Gラーダー(スーパーチャージャー)が「Corrado」を技術的モニュメントに変える。Corradoはこれからの名車であり、価格もまだリーズナブルといえる。今購入すれば、時代を超えたクーペデザインとGolf 3のハイボルテージテクノロジーを享受できる。60バージョンはダウンサイジングのパイオニアである。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

画像1: 【Auto Bild】FFスポーツ〜Corrado物語

そのクルマはレーサーになるはずだった

これまた人気モデルだった「Scirocco」と同時期に製造されたフォルクスワーゲンのプレミアムスポーツクーペCorrado。伝説のGラーダー(スーパーチャージャー)を搭載した車が市場に出てから34年が経つ。

当初は「タイフン」というモデル名でデビューする予定だった。しかし、VWは、Corradoという名前を代わりに冠した。

そのCorradoという名は、スペイン語で「走る」を意味する「correr」に由来している。そして、Corradoは今も元気に走り続けている。その上、これからの名作として人気が出てきているため、すでに価格は上昇し始めている。

画像: そのクルマはレーサーになるはずだった

当時も、コックピットにあるリヤスポイラー用のボタンがヒットした。120km/hから自動的に伸び、20km/hから自動的に縮むリヤスポイラーだ。

Corradoは発売当初から、現在でも特に有名な特別な技術装備であるGラーダを搭載していた。これにより、1.8Lの排気量から160PSを発揮した。

その後、115PSと136PSの2種類の4バルブエンジン、190PSのトップバージョン、「VR6」が登場した。

過給機の技術は当時としてはかなり新しいもので、ターボと同じように機械式過給機で圧力を高めるものである。しかし、ダウンサイジングのパイオニアである「G型スーパーチャージャー」は、メカがすぐに壊れてしまうという弱点もある。そして、交換部品が600ユーロ(約8万円)と高価になる。

しかし、そのうち摩耗や破損を認識したら、スーパーチャージャーを専門家に修理してもらうことも可能だ。

カルマンが手がけたスタイリッシュなクーペ

フォルクスワーゲンはCorradoで、1980年代の明確な一歩を踏み出そうとしたのである。

当初はScirocco 2の後継車として計画されたが、高度な技術力と収益性の高さから、最終的にはSciroccoの上位車種として位置づけられ、Sciroccoと並行して提供されることになった。

画像: カルマンが手がけたスタイリッシュなクーペ

1988年当時、「G60」の新車価格は、最も安いSciroccoの約2倍、42,000マルク(約280万円)だった。

Corradoは、Golf 3の技術と走りを、オスナブリュックのエキスパート、カルマンが生産したコンパクトスポーツカーのボディに取り入れたモデルである。デザイナー、ヘルベルト・シェーファーが手がけたこのコンパクトスポーツカーは、ややずんぐりしているが、ダイナミックでもある。

トップモデルはVR6で、排気量2.8Lまたは2.9L、当初174PSという当時では異例の6気筒エンジンを搭載していた。その後、190PSまでパワーアップした。

Golfとは対照的にVR6 Syncroのような4WDはなかった。

画像: わずか1.8Lの排気量で160PSを発揮するG60のエンジン

わずか1.8Lの排気量で160PSを発揮するG60のエンジン

初の電動リヤスポイラーがもたらした235km/h

1988年に発表されたCorradoは、あらゆる技術革新を盛り込んだスポーティな2+2クーペとして、人目を引く存在となった。

フォルクスワーゲンでは初めてバンパーをボディカラーで塗装し、フロントフェンダーはヴォルフスブルク社初のCAD部品とした。

1993年にはカブリオレのデザインスタディも行われたが、これは量産化されなかった。

画像: 初の電動リヤスポイラーがもたらした235km/h

当初、CorradoはG60として、いわゆるギャレットのスパイラルチャージャーを搭載し、わずか1.8Lの4気筒エンジンから160PSという驚異的な出力を絞り出し、その名を轟かせたのである。

当時、Corrado G60は、225km/hというフォルクスワーゲン史上最速の量産車であった。リヤアクスルの揚力を60%以上低減するフォルクスワーゲン初の電動伸縮式リヤスポイラーとの組み合わせで、VR6は高速道路でコラードを約235km/hまで押し上げたほどだ。

タイトだが、ややスポーティさに欠けるシャシー

Golfに対し、Corradoもフォルクスワーゲンとしては比較的大胆なエクステリアデザインを持っていた。

室内には、フロントとリヤに均整のとれたスポーツシートが配置され、Passat B3シリーズのコックピットが明確に配置されていた。

そして1993年のモデルチェンジでは、微妙に新しい方向性を打ち出した。大型のトグルスイッチはプッシュボタンに変わり、要望に応じてドアやシートにシックなレザーが採用された。

シャシーはしっかりとしているが、正直なところ、あまりスポーティさはない。エンジン出力が高いため、勢いよく走るとステアリングに駆動力がかかるのが目立つ。

クラシックカーを探している人は、このことを念頭に置いて、タイロッド、ドライブシャフト、ブレーキなどを入念にチェックする必要がある。

115PSのベーシックモデルは比較的リーズナブルな価格

1995年まで、Corradoは合計97,535台が販売された。現在、このクラシックなフォルクスワーゲンは5,000台以上がドイツの道路を走っている。

市場を観察するクラシックデータによれば、Corradoの価格は上昇しているという。「若い頃に車を体験した世代が、徐々に引き継いでいる」とクラシックデータの専門員は語る。状態の良いG60は10,000ユーロ(約132万円)前後から入手可能だ。現在では、10万kmを大きく下回るコレクターズコンディションの車両を、最大3万ユーロ(約396万円)で提供するディーラーもある。

画像: 115PSのベーシックモデルは比較的リーズナブルな価格

スペアパーツはたいてい簡単に手に入るし、出来栄えもまずまずだ。最も値上げ幅が少ないのは、115PSのベースモデルだ。トップモデルのVR6は、値上がり傾向だ。

しかし、錆や電気系統(特にウィンドリフター、サンルーフ、エアコン/ベンチレーション)の問題とは別に、シリンダーヘッドガスケットには気を配る必要がある。

(Text by Stefan Grundhoff, Roland Wildberg / Photos by Roman Raetzke)

画像2: 【Auto Bild】FFスポーツ〜Corrado物語

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