欧州で圧倒的な販売実績を誇るコンパクトSUV「T-Roc」が、フルモデルチェンジにより2代目に生まれ変わった。2017年の初代登場以来、T-RocはフォルクスワーゲンのSUVラインアップの中核として存在感を高め、累計生産台数は200万台を突破。2025年時点でも欧州SUV市場のトップに君臨している。

画像1: 2代目に進化した新型「T-Roc」を徹底解説

その成功モデルの2代目が掲げるのは、「全面電動化」「上位クラス並みの質感」「最先端の運転支援」という3つの柱である。

目指したのは0.5クラス上

初代T-Rocが成功した最大の理由は、Golf並みの扱いやすいボディサイズに、SUVらしい力強いスタイリングと十分な実用性を組み合わせた点にあった。いわばコンパクトSUVの最適解を示した存在だった。

しかし第2世代では、そのポジションを一段引き上げる決断がなされている。新型T-Rocの開発思想をひとことで表すなら、「Tiguanクラスへの橋渡し」である。

単にサイズを拡大するのではなく、質感、装備、テクノロジー、そして走りの洗練度を引き上げることで、ユーザーが自然にワンランク上を感じ取れるSUVを目指した。

画像: 目指したのは0.5クラス上

VolkswagenブランドCEOのトーマス・シェーファー氏が「新型T-Rocはサクセスストーリーを継続するためのすべてを備えている」と語るのも、こうした自信の表れだろう。

全車電動化という一手

新型T-Rocで最も象徴的な変化が、エンジンラインアップの完全電動化である。ガソリン単体仕様やディーゼル仕様は姿を消し、すべてのパワートレインがストロングまたはマイルドハイブリッドになった。

画像: 全車電動化という一手

1.5 eTSI(48Vマイルドハイブリッド)

発売当初に用意されるのは、1.5L直列4気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた1.5 eTSI。最高出力は116PSと150PSの2種類で、いずれも7速DSGが組み合わされる。

このエンジンは単なる既存ユニットの流用ではない。

  • ACT plus(気筒休止)
  • ミラーサイクル燃焼
  • VTGターボ
  • 高効率回生とコースティング機能

といった最新技術が盛り込まれ、実用域での燃費とレスポンスを高次元で両立している。48Vベルト駆動スターター・ジェネレーターは最大56Nmの電動アシストを行い、発進時や登坂時の力強さにも寄与する。

2.0 eTSI 4MOTIONとフルハイブリッドの追加

2026年には、2.0L直列4気筒ターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載する2.0 eTSI 4MOTION(204PS)が追加される。このエンジンはEA888 evo5世代に属し、将来のEU7排出ガス規制を見据えた設計がなされている点が重要だ。

さらに1.5Lフルハイブリッド(136PS/170PS)も投入予定で、市街地走行での電動走行比率を高めた構成となる。T-Rocは、フォルクスワーゲンの量販SUVとして電動化戦略の最前線を担うモデルへと変貌した。

MQB evoがもたらす「先読みする運転支援」

新型T-Rocは最新世代のMQB evoプラットフォームを採用する。これにより、先進運転支援システムは質・量ともに飛躍的な進化を遂げた。

Travel Assistは、車線中央維持、ACCによる加減速制御に加え、高速道路での支援付き車線変更にも対応。注目すべきは制御の自然さだ。制限速度解除を事前に認識して穏やかに加速するなど、人間の運転感覚に近づけるチューニングが施されている。

画像: MQB evoがもたらす「先読みする運転支援」

Emergency Assistは、ドライバーの異常を検知すると段階的に警告を行い、最終的には路肩へ寄せて停車し、緊急通報を行う。また、都市部で問題となるドア開放事故を防ぐExit Warningも標準装備され、サイクリスト保護の観点からも評価が高い。

Park Assist Proは、記憶した最大50mの駐車経路を自動再現できるほか、スマートフォン操作による車外リモート駐車にも対応。かつては上級SUVに限られていた機能が、T-Rocクラスまで降りてきたことを象徴している。

ボディ拡大と空力改善が生んだ余裕あるパッケージ

新型T-Rocは全長4373mmとなり、先代比で122mm拡大。ホイールベースも39mm延長された。この数値以上に体感的な差は大きい。

後席レッグルームは大幅に改善され、身長180cm級の乗員でも余裕を感じられる空間が確保された。ラゲッジ容量は475Lに拡大され、日常用途から旅行まで幅広く対応する。

空力性能も徹底的に見直され、Cd値は0.29を達成。SUVとしては非常に優秀な数値で、高速走行時の静粛性や燃費改善にも直結している。

インテリアはプレミアム領域へ

インテリアの進化は、新型T-Rocを語るうえで欠かせないポイントだ。ダッシュボードやドアトリムにはソフト素材が多用され、視覚的にも触感的にも上質さが明確に向上している。

  • 最大12.9インチのインフォテインメント
  • 新世代デジタルコックピット
  • ヘッドアップディスプレイ
  • ChatGPT統合音声操作

といったデジタル装備に加え、Styleグレードではリラグゼーション機能付きシートや3ゾーンエアコンまで用意される。これは従来のコンパクトSUVの枠を明確に超える装備内容だ。

光で語るデザイン──IQ.LIGHTが示す次世代VW像

エクステリアでは、T-Roc伝統の“ホッケースティック”形状のフロントバンパーを継承しつつ、フロントフェイスは最新のVWファミリーデザインへと刷新された。

画像1: 光で語るデザイン──IQ.LIGHTが示す次世代VW像

新世代IQ.LIGHTは、配光制御性能を高めると同時に、発光VWロゴや横一文字のライトバーと連動し、夜間の存在感を強く主張する。
リヤには3D LEDテールランプを採用し、アニメーション付きの点灯演出も可能だ。

画像2: 光で語るデザイン──IQ.LIGHTが示す次世代VW像

リサイクル素材を前面に押し出す環境戦略

新型T-Rocは、フォルクスワーゲンの現行モデルの中で最もリサイクル素材使用率が高い車種とされる。内外装あわせて約140点の部品に再生素材が使われ、シートや内装繊維には再生PETが積極的に採用されている。

環境配慮を「我慢」ではなく、「質感向上と両立させる」という姿勢が、随所に感じられる点は注目に値する。

日本導入は2027年以降!?

フォルクスワーゲン ジャパンによれば、新型T-Rocの導入は2027年以降を予定しているという。大幅に進化を遂げているだけに、日本上陸が待ち遠しい。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Volkswagen Group)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。

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