2025年9月8日、フォルクスワーゲングループは、ミュンヘンで開幕した「IAAモビリティ2025」において、子会社のPowerCoおよびElliとともに、バッテリーおよびエネルギー分野での新技術を世界初公開した。

画像: フォルクスワーゲン グループが先進のバッテリー技術を披露

今回発表されたのは、グループとして初めて全固体電池を搭載したテスト車両、都市型EV向けの新世代ユニファイドセルとCell-to-Packバッテリー、そして、ザルツギッター工場に建設されるElli初の大規模蓄電システムである。

フォルクスワーゲンAGのオリバー・ブルーメCEOは「バッテリーセルから電動ドライブまで主要技術を自社管理することで、顧客に最適なソリューションを提供できる。同時にヨーロッパを持続可能な自動車産業の拠点として強化する」と強調した。今回の3つの発表は、同社が世界的なテクノロジーリーダーを目指す上で重要なマイルストーンとなる。

全固体電池を搭載したテストバイク

最初のワールドプレミアは、QuantumScapeの全固体電池を搭載した電動バイクである。ドゥカティの「V21L」をベースに、最大980個のQSE-5セルを組み込めるように設計された新しいバッテリーシステムを搭載。リチウム金属アノードとセラミックセパレーターを採用した全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べエネルギー密度や急速充電性能、安全性、寿命で優れる。今後はレーシングバイクでのサーキット試験や、自動車への応用に向けた開発が進められる予定で、商用化は2020年代末が目標とされている。

画像: 全固体電池を搭載したテストバイク

都市型EV向けユニファイドセルとCell-to-Pack技術

2つ目の発表は、Volkswagen、ŠKODA(シュコダ)、CUPRA(クプラ)の「エレクトリック アーバンカー ファミリー」に搭載予定の新ユニファイドセルだ。年末にはザルツギッター工場で量産が開始され、その後はバレンシアやカナダのセントトーマスでも生産される。

画像: 都市型EV向けユニファイドセルとCell-to-Pack技術

新セルはエネルギー密度約660Wh/Lを実現し、従来比で約10%向上。Cell-to-Pack技術により最大450kmの航続距離と25分未満の充電を可能にする。さらにギガキャスティングによる軽量化やコスト削減も行われ、コンパクトカー市場におけるEVの普及拡大を狙う。ユニファイドセルはLFP、ナトリウムイオン、NMC、将来的には全固体電池まで幅広い化学系に対応できる設計で、グループの最大80%のEVに搭載される予定だ。

Elliの大規模蓄電システム「PowerCenter」

3つ目の発表は、Elliによるザルツギッターでの固定式蓄電システム「PowerCenter」建設である。2025年12月に稼働予定のこの施設は、出力20MW、容量40MWhを備え、PowerCoのバッテリーパックを基盤とする。再生可能エネルギーの需給バランスを取るためのエネルギートレーディング拠点として機能し、将来的な大規模展開に向けた第一歩となる。

画像: Elliの大規模蓄電システム「PowerCenter」

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Volkswagen AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。

This article is a sponsored article by
''.