「ゴルフGTI」の40周年を記念した特別なモデル「ゴルフGTIクラブスポーツ」がついに日本上陸。その第1弾となる「トラックエディション」を日本の道で試してみる。
※2016年5月の記事を再構成して掲載しました。
![画像1: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/1d26a926f42f67e426cd3239b26f6e3bb5a2f693_xlarge.jpg)
2016年5月21日、「Volkswagen Day 2016」の会場で「ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション」が発表になった。
このイベントのためにわざわざ日本に空輸された貴重な1台を、さっそく試乗することができた。試乗車はピュアホワイトのボディにブラックのルーフペイントが施されている仕様で、そのコントラストがスポーティな印象を強めている。
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さらに、専用デザインのフロントバンパーからボディサイドに繋がるブラックのストライプや「CLUBSPORT」の文字、ブラックのドアミラーカバー、19インチアルミホイールなど、標準のGTIとの違いは一目瞭然だ。
ゴルフGTIクラブスポーツのリヤビューも特徴的で、分割式のルーフスポイラーには凄みがあるし、専用デザインのリヤバンパー&ディフュザー、ゴルフRと同じLEDダークテールライトなどもノーマルと区別する手がかりになるはずだ。
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19インチのアルミホイールから顔を覗かせるレッドブレーキキャリパーも気になるアイテムだ。GTIの文字が描かれたフロントブレーキキャリパーやΦ340mmにサイズアップされたフロントベンチレーテッドディスクは、以前日本でも限定販売された「ゴルフGTIパフォーマンス」に採用されていたものだ。
さらに、ゴルフGTIパフォーマンス同様、電子制御式フロントディファレンシャルロックを搭載するなど、このゴルフGTIクラブスポーツが実はゴルフGTIパフォーマンスをベースとしているのがわかる。
![画像6: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/01690d1bb36c0e2f22eff7721d4fe4e226d57a29_xlarge.jpg)
インテリアは、12時に位置にレッドのマークが施されたアルカンターラ巻ステアリングホイールやレッドのストライプで彩られたシフトレバー、アルカンターラのシフトブーツなど、ノーマルとの違いがいたるところに見て取れる。
細かいところでは、標準のGTIがハニカム柄のデコラティブパネルを採用するのに対し、ゴルフGTIクラブスポーツの場合はセンタークラスター部分がピアノブラックになり、より上質な雰囲気に。その一方で、カップホルダーの蓋やアームレストは省かれている。
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![画像9: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/d9ce5c9a977ffcbe35435143b9c0d24570a1b7c9_xlarge.jpg)
トラックエディションのハイライトとなるのが、セミバケットタイプのフロントシートだ。一体型のヘッドレストや大きなサイドサポートが特徴で、センター部にファブリック、サイドにアルカンターラが施される。
シルバーのタグを見ると「RECARO」の文字。前席のサイドエアバッグはないが、シートヒーターが装着されるのは冬場に重宝するだろう。
さっそくレカロのセミバケットシートに身体を預けてみると、クッション部のサイドサポートが高いため、いつものスポーツシートに比べて乗り降りに気を遣うが、それでも面倒というほどではないし、一度シートに収まれば窮屈さはなく、それでいてしっかりと身体をサポートしてくれるのがうれしいところ。座り心地も硬すぎず、見た目と違って意外に居心地はいい。
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![画像12: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/b394ffa9192f494c6a8c20622d12a8c39ced82b2_xlarge.jpg)
![画像13: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/8f3ab4a061d219015f88c83b2c90f55e9b28cecb_xlarge.jpg)
「Keyless Access」が備わらないゴルフGTIクラブスポーツでは、イグニッションキーを捻りエンジンを始動する。拍子抜けするほどジェントルに動き始める2.0 TSIに、最高出力265psの片鱗は感じられない。
まずはドライビングプロファイルを「ノーマル」にセットして走り出すことにする。街中を流して走る場面では、2000rpm以下でも十分豊かなトルクを発揮し、多少の加減速も実にスムーズかつ穏やかなマナーを示す。本当にスポーツモデルなのかと疑うほどだ。
一方、ゴルフGTIクラブスポーツの乗り心地は、225/35R19タイヤと19インチホイールが組み合わされることもあり、DCC(アダプティブシャシーコントロール)のノーマルモードでもやや硬めで、目地段差を超えたときにショックを遮断しきれないばかりか、路面の荒れも拾ってくる。
ただ、これだけのスポーツモデルであってもガチガチに硬いわけではなく、ふだんの足として十分許容できるレベルの乗り心地を確保しているのは、DCCのなせるワザ。DCCをコンフォートにすれば多少ショックは和らぐので、街乗りではコンフォートを選んで走ることが多かった。
![画像14: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/85ccfa7a6979e054dd27033d4d09246618650610_xlarge.jpg)
しばらくして高速道路に入り、本線への合流の場面で思い切りアクセルペダルを踏むと、その速さに目を見張る。2000rpmを超えたあたりから本性を見せ始めた2.0 TSIエンジンは、4000rpmの手前くらいから重厚なサウンドを伴いながら強烈な加速を示し、さらに盛り上がりを見せながら6000rpm後半までストレスなく伸びる勢いだ。これは速い! ゴルフGTIとは段違いの加速に、クラブスポーツの実力を見せつけられた瞬間である。
感心したのは、これだけのトルクを前2輪だけでしっかりと受け止めていたことで、少なくともドライ路面では、フルスロットルをくれても進路が乱されたり、ホイールスピンするような気配はなかったし、ESCの介入もほどんどない。
スポーツモードなら、3速以上からのキックダウンで、10秒間だけパワーとトルクがアップする"ブースト機能"が働くが、これが効いた瞬間はさらに強烈な加速に見舞われ、290ps、380Nmの威力に唖然とする。
![画像15: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/1ef98650e7ddaac893dcff61870be6fc01017e11_xlarge.jpg)
そして、さらに感心したのはコーナーでの身のこなし。直線はまだしも、コーナーでは265ps、350Nmのハイパフォーマンスは手に余るはずなのだが、コーナリングの途中でアクセルペダルを踏み込んでいってもフロントタイヤのグリップは確保され、フロントがアウトに膨らむ動きなど微塵を見せずにオン・ザ・レールの走りを示すのだ。
もちろん、これを支えているのが電子制御式フロントディファレンシャルロックで、おかげでゴルフGTIクラブスポーツが、ゴルフGTI史上、最高のハンドリング性能を手に入れることができたというわけだ。ロック・トゥ・ロックが2.1回転というクイックなステアリングと相まって、ワインディングロードの走りはまさに痛快のひとこと。ゴルフGTIクラブスポーツをベースとしたさらにスペシャルなモデル「ゴルフGTIクラブスポーツS」がFF最速の栄誉を手にしたのも、十分納得がいく。
![画像16: 【試乗記】ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション[再]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2020/05/26/2e7330c4ecb527a317893cb5abfc909ae7c69a0f_xlarge.jpg)
残念ながら今回はサーキットを走らせることはできなかったが、ちょっとしたワインディングロードでもそのハイレベルなハンドリング性能を垣間見ることができた。ゴルフRに比べて車両重量が軽いぶん、動きがより軽快というのもゴルフGTIクラブスポーツの魅力である。
乗り心地こそややゴルフGTIよりも硬めだが、それ以外にはネガティブなところがないゴルフGTIクラブスポーツ。この秋には、よりストリートに適した「ストリートエディション」が追加発売されるというが、それを見ずにこのトラックエディションを選んでも、決して後悔はしないと思う。
(Text by Satoshi Ubukata)