150807-Ota-3.jpg2015年6月6日、ついに決戦の日を迎えました。袖ヶ浦フォレスト・レースウェイの「スパタイGP」で、太田哲也さんの「ゴルフGTI WR」が宿敵「ゴルフR」に戦いを挑んだのです。
ウブカタ(以下ウブ):振り返ると、長い道のりでしたね。

太田:袖ヶ浦の「スパタイGP」で、ゴルフRにラップ4秒という大差をつけられたのが約1年前。ウェット状態とはいえ、あまりの悔しさにカスタマイズのコンセプトをラグジュアリーなGTIから「待ってろR(Wait R)」、つまり、打倒ゴルフRに方針転換したんだよね。コードネームも「LXY」から「WR」に変更したんだ。

ウブ:コードネームがあったのは初耳ですよ(笑) それにしてもWRに変わってからの進化がすさまじかった! LXYのときよりも気合いが入っているように感じたのは私だけでしょうか?

太田:とにかく速いクルマにしたかったからね。既存のパーツを利用するだけでなく、必要なものは新たに開発して取り付け、テストを重ねて速くしてきた。

ウブ:そういったプロセスが実は楽しいんですよね! 実際、速くなりましたしね。

150807-Ota-6.jpg
太田:そして、決戦直前にはダメ押しのウェポンを導入したんだ。「m+フロントスポイラー」。見た目の迫力だけでなく、FF車の宿命であるアンダーステアを抑えて、ハンドルの効きを向上させる効果を期待してね。これで、ゴルフRに対して、コーナー進入時のマージンが築けるはずだよ。

ウブ:まさに準備万端で袖ヶ浦のスパタイGPに臨んだというわけですね。

太田:その袖ヶ浦だけど、スパタイGPでは"賞典外"の扱いで走らせることにしたんだよ。しかも、今回は公平を期するために2台のステアリングは郷田鉄生君に託した。

ウブ:郷田鉄生って、どこから見ても太田校長でしたけど......バレバレですよ(笑)

太田:そうかなぁ......。

ウブ:それではここからは郷田さんにお話しを伺いましょう。郷田さん、どうぞ!

太田:袖ヶ浦のスパタイGPで、ゴルフGTI WRとゴルフRを運転した郷田です!

150807-Ota-4.jpg
ウブ:やっぱり太田校長だ(笑) それはいいとして、スパタイGPはタイムアタックが1周だけの一発勝負。コースサイドで見ていましたが、かなり気合いが入ってましたね!

太田:そりゃそうだよ。まずはゴルフRでタイムアタックし、出たタイムが1分20秒455。

ウブ:夏日で気温が高かったから、好タイムは出にくい状況でしたが、速いですね。これをターゲットにGTIでタイムアタックしたわけですね。乗り換えると2台の違いがはっきりわかりましたか?

太田:前回この2台を走らせたときは、Rに対してGTIはパワーだけでなく、加速もコーナリングも明らかに劣っていたんだ。ところが、今回、GTIでコースインしたら、「これはいけるんじゃないか」と思えるくらい、すぐにGTIの戦闘力の高さが感じられたんだよ。

150807-Ota-2.jpg
ウブ:それじゃあ、ますますテンションが上がりますね。ゴルフRを超える予感!?

太田:その手応えはあったね。車高調のセッティングアップによって足まわりの熟成が図られたことに加えて、prodrive製鍛造ホイールによる軽量化、ブリヂストンのニュータイヤ「RE71」のパフォーマンス、そして、マフラー、カーボンエアクリーナー、DTTのECUチーンなどによるエンジンのパワーアップで、加速力もコーナリング性能も数段アップしたんだよ。


ウブ:それじゃあ、GTIとは別モノになったんですか?

太田:そうでもない。GTIの軽快さはそのままなんだ。それに対してRは最高速が高いクルマという印象だった。

ウブ:GTIのフィーリングは上々のようでしたが、このへんでGTIのタイムを......。

150807-Ota-1.jpg
太田:1分20秒787......。コンマ3秒、負けた〜。Rを超えられると思っていただけに、残念だよ......。

ウブ:いやいや、そんなに落ち込むことはないでしょう。コンマ4秒なんて誤差の範囲内ですよ。すごい、すごい!

太田:そっ、そう? だよね〜。いい線いってるといっていいよね!

ウブ:太田さん、立ち直りが早いですね。

第12話に続く

(Text by T.Ota & S.Ubukata)

■関連リンク



This article is a sponsored article by
''.