3年連続で輸入SUVナンバーワンを獲得した人気モデル「T-Cross」がマイナーチェンジ。いよいよ日本でもデリバリーが開始される最新版を、メディア向け試乗会でひとあし先にチェックした。

画像1: 【ミニ試乗記】T-Cross TSI Style

Poloクラスのコンパクトなボディとポップなデザイン、お求めやすい価格が人気のT-Cross。マイナーチェンジを実施した最新版も、ボディサイズは全長がわずかに25mm延びて4140mmとなったものの、全幅は旧型と同じ1760mm(いずれもT-Cross TSI Styleの場合)で、コンパクトさを維持している。

マイナーチェンジの概要は上のニュースをご一読いただくとして、今回試乗したのは「T-Cross TSI Style」で、IQ.LIGHTや同一車線内全車速運転支援システム"Travel Assist"、前席のシートヒーター、パークディスタンスコントロールなどといった魅力的な装備が標準装着されるにも関わらず、価格は旧型に比べて2万1000円増に抑えた359万9000円を実現する。さらに今回の試乗車には、オプションのセーフティパッケージ(8万8000円:レーンチェンジアシスト、リヤトラフィックアラート、駐車支援システム、デジタルメータークラスター)とDiscover Proパッケージ(16万5000円)が装着される。ボディカラーは新色の“クリアブルーメタリック”で、ブルー好きの私にはたまらない爽やかさだ。

ちなみに、T-Cross TSI Styleの場合、デザインパッケージとして、ブラックドアミラーハウジング、専用カラーのダッシュパッドとシート、215/45R18タイヤ+18インチアルミホイール、さらに、“beats”プレミアムサウンドシステムが選択可能。しかも、他のパッケージオプションとの組み合わせではなく、単独で選べるのがうれしい。とくにオーディオにこだわりたい人にはおすすめで、ナビはCarPlayを使うというなら、プラス9万9000円で済むのも見逃せない。このクリアブルーメタリックに設定がないのが、唯一惜しいところだ。

さて、あらためて実車を目の当たりにすると、旧型に比べてフロントマスクがすっきりとした印象だ。サイドインテークやアンダーガードのデザインが一新されたフロントバンパーや、フロントグリルを横切るLEDライトストリップ、新デザインのLEDヘッドライトなどが、そうした雰囲気をつくりあげているのだろう。

一方、リヤからの眺めも、新デザインのLEDリヤコンビネーションライトなどのおかげで、スポーティな印象を強めている。

画像2: 【ミニ試乗記】T-Cross TSI Style

エクステリア以上に大きく変わったのがコックピットのデザインだ。最新のスタイルを取り入れ、センターディスプレイがタブレットタイプに変更されてサイズも大型に。一方、エアコンのスイッチは、従来どおり独立していて、最新のGolfなどよりもむしろ使い勝手がいい。

さらに好印象なのが、ダッシュボードのデザインで、ステッチが施されたソフトパッドが採用されたおかげで、一気に上質さをアップしているのだ。シートのデザインなども落ち着きがあり、以前にも増して心地よい空間に仕上がっている。

パッケージングについては旧型と変わりはなく、コンパクトな全長にもかかわらず、後席は大人でも楽に座れるだけの余裕があり、またラゲッジルームも外観から想像する以上に広いスペースが確保されている。もちろん荷物が多いときには、後席を前にスライドさせたり、後席を倒してスペースを拡大できるし、フロアボードの位置を調節することで、スペースを増やしたり、フラットなスペースをつくりだせるなど、豊富なアレンジを誇るのも見どころである。

T-Crossには全グレードに1L直列3気筒ターボエンジンが搭載される。85kW(116ps)の最高出力、200Nmの最大トルクは従来と同じで、7速DSGにより前輪を駆動するところもこれまでどおりだ。

ところが、いざ走らせてみると、以前とは印象がずいぶん違っていた。1.0 TSIエンジンは動き出しは軽いものの、2000rpm以下ではややのんびりしている。一方、2000rpmを超えると活発さを増していき、街中では不満のない加速を見せてくれる。さらにアクセルペダルを踏み込んでいくと、3500rpmを超えたあたりから一段と勢いを増していく。

特筆すべきは、以前に比べて、3気筒特有のエンジンノイズや振動が明らかに小さくなり、スムーズさを増したこと。これが、これまで以上に快適なドライブに貢献するのはいうまでもない。

画像11: 【ミニ試乗記】T-Cross TSI Style

乗り味についても、確実にブラッシュアップされた。今回試乗したT-Cross TSI Styleには205/55R17サイズのタイヤが標準装着されているが、乗り心地は実にマイルドで快適。しかも、コンパクトなボディながらも、落ち着きのある挙動に躾けられており、高速道路でのフラット感や直進安定性もまずまずで、フォルクスワーゲンらしさを強めている。この試乗とは別に、18インチタイヤを履くT-Cross R-Lineを運転する機会があったが、17インチに比べると多少乗り心地に粗さがあるものの、旧型に比べると快適さがアップしており、スペックに現れない部分で確実に進化しているのも、フォルクスワーゲン流のマイナーチェンジらしい部分だ。

今回はわずか90分の試乗だったが、それでも進化や洗練を感じ取れた新型T-Cross。今後、機会を見てロングドライブに連れ出し、さらにじっくりその進化を確かめたいと思う。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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