初代の成功によりホットハッチの代名詞となった「Golf GTI」は、ベースモデルのフルチェンジにともない、1984年、2代目へと進化した。
新しい時代のコンパクトカーとしてその地位を確実なものとした初代「Golf」。その誕生から9年後の1983年、2代目のGolfが誕生した。いわゆる「Golf2」は、初代の特徴であるFF2ボックスのスタイルを受け継ぎながら、ボディサイズを拡大することで居住空間やラゲッジスペースを拡大するとともに、走行性能や安全性などを高めることでさらに魅力的なクルマに生まれ変わっている。
その1年後の1984年には、そのスポーツバージョンであるGolf2 GTIが登場した。新型でも、グリルの赤いストライプやチェック柄のシートが受け継がれ、こうしたアイテムがGTIのシンボルとして確立されることになった。
エンジンは当初、Golf1 GTIの最終モデルと同じ1.8L直列4気筒SOHCを搭載。最高出力は112PSを誇るが、その後、触媒コンバーターの装着により、出力は107PSに低下した。
これによるパフォーマンスの低下は免れず、1986年、フォルクスワーゲンはGTIにふさわしいパワーを手に入れるため、DOHC化した1.8L直列4気筒エンジンを投入。“DOHC 16V”の文字が誇らしげなエンジンは最高出力129PSを発揮し、Golf1 GTIを超えるスポーティな走りを実現している。
その後、スーパーチャージャーで出力を高めた「Golf2 GTI G60」や、4WDを組み合わせた「Rally Golf G60」といったよりパワフルなモデルも登場し、スポーツモデルとしてのGolfは輝きを増していった。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Classic)