現在eBayで、70PSのT3がかなり高い価格で出品されている。その値段は適正だろうか? われわれはこのハイルーフの「T3シンクロ ウエストファリア クラブジョーカー」を評価してみた。
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
T3は、多くの人が心温まるエピソードを思い浮かべることのできるカルト的な名車だ。きちんと手入れをすれば、最後のリヤエンジン“ブリ”は信頼できる一面を見せ、どこへでもお供してくれるはずである。
とくに4WDバージョンでは、その傾向が顕著だ。そんなクルマが現在eBayで売りに出されている。56,000ユーロ(約760万円)で! T3にまつわる過大評価や、絶えず上昇する価格を考えても、これは大変な値段だ。ボッてる? われわれは広告を詳しく見て、このブリを分析してみた。
このT3は、またとないチャンスではないだろうか?
とにかく写真に目を奪われる。塗装のくすみや色あせがなく、明らかにコンディションのいいT3が写っている。ボディはきれいで、一見するといじってなさそうな感じだ。内部はきれいに整理され、醜い使用感やダメージは見当たらない。
説明文を読むと、さらにクルマを見たくなる。説明によれば、塗装は90%がオリジナルだそうだ。下地に錆はないとのこと。新しいガスタンクと新しい補助ヒーターが搭載されているという。さらに、まだ2000kmも走っていないタイヤを履いているとのことだ。
VWのキャンピングカーをオープンにそして正直に描写する
T3はすでに「H承認」を受け、自動車税優遇措置を受けられるクラシックカー用「Hナンバープレート」を取得しているという。そして一番いいニュースは、最近エンジンが交換されたことかもしれない。ターボを含むフライホイール、クラッチ、エキゾーストシステムも新品に交換されたとある。そして1年間の保証付きだ。そして、売主は、このバンに作業が必要な箇所がいくつかあることを忘れずに述べている。このオープンで公正な姿勢は、賞賛に値する。
最後に、クルマの構成だ。フォルクスワーゲンのキャンピングカーは、単なるノスタルジーの運搬車ではなく、スタイリッシュな夏の休日を演出してくれる魅力的な自動車である。さらに将来的に価値が上がるコレクターズアイテムなのだ。そのうえ、4WDである。それでも、どれだけオリジナリティがあるかは、絶対にチェックする必要がある。そうすれば、そのクルマが実際にどのくらいの価値があるかがおおよそ判断できるだろう。
T3を購入する前に見ておきたいポイントは?
いうまでもなくT3でも車検は必須だ。T3にサビは機種に関係なく発生する。ボディワークの作業は時間とコストがかかる。売買契約を結ぶ前に知っておくといいだろう。
T3は、常にメインテナンスが必要なクルマだ。オーナーに溶接の才能があればいいが、そうでない人は財布の中に蓄えが必要となる。また、購入希望者は、購入前にT3についてよく理解しておく必要がある。
経済性は期待できない
これは駆動系にもいえることで、標準的なT3のエンジンのどれもが、現代の自動車ほど燃費は良くない。ガソリンエンジンでは、8km/L以下が普通だ。一方ディーゼルエンジンは少ない燃料で満足でき、道路でもとても快適なはずである。
(Text by Lars Hänsch-Petersen / Photos by ebay.de/ed494)
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