2020年2月22日、今年で12回目の開催となる「Nostalgic 2days(ノスタルジック2デイズ)」が、パシフィコ横浜で開幕しました。
国産クラシックカーを中心に、あらゆる旧車ショップやパーツメーカー、レストアショップが集結。貴重な展示車両に舌鼓を打つべく、微妙な暖かさの横浜に行ってまいりました。
今年はコロナウィルスの影響もあってか若干静かなスタートを思わせる会場。とはいえ、メインで扱われる70〜80年代の輝くクルマたちには熱い視線が送られています。
まずはこちらの「ホンダ・シティターボII」! “ブルドッグ”の愛称で親しまれ、ワンメイクレースも開催。しっかりモトコンポも寄り添っていますね。
放熱フィンのようなデザインの無限CF-48ホイールが泣かせます。
続いて紹介するのは、今でも鮮烈な印象を残す「マツダRX-7」です。登場は1978年ということで、42年前……筆者は生まれておりません。
SA22C型と呼ばれる初代は12A型2ローターエンジンを搭載しています。おにぎり型のホイールデザインも秀逸ですね。
全体的には80年台後半の、いわばネオクラシックともいえそうな国産車が目立っていました。
ハイソカーの定番「ソアラ」、「70スープラ」、そして某刑事ドラマでお馴染みの「レパード」も。
パーツメーカーも、そういった市場にあわせた設定のパーツをしっかり充実させてきているようです。最新のパーツが使えるのは、オーナーにとってうれしいかぎりですね。私の愛車もそうなって欲しいものです……
さて、この会場で、私たちの目を釘付けにしたのはこちらの「ゴルフI」です。聞くところによると新車当時のオリジナル塗装だそうです。褪色しやすい赤系のボディをここまで維持するのは骨が折れそうですが、オーナーさんの魂が宿った素晴らしいコンディション。
このゴルフはいわずもがな、ジョルジェット・ジウジアーロの作品ですね。ちょうど隣には同じ時期にデザインされた「ロータス・エスプリS2」が鎮座していますが、まさにジウジアーロを代表するスポーツカーと大衆車の二大巨頭。ちなみにこのエスプリはF1でチャンピオンを獲得した際の100台限定車だそうです。
ゴルフに話を戻しましょう。1974年に発売された初代ゴルフですが、日本へは翌75年に輸入されました。父親の友人がこのゴルフIに乗っていて、「ゴルフのおじさん」と呼んでいたのを思い出します。たしかその時のボディカラーはイエローだった気がします。テールランプが細長い後期型。
オーナーさんの「ゴルフの匂いがまだある」という言葉には、妙に納得してしまいました。
こちらの2台は私の父親世代が熱狂したであろう、「プリンススカイライン」と「ポルシェ904」の名勝負。1964年の第2回日本グランプリでの出来事です。
ドライバーはスカイラインに生沢徹、ポルシェ904に式場壮吉。まさにスカイライン伝説の主役がここに揃ったわけです。
ポルシェ904というクルマは、ルマンなどにも出場したレーシングカーであるものの、ポルシェの市販スポーツカーらしさも残すオールラウンダー。当初のエンジンは356カレラ2に搭載されていたフラット4。ワークスマシンには6気筒や8気筒エンジンを搭載したモデルも存在します。ボディワークは、後にポルシェデザインを創業するフェルディナント・ポルシェが担当しています。
当時からレーシングカーを個人が購入しレースに出ることができるシステムを構築していたポルシェ。現在の各ワンメイクレースやポルシェカレラカップ、GT3、GT4カテゴリ、そしてTCRのお手本ともいうべきシステムを、1960年台に確立していたことには驚きしかありません。
欧州の自動車・レース文化がいかに成熟したものだったかがよくわかりますね。
その他のブースには、池沢さとしさんの「サーキットの狼」に登場するご本人所有のロータス・ヨーロッパや、その場で購入できる販売車輌も多数展示。現役ドライバーのトークショーなども行われています。
帰り際、スワップミートで懐かしの「マッチボックス」を発見! 幼少のころ、トミカともに遊んだ記憶がよみがえり、思わず購入してしまいました。
購入したのは「アウディ クワトロ」とゴルフIです。このクワトロはまさに同じものを持っていた記憶があります。色は違いますが、よく遊んだものです。
地元横浜のハマ風とともに、やっぱりクルマが好きということを感じた一日でした。
Nostalgic 2daysは2月23日まで。
(Text & Photos by Kinari Arashima)