前回、これまでの最高記録となる高額な見積書を受け取り、今後について考え込んでしまった私……。次なる一手を決めるためにも、冷静に現状を振り返ってみることに。
maniacs STADIUMの熊澤メカの診断では、15年落ちであることを考慮すれば、ボーラの状態は悪くないとはいわれたものの、それはメカニズムの話。実のところ、ビジュアル面では、寄る年波を感じさせる部分も決して少なくないのです。
ボディは、明るいリフレックスシルバーメタリックということもあり、遠目には綺麗に見えるのですが、お肌はボロボロ。触れると、鮫肌感もあります。これはクリアー層が傷んでいる証拠です。特にドアハンドルは、エッジが摩耗してしまっているほど(汗)。ただ洗車時のコート剤などの効果で、一時的に光沢が取り戻せるので、マメに洗車で誤魔化すこともできます(おもに自分の心を……)。
それよりも難点は、車内の劣化です。欧州車乗りならば、経験者が多いと思われる天井落ちも、当然、経験済み。現状は、リヤ側の剥離が進んでいますが、フロントは部分的なため、運転に支障がないので放置。ただAピラーから始まった剥離も、BからCと進行中……(汗)。仕方ないので、Aピラーは、手芸用ボンドで補修。ただ綺麗に直すには、部品交換か表皮の張り直しが必要な状態です。
さらにダッシュボードやドアトリムなどの樹脂部品には、軽いベタツキや表面の剥離も見られます。当時、環境対策や柔らかな表面仕上げが流行ったことで変更された素材が、日本の環境には合わなかったのでしょう。ただ国産旧車のように、バキバキにダッシュボードが割れたりしないのは、せめてもの救いかも。
さらに運転席側のドアロックも不調気味。施錠は問題ないのですが、解錠は1回だと開かず、リモコンを連打する始末。この際、運転席ドア以外は一発で開錠されるので、運転席側のドアロックが問題なのは間違いありません。ただ部品だけで3万円ほどの出費となります。そのため、完全に壊れるまで様子を見ることに。実は、この故障は、助手席ドアロックを直した直後に発生しており、左右を続けて修理する心が折れてしまったのでした。幸いにも運転席側はキーシリンダーもありますからね。
動く部分を直しならば、内装の不具合も改善したいのが、本音。なにせ常に目にする箇所ですから。10年たっても、レカロ製レザーシートは、大きなヘタリも見せないというのに、この差は何なのでしょうか。
ここから40万以上の費用をかけて、直すべきなのか、本当に悩みました。仕事柄、クルマでの移動も多いので、乗るとなれば、ガンガン使います。ただ使い込むほど、メカ部品の故障も増えてくるはず。高額費用をかけた後に、大修理が発生すれば、完全に泥沼へと落ちることも十分に考えられるのです。しかし、長年付き合ってきた愛車を、そう簡単に見捨てられないのも正直なところ。きっと、そんな気持ちを抱えて愛車を維持している人も多いのではないでしょうか。
そこで第三者の意見を聞いて見るべく、一台の愛車を長く乗る傾向にある友人に話してみたところ、事態は意外な方向に進んでいくことに。何気ないクルマ好き同士の会話が、私を突き動かすことになりました。
次回に続く……
(Text by Yasuhiro Ohto)