100611itt001.jpgQ:アライメント測定から、コーナーウェイトゲージを使った微調整までを含めたトータルセッティングの詳細を教えてください。


A:コーナーウェイトの測定及び調整は、ホイールアライメントとは分けて考えた方がよいのでそれぞれの考え方について簡単に説明します。

100611itt002.jpgまず、ホイールアライメントとは、車輪に対してキャンバー、キャスター、トーインを適切に与える必要があり、これらの関係をいいます。 ホイールアライメントは走行中のハンドルに対して進路保持性、安定性、復元性に重要な影響を及ぼしますので、適切な値に調整する必要があるのです。

ホイールアライメントは各車両ごとに製造メーカーから適正値が定められていますので、アライメント測定器を使用して測定と調整を行います。 サスペンションの交換により車高に変化が生じた場合は、必ずしも製造メーカーの推奨値には当てはまらない場合がありますので、サスペンションを取り付けたショップなどでアドバイスを受けた方がよいと思います。

100611itt003.JPG続いて、コーナーウェイトについてですが、ホイールアライメントとは切り離して考えた方が良い内容になります。 サスペンションを車高調整式に変更した場合、「ホイールアライメントの調整」「車高の調整」と合わせて、「コーナーウェイトの調整」も一連の作業で行う場合がありますが、その目的はちょっとニュアンスが異なります。

100611itt004.JPGコーナーウェイトとは、4輪それぞれにかかる荷重をいいます。自動車にも重心が存在するので、その重心位置によって前後左右それぞれの車輪にかかる荷重は異なっていて、過重負担の大きい車輪と逆に小さい車輪が存在していることになります。

荷重負担の違いについて、分かりやすくするために机に例えて説明しますと、机の脚の先端(裏)には高さを調整するネジが付いているのをご覧になったことがあると思います。机の場合、床が平坦でないと1脚だけが浮き上がりガタガタすることがあります。そのガタをなくして机を水平に保つために脚には調整機構がついているわけです。

実は自動車でも机と同様のことが起こっているのですが、サスペンションにはスプリングが組み込まれていて伸び縮みするために車輪が浮き上がったりしてしまうことはありませんので、目視での確認は困難です。そこでコーナーウェイトゲージを使用して、4輪それぞれの過重負担を測定して確認するという作業を行ないます。

100611itt005.JPGコーナーウェイトの測定を行っても、純正形状のサスペンションについては調整を行うことは不可能で、スプリングシートが適正な位置(高さ)に固定されていれば調整や測定の必要はありません。コーナーウェイトの調整が可能なのは車高調整式サスペンションの場合に限って調整が可能になります。

コーナーウェイトの調整とは、重心位置を変えずに4輪にかかる荷重を調整することです。コーナーウェイトゲージを使用して4輪それぞれの荷重を測定して荷重配分を割り出し重心位置も把握します。

100611itt007.JPGコーナーウェイトのズレは対角線で逆転しますので、バネレートと実車のレバー比に応じて計算して車高調整式サスペンションのシートスプリング位置もしくはロアケース(全長調整式の場合)の高さを調整すると、車高の変化をほとんど起すことなくコーナーウェイト配分の改善(調整)ができます。

100611itt006.JPG車高調整式は容易に車高が調整できる便利なサスペンションに思われますが、調整が出来るということはコーナーウェイトを狂わせてしまう可能性もあります。特にバネレートの高いスプリングを使用した車高調整式サスペンションの場合は、1ミリ当たりの荷重変化が大きいので、より慎重な調整が求められることになります。ただ実際のところコーナーウェイトの調整はあまり一般的には行われていません。適切な調整方法やノウハウを持ったショップにてサスペンションを取り付ける場合は問題ないと思いますが、気になる場合は取り付ける際に相談してみてはいかがでしょうか。

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