第2世代の「Volkswagen Tayron」は車内スペースが広く、素材の質感も高い。3列目のシートも用意されている。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

画像1: 【Auto Bild】日本上陸に期待したい「Tayron」のすべて

初代Tayronは2018年に中国でデビュー

名前はまったく新しいものではない。なにしろ、Tayronは2018年から存在しているのだ……少なくとも中国では。ドイツでは、「Tiguan Allspace」として知られている。しかし、ウォルフスブルク発のコンパクトSUVのロングバージョンは、第3世代で新しいTayronに道を譲った。

デザインには独自の特徴を備え、もちろん、より広いスペースも提供している。最大7人乗りのシートまたは大きなトランクを備えたTayron。エントリーレベルのガソリンエンジンを除き、エンジンは「Tiguan」と同じだ。

価格:45,000ユーロ(約720万円)強から

Tayronに興味のある人は、マイルドハイブリッドシステムを採用するガソリンエンジンのベースモデル「Life」を45,475ユーロ(約727万円)で購入できる。ディーゼルエンジン仕様(53,840ユーロ=約860万円~)やプラグインハイブリッド仕様(53,425ユーロ=約854万円~)は、さらに高額となる。

もちろん、「R-Line」にはさらに多くの装備が用意されている。しかし、その価格は最低でも59,065ユーロ(約945万円)だ! 比較のために申し添えれば、より小型のTiguanは、R-Line仕様で10,000ユーロ(約160万円)近く安価だ。

デザイン:ユニークなディテール

Tayronは技術的にはTiguanの拡大版だが、2つのモデルは同じつくりではない。2つのモデルを区別するディテールは数多くある。例えば、ボンネットの位置が高くなり、ヘッドライトの間にラジエーターグリルが配置されなくなった。その理由は歩行者保護の最適化であり、衝突時にボンネットが自動的に持ち上がる必要がなくなったためだ。

ヘッドライト自体も手を加えられておらず、そのさらにシンプルなデザインは、「ID.4」を彷彿とさせる。一方、オプションのHDマトリクスLEDライトの技術は新しいものではない。

少し変更されたバンパー

よく見ると、バンパーも少し変更されていることがわかる。堂々としたエアインテークには新しいハニカム構造の要素が取り入れられ、その下のクロムストリップはボディカラーと同じ色になった。少なくとも「エレガンス」装備ラインを選択しない場合は。

しかし、最大の違いはそのサイズにある。全長4.77mのTayronは、Tiguanより23cm長いが、「Touareg」よりも10センチほど短いのだ。全幅と全高はTiguanと変わらないため、より伸びやかに見えるのだ。

画像: 少し変更されたバンパー

パワートレイン:マイルドハイブリッドシステム付き150PSガソリンエンジンがベースモデルに。

パワートレインについてはすでに広く知られているが、エンジンでさえも小型のTiguanと同一ではないことはとくに驚くことではない。唯一の違いは、Tayronには130PSのベースガソリンエンジンが搭載されていないことだ。

エントリーモデルは、マイルドハイブリッドシステムが搭載される150PSのガソリンエンジン仕様だ。さらに、2Lのガソリンエンジンを搭載した4WDが2種類あり、最高出力は265PSだ。また、ディーゼルエンジン車が2種類とプラグインハイブリッド車が2種類、エンジンラインナップに含まれている。後者は、19.7kWhのバッテリーのおかげで100km以上を純粋に電気で走行できるという。

装備:7人乗りも選択可能

TayronはTiguanよりも長く、車内スペースも広くなっている。とくにトランクの容量が際立っている。仕様によるが、34Lから2090Lの荷物を積むことができる。

ベース価格が比較的低く抑えられているのは、もちろん、7人乗りも用意されているTayronの最大のセールスポイントと関連している。しかし、3列目の座席は背の高い人には適していない。身長190cmの筆者は座ることはできるが、お世辞にも快適とはいえなかった。

3列目シートを倒せば、885Lの荷物を積むことができ、これはTiguanよりも200L以上多い。この追加スペースは2列目にも適用されるのだろうか? 答えはノーだ。リヤシートは12cmスライドが可能だが、Tiguanよりも広いということはない。

十分なスペース、上質な素材

しかし、Tayronにはすでに十分なヘッドルームとレッグルームが備わっている。後席はホールド性の高いデザインで座り心地が良く、長距離の移動も快適だ。

前席のスペースも、目に見える部分の質感も申し分がない。ドアパネルとセンターコンソール下部のプラスチック部分を除いて、すべてがパッドで覆われており、高品質な印象を受ける。

コックピット自体はTiguanを彷彿とさせるが、流用された部品ではない。ダッシュボード全体が再設計され、照明付きのパネルはむき出しではなく、縁取りされている。「MIB4」インフォテイメントシステムも見慣れたものだが、15インチの中央モニターは好みがわかれるところだ。ゴルフの標準装備である12.9インチのモニターで十分に感じる。

テスト:これがプラグインハイブリッド仕様の走りだ

ウォルフスブルクのメーカーは、テスト用Tayronのプラグインハイブリッドシステムをさらに最適化したいと考えている。115PSの電気モーターは、低速時、つまりハイブリッドモードでより強力にパワーを発揮する。実際、Tayronはゆっくりとしたペースで走るのが特に得意で、広範囲に調整可能な2バルブダンパー「DCC」の快適さは完璧だ。

画像1: テスト:これがプラグインハイブリッド仕様の走りだ

追加料金がかかるプログレッシブステアリングも、ダイレクトレシオと走行モードに応じたパワーアシストにより、Tayronに最適だ。回生機能があるにもかかわらず、ブレーキの感触に違和感はない。Volkswagenは、EV走行可能な距離を114~121kmと発表しているが、われわれのテストでは100kmを達成した。11kWのAC充電オプションに加え、50kWの急速充電機能もある。これは、19.7kWh(ネット)のバッテリーが、わずか26分で10~80パーセント充電できることを意味する。

画像2: テスト:これがプラグインハイブリッド仕様の走りだ

しかし、プラグインハイブリッド車の購入には2つの制限を受け入れなければならない。まず、3列目の座席がない。第二に、最大2,000kgまでの牽引能力は十分だが、2.5トン(Tiguan:2.2トン)のフル活用を望む人は、4WD(少なくとも2.3トンの牽引能力)と追加装備のあるモデルを選択する必要がある。その理由は、法律により、Tayron自体が2.5トンの牽引を許可されるには十分な重量でなければならないと規定されているためだ。

結論

技術的にTiguanとTayronはよく似ている一方、デザインには違いが多い。結局のところ、Tayronという大型車を選ぶか、Tiguanを選ぶかは、ニーズの問題だ。

画像: 結論

(Text by Sebastian Friemel / Photos by Volkswagen AG)

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