2026年10月9日、Volkswagenは新型電動SUV「ID. Tiguan」を世界初公開した。現行の「ID.4」および「ID.5」の後継モデルとして2027年初頭に市場投入する予定で、内外装デザインを一新するとともに、最新の電動パワートレインや運転支援システムを採用する。最大航続距離は600km(WLTPモード)に達する。

ID.4とID.5の後継モデルとして登場
ID. Tiguanは、Volkswagenの主力SUVであるTiguanの名を受け継ぐ電気自動車(BEV)だ。これまでに累計95万台以上が生産されたID.4とID.5の後継モデルに位置づけられ、ドイツ・エムデン工場で生産される。
一方、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドのパワートレインを搭載する従来のTiguanも引き続き販売される。Volkswagenは、内燃エンジン車とBEVの両方でTiguanのラインアップを展開することになる。
新型ID. Tiguanには、進化した電気自動車専用プラットフォーム「MEB+」を採用。デザイン、室内空間、操作性、走行性能など、幅広い分野で改良が図られた。





エクステリアには、Volkswagenの新しいデザイン言語「Pure Positive」を反映。従来のID.4やID.5が採用していた柔らかな印象のクロスオーバーデザインから、SUVらしい力強さを強調したスタイルへと変化した。
明確なラインと引き締まったボディ面によって存在感を高め、上級クラスを思わせる外観を目指したという。また、ドアハンドルには従来型の引き上げ式を採用している。
3種類のパワートレインを設定
ID. Tiguanには、最高出力とバッテリー容量の異なる3種類のパワートレインが用意される。
| 駆動方式 | 最高出力 | バッテリー容量 |
| RWD | 140kW(190PS) | 58kWh |
| RWD | 210kW(286PS) | 77kWh |
| 4MOTION(4WD) | 220kW(299PS) | 77kWh |
いずれもMEB+をベースとする電動パワートレインを搭載し、最大航続距離は600km(WLTPモード)に達する。ただし、航続距離は仕様や装備によって異なる。
牽引能力も強化され、58kWhバッテリー搭載車で最大1800kg、77kWhバッテリー搭載車では最大2000kgのトレーラーを牽引できる。
実用性にも配慮され、リヤのラゲッジスペースは最大534Lを確保。さらに、フロント部分には容量32Lのフランク(フロントトランク)が新たに設けられ、充電ケーブルなどの収納に活用できる。
グレードは「Trend」「Life」「Style」「R-Line」の4種類を設定する。
助手席専用ディスプレイを初採用
インテリアも全面的に刷新された。素材の質感を高めるとともに、操作性の改善を重視している。
特徴的なのが、3つのディスプレイを組み合わせた新しいコックピットだ。


運転席には10インチの「Digital Cockpit」、ダッシュボード中央には15インチのインフォテインメントディスプレイを配置。さらに、欧州向けVolkswagen車として初めて、助手席用の12インチディスプレイをオプション設定した。
助手席ディスプレイでは、インフォテインメント機能や各種情報の表示、ゲームなどを楽しめる。運転席から画面が見えにくいプライバシーモードを備え、運転中のドライバーへの影響を抑えている。また、助手席乗員はBluetoothヘッドフォンを接続して音声を楽しむことも可能だ。



操作系では、ユーザーからの要望を反映して物理スイッチを積極的に採用した。
エアコンの基本操作はセンターコンソールのボタンで行い、オーディオの音量調整や曲送りなどには専用コントローラーを用意。ステアリングホイールもタッチ式から物理ボタン式へ変更された。
また、運転席ドアには4つのパワーウインドーを操作できる新しいスイッチパネルを採用している。
スマートフォンの充電機能も進化した。センターコンソール前方にはQi2規格に対応したワイヤレス充電スペースを2カ所設置でき、対応するスマートフォンを磁力で固定して充電できる。
再現する「Retro」表示も
新しいコックピットには、Volkswagenの歴代モデルをモチーフとした「Retro」表示機能も採用された。
ステアリングホイールの「View」ボタンを押すと、Digital Cockpitに4代目Golfの特徴だったブルーとレッドのメーター表示が現れる。
左側にはクラシックなスピードメーター、右側にはタコメーター風の表示を配置。ただし、BEVであるため、右側にはエンジン回転数の代わりに電動パワートレインのエネルギーフローが表示される。
さらに、中央のインフォテインメントディスプレイでもRetro表示を楽しめる。こちらにはバーチャルガレージが用意され、Golf I、Golf II Country、Golf IV、Tiguan I、Race Touareg、Beetleという6種類の歴代モデルから好みの車両を選べる。
最新のBEVでありながら、Volkswagenの歴史を感じさせる遊び心のある装備といえる。
ワンペダルドライブや最新の運転支援機能を搭載
運転支援システムも進化した。
新たに標準装備されるのが「ワンペダルドライブ」機能だ。アクセルペダルの操作だけで強い減速を行うことができ、市街地などでの運転負担を軽減する。
また、オプションの「Connected Travel Assist」には新しい機能が追加された。高速道路では運転支援による車線変更に対応するほか、信号機を認識して赤信号で自動停止する機能も備える。これらの機能はシステムの作動条件や制限に従って利用するもので、ドライバーには引き続き運転責任がある。
快適装備としては、マッサージ、メモリー、ベンチレーション機能を備えた電動調整式フロントシートをオプション設定。さらに、480WのHarman Kardon製プレミアムサウンドシステムやパノラマサンルーフも選択できる。
利便性の面では、スマートフォンを車両のキーとして利用できる「Digital Key」に対応。Volkswagenアプリを通じて家族や友人などとデジタルキーを共有できる。



加えて、車両の充電ポートに専用アダプター「PowerSocket」を接続することで、車載バッテリーの電力を外部機器に供給するV2L(Vehicle-to-Load)機能も用意される。電動グリルや電動アシスト自転車などへの給電が可能だ。
4万2695ユーロから
ID. Tiguanは2027年初頭に市場投入される予定だが、ドイツをはじめとする欧州の多くの国では、2026年10月13日から先行受注を開始する。
ドイツでの価格は4万2695ユーロから。なお、発表された装備や価格はドイツ市場向けのもので、ほかの市場では仕様が異なる可能性がある。
Volkswagen・ブランドのCEOを務めるトーマス・シェーファー氏は、Tiguanが世界的なベストセラーモデルであり、ID.4とID.5も同社の成功したBEVのひとつであると説明。ID. Tiguanは、その2つの成功を組み合わせたモデルだと位置づけている。
また、MEB+による最大600kmの航続距離や、直感的な操作性、上級モデルを思わせるデザインなどを特徴として挙げ、ドイツ製電動SUVの新たな基準を目指すとしている。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Volkswagen AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。


