも、急にどうした?

川田:僕も、アウディを買うならクワトロがいいなぁと思って。で、アウトドア派の僕としては、Q3あたりがぴったりじゃないかと思うんですよね。

上村:アウトドア派だったんだ......。

川田:こう見えて、キャンプとかBBQとか得意なんですよ。

上村:「僕のQ3で一緒に星を見に行かない?」とかいって、合コンで口説こうって魂胆だな。

川田:別にそういうわけではありませんよ......。それはいいんですが、Q3のクワトロでよくわからないところがあるんです。クワトロに説明に「電子制御式油圧多板クラッチを採用」とあるんですね。でも、A7では「センターディファレンシャルの可変制御」になっていて。クワトロっていくつか種類があるんですか?

上村:いいところに気づいたな。実はクワトロといっても、車種によって採用するシステムが違っているんだよ。

川田:詳しく教えてください......。いや、難しそうだから簡単に教えてください!

上村:クワトロの話をする前に、エンジンの搭載方式の説明をしておこうかな。アウディには大きくわけて2種類の方式があるんだよ。

川田:フロントとリヤ?

上村:確かにフロントとリヤはあるんだけど、リヤはスポーツカーのR8だけ。他のアウディは全部フロントなんだけど、そのフロントに2タイプがある。

川田:右と左......とか。

上村:惜しい。

川田:じゃあ、上と下?

上村:正解から遠くなった。

川田:右回りと左回り?

上村:もういい。正解は縦と横。

川田:縦はわかりますが、横だとエンジンを寝かせるんですか?

上村:いやいや、どちらもエンジンは立てた状態だけど、エンジンをクルマの進行方向と同じに積むのが"縦置き"、進行方向に対して90度の角度をつけているのが"横置き"なんだ。

160519-A2Z-02.jpg160519-A2Z-03.jpg
川田:それとクワトロとどう関係あるんですか?

上村:エンジンを縦に置くか、横に置くかによって、組み合わせるクワトロが違うんだよ。具体的には、縦置きにはセンターディファレンシャル方式、横置きには電子制御式油圧多板クラッチを使うんだ。

川田:ということは、Q3は横置きで、A7は縦置きなんですね。

上村:そういうこと。縦置きのクルマが多いんだけど、比較的コンパクトなモデル、たとえば、A1やA3は横置きを採用している。TTも横置きだね。

川田:どうして横置きと縦置きがあるんですか?

上村:もともと、アウディは縦置きを採用していたんだけど、初代A3でコンパクトカーに参入するとき、同じグループのフォルクスワーゲン・ゴルフのプラットフォームを使ったのが始まりなんだ。A1はフォルクスワーゲン・ポロのプラットフォームを使っているんだけど、どちらも横置きなんだよ。

川田:フォルクスワーゲンは横置きが得意なんですか?

上村:得意というより、コンパクトなFF車に横置きエンジンレイアウトが向いているんだよ。横置きにすると、エンジンがコンパクトに収まるから、同じボディサイズでも室内が広く取れる。反対に、比較的大きなボディのクルマの場合、大きなエンジンが積める縦置きのほうが向いている。そのぶん、エンジンルームは大きくなるけどね。

川田:ふ〜ん。

上村:ところで、MLBって聞いたことある?

川田:いやだなぁ先輩、そのくらいは知ってますよ。シアトルのおばあちゃんちに住んでるときはよく見に行きましたよ。

上村:そうくると思った(笑) MLBといってもメジャーリーグじゃなくて、アウディのMLB。

川田:それは知りません......。

上村:MLBというのは、A8やA7といった縦置きのクルマに共通のプラットフォームで、実はモデルが違っていても、サスペンションやステアリングなどの機構は共通なんだ。エンジンやトランスミッション、そして、クワトロも使い回せるので、あとはボディサイズやボディ形状をアレンジすれば、いろいろなモデルが展開できるというわけ。

川田:フォルクスワーゲン・ゴルフでも、同じようなことを聞いたことがあります。

上村:フォルクスワーゲンが主導してつくった横置き用のプラットフォームがMQB。実は、現行のA3やTTもこのMQBを使っている。まもなくヨーロッパで登場するQ2もMQBを採用しているよ。

川田:なるほど。Q2もなかなかカッコいいですよね。

上村:でも、Q3よりもさらにコンパクだから、ダイエットしないとオマエにはキツイだろ?

川田:そこまでビッグじゃありません!

上村:声と態度は部内一デカイけどな。

川田:そんな......。


This article is a sponsored article by
''.