「Polo GTI」の誕生25周年を祝う世界2500台の限定車「Polo GTI Edition 25」が日本上陸。その走りをチェックする。
フォルクスワーゲンが誇る伝統のスポーツモデル「Golf GTI」に、弟分のPolo GTIが追加されたのは1998年のこと。3代目Poloがベースのよりコンパクトなホットハッチは2000年から日本にも上陸し、以後、ベース仕様のモデルチェンジとともに進化を重ねている。現行型はPolo GTIとしては4代目にあたり、日本では2022年11月にそのマイナーチェンジ版が発売になった。
これをベースに、2023年にヨーロッパで登場したのが限定車のPolo GTI Edition 25で、全世界で2500台が販売される。そんな貴重なモデルが日本に227台上陸することになったのだ。
Polo GTI Edition 25では、2.0 TSIエンジンはPolo GTIからそのまま受け継がれ、最高出力207ps(152kW)を発揮する一方、専用のデザインアイテムにより精悍なイメージを強めたのが特徴。たとえば、エクステリアでは、ルーフをブラックにした2トーンペイントに加えて、ブラックのドアミラーや18インチアルミホイール、ドアのデカールによってカタログモデルとの差別化が図られている。
インテリアはさらに異なり、ゴルスブラックのデコラティブパネルによってシックな雰囲気にまとめられているのがうれしいところだ。2500台限定を表すドアシルプレートも見逃せないアイテムだ。
個人的には専用デザインのレザースポーツシートに目を奪われた。定番のタータンチェックのファブリックシートもいいが、ブラックのレザーにレッドのアクセントがGTIらしさを際だたせ、とてもカッコいいのだ。
加えて、Polo GTIではオプションの“Sport Select”シャシー付スポーツパフォーマンスキットと、純正ナビゲーションシステム“Discover Pro”を標準装着する。
さっそく、適度にタイトで上半身をホールドしてくれるスポートシートに身を委ねて走り出す。以前試乗したPolo GTIがオプションの“Sport Select”シャシー付スポーツパフォーマンスキットが装着され、装着されるタイヤも同じ215/40R18のContiSportContact 5ということもあり、小気味の良い走りはそのままである。
1310kgの車両重量に対して、152kW(207ps)の最高出力と320Nmの最大トルクを誇る2.0 TSIエンジンは、走り出しから力強さが感じられ、余裕たっぷり。湿式多板クラッチを搭載する7速DSGの動きもスムーズだ。一方、アクセルペダルに載せた右足に力をこめると、2500rpmあたりからさらに勢いが増し、6000rpmあたりまで爽快な加速が続く。
“Sport Select”シャシーは2段階で減衰力を切り替えることができるが、コンフォートな設定でも乗り心地はやや硬めで、荒れた路面では細かいショックを拾いがち。それでもぎりぎり快適さは確保しており、街乗りでも困らないだろう。
一方、スポーティな設定ではより硬めの乗り心地を示すが、ワインディングロードでのドライブを楽しむにはこちらのほうが適している。コンパクトなボディだけにコーナーの動きは軽快で、このフットワークの軽さこそ、Polo GTIの魅力だろう。
ちなみに、Polo GTIでは、オプションの“Sport Select”シャシー付スポーツパフォーマンスキットと、純正ナビゲーションシステム“Discover Pro”を選んだ場合の価格が478万2000円であるのに対して、Polo GTI Edition 25は486万5000円。専用装備を考えれば、8万3000円高の価格はかなり魅力的。いまPolo GTIの購入を検討しているなら、これで決まりだ!
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Kinari Arashima, Satoshi Ubukata)