170814-Oya-01.jpg【イタリア直送 大矢アキオのかぶと虫! ビートル! マッジョリーノ!】

今年春にドイツ・エッセンの旧車ショー「テヒノクラシカ」を訪れたときのことだ。なんと、過去に欧州各地で遭遇したアイディア抜群のレトロフォルクスワーゲングッズばかりを集めたブースを発見した。

フォルクスワーゲン初代ビートルや初代トランポーター(T1)は、レトロ風ファンシー・グッズの永遠のモティーフである。メーカー公認だったり非公認だったり。ヨーロッパでその手の店を覗けば、1個や2個見つけられる。ちょっとした供給過剰状態だった。

そのようなレトロフォルクスワーゲングッズ界だが、ここ数年「これ、よく考えたねえ」と、思わず唸る商品にたびたび出くわすようになった。同時に、車好きのツボを心得たデフォルメである。

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T1型のアイススクレーパー、同じくT1から各種ツールが繰り出せるアーミーナイフ、そしてT1キャンパーを模したソフトケースに入ったビーチタオル......

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さっそくそこにいたおじさんに声をかけてみる。すると「私が社長です」と日本の某ホテルチェーンのCMのような答えが返ってきた。

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彼の名前は、オラフ・ピルツ氏。ドイツ・ミュンヘン空港の近くで「ブリザ」という名の会社を営んでいる。1995年創業で、現在の従業員は約30名だ。その日は社員のティーナさんとブースの番をしていた。

「グレン・ミラーをはじめとする懐かしのメロディのコンピレーションCD企画販売が最初の仕事です」と教えてくれた。なるほど、レトロムードを愛する顧客を知り尽くした会社のアイディアだったのだ。

その後、缶詰型をした時計「マイクロック」がヒットした。今日の「フォルクスワーゲンコレクション」にも、ヴィンティッジフォルクスワーゲンのスピードメーターを文字盤のグラフィックにした「マイクロック」がラインアップされている。

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フォルクスワーゲンコレクションは2013年からの展開で、アイテム数は300以上。今日世界最大のフォルクスワーゲン・ライセンシーにまで成長している。「米国にも法人があります」。

創業22年で、大企業フォルクスワーゲンと取引をするようになるとは、ちょっとしたサクセスストーリーである。

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商品でメインを占めるのは、アウトドアやキャンプに用いることをイメージしたものである。「製造国は85%がアジア、15%がヨーロッパです」とオラフ氏。だがいずれも「高品質」「魅力的なデザイン」がモットーだ。

現在はヨーロッパのほか、北米、オーストラリア、ニュージーランド、韓国で発売している。

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通販もある。ドイツ語で発送地域も欧州19カ国のみだが、ページを繰っているだけで楽しいので以下にサイトを記しておこう。

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コンパクトサイズゆえ、大人数には向かない。カップルによるアウトドアの余興用といったところだ。

そもそも、「普通のバーベキューセットでいいじゃない?」などと抜かすであろう、ユーモアの分からない女房と二人暮らしする筆者にとっては「ひとりバーベキュー」に最適かもしれない。

(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)

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