120427-Golf BEM-3.jpgゴルフの電気自動車「Golf blue-e-motion」で滝を訪ねるキャンペーン「ネイチャー ドライビング エクスペリエンス」を、ひとあし先に体験しました!



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フォルクスワーゲンは、2013年にもゴルフのEV(電気自動車)を発売すると宣言しています。おそらく2012年の秋には新型ゴルフ=ゴルフ7が登場しますので、市販化の際はそのゴルフ7がベースになるはずです。

現在は写真のプロトタイプによりテストを重ねている段階で、日本にも期間限定で上陸。そんな貴重なGolf blue-e-motionをドライブできるということですから、このチャンスを見逃す手はありません。

Golf blue-e-motionには大きなステッカーが貼られているので、走行中は多くの人が振り返ります。しかし、もしもステッカーがなければ、特別なゴルフとは気づく人はほとんどいないはずです。ガソリン版と差は、フロントグリルのデザインが違う程度です。

120427-GolfBEM-35.jpgヨーロッパでテスト中のクルマなので、左ハンドル仕様です。コックピットのデザインは、ガソリン版とほぼ同じ。ただし、メーターのデザインが少し違っています。
また、荷室はガソリン版よりもフロアが60mm高くなっています。というのも、荷室の下にバッテリーが搭載されているからです。他にも、後席の下やフロアトンネル部分にも搭載されます。しかし、キャビンはガソリン版と同じスペースが確保されていますし、狭くなったとはいえ、ラゲッジスペースも十分実用的な広さです。

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120427-Golf BEM-6.jpgエンジンの代わりにボンネット下に収まるのは、最高出力115ps、定格出力68psのモーター。最大トルクは270Nmで、ゴルフGTIの2.0TSIエンジンに迫る実力です。
Golf blue-e-motionには、26.5kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されていて、NEDC(ヨーロッパのドライビングモード)での航続距離は150km。最高速度は13.5km/hです。

充電は交流の230Vまたは400Vに対応。充電用のコネクターが給油口の位置に加えて、フロントのVWエンブレムの裏にも隠れていました。

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さっそくスタート......といきたいところですが、まずは、運転方法の確認です。システムを起動するために、ブレーキを踏みながらキーを捻ります。すると、センターのディスプレイに「READY」の文字が表示され、左のパワーメーターの針が「OFF」から「0」に動きます。

ちなみに、このメーターを見れば、パワーの出し入れがひと目でわかります。0から時計回りに動いているときにはパワーを使っている状態。一方、0から反時計回りに動いているときは、モーターが発電機として働き、クルマを減速させながら、エネルギーを回収しています。いわゆる"回生ブレーキ"が効いている状況です。

あとは、シフトレバーを「D」または「R」に動かし、アクセルペダルを踏めば、クルマは動き出します。実は簡単!

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Golf blue-e-motionならではの操作として、ドライビングモードの変更があります。シフトレバーの先にあるスイッチで、「ノーマル」「エコ」「レンジ」の3モードを切り替えることができます。

ノーマルでは、モーターのパワーを100%使うことができます。一方、エコに切り替えるとモーターの最高出力は約94ps、最高速は120km/hに抑えられます。さらにレンジでは、最高出力は約54ps、最高速も95km/hになり、エアコンのコンプレッサーも動かなくなりますが、そのぶん航続距離を伸ばすことができます。

シフトパターンも、よく見るとガソリン車とは違っています。Bレンジは、回生ブレーキの効きが強力になるモードで、イッキにアクセルをオフにすると、ガソリン車のフットブレーキを踏んだくらいの制動力があります。その際にはブレーキランプが点灯し、後続車に注意を促します。

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ユニークなのがパドルシフト。Dレンジでパドルシフトを操作すると、回生ブレーキの効きが調節できます。

標準状態では、アクセルから足を離しただけでは回生ブレーキが効きません。つまり回生ブレーキのレベルはゼロ。左の「-」のパドルを操作するたびに効きが強くなるのです。強さは3段階から選べ、最も強いレベルでは「B」レンジと同じ強さになります。これだけ頭に入れれば準備OK!

今回の特別編では、VGJのオフィスがある品川から、東京都西多摩郡檜原村にある「払沢(ほっさわ)の滝」を目指します。首都高速と中央高速を使い、中央高速の上野原ICからは峠超えも待ち構えています。距離にして約100km。無事、辿りつくのか?
 
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走り出した瞬間から、EVの凄さが実感できます。出足がとても力強い! パワーは1.2TSIを少し上回るくらいなのに、力強さはV6エンジン並み。しかも、アクセルペダルの動きに即座に反応し、音も立てずにすぅ~っと加速していくのだから、まさに次世代のクルマという印象。あまりに静かなので、低速ではフロントのスピーカーからオートバイみたいな音が出ます。固定ギアのGolf blue-e-motionでは、加速は途切れることなく続き、それがまた爽快なドライビングをもたらします。

燃費重視のレンジモードに切り換えると、明らかに大人しくなりますが、それでも日本の道路環境なら不満のない加速を見せてくれました。高速でも必要十分な性能で、メーター読みで95km/hに達するとスピードリミッターが作動しました。スピードが高くなると、空気抵抗が増え、航続距離が縮まることを考えると、95km/hという上限はむしろ好ましいかもしれません。ちなみに、レンジモードではエアコンが効かないので、気温が高い時期はエコモードを選ぶことになります。

回生ブレーキの効きはなかなかのもので、普段の運転ならブレーキペダルにふれることなく、アクセルペダルのオン/オフと、パドル操作だけで事足りてしまいます。最強なのがBレンジで、アクセルペダルの踏み方ひとつで、加速だけでなく、回生ブレーキの強さも調節できてしまいます。だから、たとえばワインディングロードを走る場面でも、アクセルだけでスピードコントロールが可能です。回生ブレーキはエンジンブレーキよりも格段に強力なので、こんなことができちゃうんですね。しかも、坂の下りなら、回生ブレーキによってバッテリーが充電されるので、これは一石二鳥!

モーターの加速と同じくらい感心するのがGolf blue-e-motionの走り。ガソリン版よりも300kg強も重量が増しているにもかかわらず、むやみやたらとサスペンションを固めることなく、いつもの快適な乗り心地を保ちながら、安定した動きを見せるのです。重くなったぶん乗り心地には重厚感が増して、ワンランク高級なクルマに乗っているかのよう。そのうえ相対的にフロントアクスルの荷重が減り、重心も低いGolf blue-e-motionは、ハンドリングの面でも有利なんです。

120427-Golf BEM-33.jpgそうこうしているうちに中央高速を降り、檜原村に向かう一般道に。途中までは峠の登りが続き、航続距離はあと15kmほどに。しかし、峠を超えてしまえば下り坂に変わるので、回生ブレーキによる充電で航続距離は25kmまで延びました。
今回は特別編ということで、実際のイベントのときよりも長い走行距離が設定されています。そのため、このあとは一晩かけてバッテリーを充電し、その間、檜原村にある古民家の宿「山城」でスローな時間を過ごすことに。僕にとっても貴重な充電の機会になりました。

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(Text & Photo by S.Ubukata)

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