GTI誕生50周年を記念した「GTI FAN FEST 2026」が、愛知県豊橋市にあるフォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)本社で開催された。全国からGTIをはじめとするフォルクスワーゲンオーナーが集まり、会場ではオーナー同士が自然と会話を弾ませる姿もあちこちで見られ、終始和やかなムードに包まれた。

抽選で選ばれた230台が日本のふるさとに
豊橋市にあるVGJ本社は、海外の工場から運び込まれてきたVolkswagen、Audi、Porsche、Lamborghini、Bentleyの新車が上陸する専用埠頭や、納車前点検などを行うテクニカルサービスセンター、中央部品倉庫、トレーニングセンターなどがある活動の中心地である。
今回のGTI FAN FEST 2026は、ほとんどのVolkswagen車にとって“日本のふるさと”という場所での開催になった。応募総数は約2600件のなかから、幸運のチケットを手に入れた230組が豊橋に里帰りし、本社ツアーや試乗プログラム、限定グッズ販売なども用意され、参加者は思い思いにGTIづくしの一日を満喫していた。
いつもは全国のディーラーに向かう車両が停められている駐車場が今回のメイン会場となり、全国から集結した参加車両が整然と並んでいる。ほとんどは現代の水冷エンジン搭載車だが、なかには空冷の「ビートル」や「バス」の姿も。GTI FAN FESTというだけにGolf GTIをはじめ、Polo GTIやup! GTIの姿が目立つ。ふだんなかなか見かけることのないGolf1〜Golf3 GTIなどを発見すると、つい足が止まってしまい、全車をじっくり見ていたら、それだけで一日が終わってしまいそうだ。

メイン会場には歴代Golf GTI展示。

メイン会場には歴代Golf GTI展示。

Golf以外にもこんなGTIが日本で販売されていた。

歴代Gold GTI展示には、珍しいGolf2 GTI 16V Fire and Iceが!

歴代Gold GTI展示には、珍しいGolf2 GTI 16V Fire and Iceが!

メイン会場に並ぶ参加者の愛車たち。

メイン会場に並ぶ参加者の愛車たち。
メイン会場の近くには、歴代のGolf GTIがずらりと並べられていたが、日本限定20台という珍しい「Golf GTI 16V Fire and Ice」にお目にかかれただけでも、このイベントに足を運んだ甲斐があったというものだ。かつて所有していた「Golf3 GTI」や「Golf7 GTI」、「Lupo GTI」も懐かしく、GTIとともに積み重ねてきた年月を思い返すと、感慨もひとしおだ。
トークショーで語られたGTIの魅力
そうこうしているうちに、メイン会場では、オープニングセレモニーがスタートした。まずは、VGJ代表取締役社長とフォルクスワーゲン ブランドディレクターを兼任するマーティン・ザーゲ氏が「GTIは単なるモデル名ではなく、情熱やスポーティーさを象徴する存在」と挨拶。50周年という節目を、日本の拠点である豊橋でファンとともに祝えることへの喜びを語った。

VGJ代表取締役社長とフォルクスワーゲン ブランドディレクターを兼任するマーティン・ザーゲ氏
ザーゲ氏自身もGTIの大ファンで、「31歳で初めて手に入れた白いGolf6 GTIのことはいまでも鮮明に覚えている」と笑顔でエピソードを披露。現在も最新のGolf GTIに乗っており、「今日はぜひ皆さん同士だけでなく、私たち社員とも気軽に交流してほしい」と呼びかけた。

イベントの合間に、愛車のキーホルダーを購入するザーゲ氏

会場内ではVWオーナーとの会話を楽しんでいた
続くゲストトークでは、レーシングドライバーの木下隆之氏が登壇。「GTIはずっとホットハッチのベンチマーク。モデルチェンジを繰り返しても軸がぶれず、着実に進化してきたところがすごい」と、その魅力を熱く語る。

ザーゲ氏と木下隆之氏によるGTIトーク

ザーゲ氏と木下隆之氏によるGTIトーク

木下氏の運転によるデモランも行われた
ザーゲ氏は「GTIは速いだけではなく、ふだん使いもしやすく、安全性も高い。そのバランスこそ最大の魅力」と説明。さらに、「クルマ好きならひと目でGTIと分かるけれど、知らない人には上品なコンパクトカーに見える。その控えめなスタイルが好きなんです」と、GTIらしい“分かる人には分かる”魅力を紹介した。
木下氏も「派手に自己主張しないのに、乗れば驚くほど速い。そんな奥深さがGTIらしさ」とうなずき、「こういうファンイベントがもっと続いてほしい」と期待を寄せていた。
体験試乗など多彩なプログラムで一日楽しめるイベントに
GTI FAN FEST 2026は、大規模なオフ会であるだけでなく、さまざまなプログラムで参加者が一日楽しめるイベントになっていた。オリジナルグッズ販売や最新ラインアップの試乗プログラムなどに加えて、ふだん立ち入りができない専用埠頭やテクニカルサービスセンター、中央部品倉庫が見学できるツアーが用意されるなど、Volkswagenオーナーにとっては貴重な経験となったはずだ。

Volkswagen専属トレーナーが見守るなか、最新のラインアップを試乗することができた。

Volkswagen専属トレーナーが見守るなか、最新のラインアップを試乗することができた。

専用埠頭には陸揚げされたばかりの新車が並ぶ

テクニカルセンターでPDIが行われる様子も見学できる。

テクニカルセンター内には、ここ豊橋で陸揚げされる各ブランドの車両が展示された。
メイン会場内には、豊橋名物のちくわを販売するキッチンカーなどが用意され、また、社員食堂ではドイツのB級グルメとして知られる「カリーブルスト(カレーソーセージ)」も用意され、もちろん私もカリーブルストを楽しみ、またドイツに行きたくなった。

メイン会場には、豊橋名物のちくわを販売する並ぶキッチンカーも。

あつあつのちくわがこんなにおいしいとは!

ドイツのB級グルメとして知られるカリーブルスト。豊橋の社員食堂では、ランチメニューとしても用意される
Golf GTI50周年記念限定車の導入を発表
イベントではサプライズの発表もあった。フォルクスワーゲン ジャパンでは、日本独自の「Golf GTI 50周年記念特別仕様車」を2027年に300台限定で発売するというのだ。車両の詳細や価格については公表されなかったが、情報が入り次第、発信していく予定だ。

Golf GTI 50周年記念特別仕様車の導入が発表された。
継続開催へ期待
イベントの締めくくりには、来場者の投票によって選ばれる「Best Car Award」を実施。GTI以外を対象とした「Volkswagen賞」と「GTI賞」が発表され、愛情たっぷりに仕上げられたオーナー自慢の一台が表彰された。受賞者のコメントからも、クルマへの思い入れがひしひしと伝わり、会場は大きな拍手に包まれた。

Volkswagen賞を獲得したBeetle。

Volkswagen賞を獲得したBeetleのオーナー

GTI賞を獲得したGolf1 GTI

GTI賞を獲得したGolf1 GTIのオーナー
木下氏はクロージングで「いろいろなイベントを見てきたけれど、今日は本当にアットホームだった。その雰囲気を作っているのは、フォルクスワーゲンを愛する皆さん自身」とコメント。参加者同士が笑顔で交流する様子に、感心した様子を見せた。
最後にザーゲ氏は、「GTIは単なるバッジではなく、人と人をつなぐ存在。今日、そのスピリットを皆さんと一緒に感じることができた」と挨拶し、イベントを締めくくった。

ザーゲ氏はメディアの取材に対して、「今回は駐車場の関係で230枠しかご招待できなかったのですが、2600件もの応募をいただきました。それだけ多くの関心を寄せていただき、ブランドを愛し、何らかの形で交流したいと思ってくださる方がたくさんいらっしゃるということです。私自身、今日という日を楽しんでいますし、皆様やファンの皆様と一緒に過ごせることを嬉しく思っています。ですから、私個人としては、来年もぜひ開催したいです」と語り、次回開催への意欲ものぞかせた。ぜひとも、さらに多くのVolkswagenオーナーが参加できるイベントを、継続して開催してほしいと思う。

フォルクスワーゲンを輸入するVGJとファン、そしてファン同士が気軽に言葉を交わし、GTIという共通の趣味を通じて笑顔を広げたGTI FAN FEST 2026。50周年という節目にふさわしい、温かく楽しい一日となった。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)


