装いも新たに登場したフォルクスワーゲンCC。その走りを南仏ニースでチェックした!
フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)によれば、新型フォルクスワーゲンCCを2012年夏までに日本で発売するという。日本仕様は、1.8 TSIと7速DSGの組み合わせとなる見込み。価格は現行のパサートCC 2.0 TSIと同レベルを狙いながら、装備を充実させたいというのが、VGJの考えだ。
パサートCC同様、ヨーロッパには2.0 TSI+6DSGや3.6Lエンジンを積むV6 4MOTIONもあるが、"ダウンサイジング"で攻めている日本市場にはあえて小排気量エンジンのFF仕様を投入するのだという。
そのかわりといってはなんだが、4MOTION仕様の「パサート・オールトラック」の導入を予定しているそうで、悪条件下での高い走破性やさらに広い荷室がほしい人は「パサート・オールトラックをどうぞ!」という作戦である。
日本仕様に搭載されることになる1.8 TSI(直噴ターボ)エンジンは、最高出力160ps/4500〜6200rpm、最大トルク25.5kgm/1500〜4200rpmの実力。DSG仕様の場合、ヨーロッパの混合サイクル燃費は13.9km/Lを達成する。
タイヤは、標準サイズが235/45R17であるが、試乗車には1インチアップの235/40R18が装着されていた。小さな穴なら自然に修復されるモビリティタイヤが採用されるのはパサートCCと同様である。さらに、このクルマにはオプション設定されるDCC(アダプティブシャシーコントロール)がおごられていた。
走り出しは軽快。実はこのクルマに乗る前に、6速MT仕様を味見していたのだが、1速がより低いギア比になる7速DSGのほうが発進が有利になるのはいうまでもない。しかも、1.8 TSIはパサートでおなじみの1.4 TSI同様、低回転から十分なトルクを素早く発揮するから、1.5トンのボディが相手でも力不足は感じない。
走り出すと、DSGは素早くシフトアップを繰り返して、2000rpm以下を保ちながら、悠々とクルマを走らせている。ちなみに、100km/h/7速の回転数は約2000rpmだ。4000rpmを超えるあたりまではとても活発で、多少エンジンの回転を上げてもキャビンは静かだ。フロントウインドーに採用した遮音ガラスやボディに施された遮音対策が功を奏しているのだろう。それだけに、荒れた路面を通過する際のロードノイズが目立ってしまうのが玉にキズだ。
ハイウェイの加速性能も十分だ。1.8 TSIは4000rpmを超えたあたりから多少トルクの落ちが見られるものの、吹け上がりはスムーズで、「もう少しパワフルだったらなぁ」と思う場面には出会わなかった。
DCCにより電子制御ダンパーが備わる試乗車は、乗り心地が実に快適。ノーマル、コンフォート、スポーツの3モードからノーマルを選べば、ほぼオールマイティに快適な乗り心地と、ドイツ車らしいフラットな動きがもたらされる。もちろん、直進安定性も優れていて、長距離ドライブには最適だ。
気になったのはステアリングの動き。レーンアシスト機能をオンにしておくと、ステアリングホイールに軽く手を添えているだけでクルマはレーンをキープしてくれるのだが、システムがステアリングを操作するため、レーンをキープしているあいだも絶えずステアリングを握る手に小さな動きが伝わってくる。これが、落ち着かないというか、気になってしまうのだ。安全と引き換えといえば我慢せざるをえないが、違和感を覚えないようなセッティングをぜひ見つけ出してほしいものだ。
......と、多少気になる部分もあったが、パサートのさらに上をいくモデルとして手堅く進化したフォルクスワーゲンCC。優雅な旅のお供には打ってつけの相棒になりそうだ。ライバルはメルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズというが、案外、その上のクラスからの乗り換えも多くなるのでは?......というのが僕の予測である。
フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)によれば、新型フォルクスワーゲンCCを2012年夏までに日本で発売するという。日本仕様は、1.8 TSIと7速DSGの組み合わせとなる見込み。価格は現行のパサートCC 2.0 TSIと同レベルを狙いながら、装備を充実させたいというのが、VGJの考えだ。
パサートCC同様、ヨーロッパには2.0 TSI+6DSGや3.6Lエンジンを積むV6 4MOTIONもあるが、"ダウンサイジング"で攻めている日本市場にはあえて小排気量エンジンのFF仕様を投入するのだという。
そのかわりといってはなんだが、4MOTION仕様の「パサート・オールトラック」の導入を予定しているそうで、悪条件下での高い走破性やさらに広い荷室がほしい人は「パサート・オールトラックをどうぞ!」という作戦である。
日本仕様に搭載されることになる1.8 TSI(直噴ターボ)エンジンは、最高出力160ps/4500〜6200rpm、最大トルク25.5kgm/1500〜4200rpmの実力。DSG仕様の場合、ヨーロッパの混合サイクル燃費は13.9km/Lを達成する。
タイヤは、標準サイズが235/45R17であるが、試乗車には1インチアップの235/40R18が装着されていた。小さな穴なら自然に修復されるモビリティタイヤが採用されるのはパサートCCと同様である。さらに、このクルマにはオプション設定されるDCC(アダプティブシャシーコントロール)がおごられていた。
走り出しは軽快。実はこのクルマに乗る前に、6速MT仕様を味見していたのだが、1速がより低いギア比になる7速DSGのほうが発進が有利になるのはいうまでもない。しかも、1.8 TSIはパサートでおなじみの1.4 TSI同様、低回転から十分なトルクを素早く発揮するから、1.5トンのボディが相手でも力不足は感じない。
走り出すと、DSGは素早くシフトアップを繰り返して、2000rpm以下を保ちながら、悠々とクルマを走らせている。ちなみに、100km/h/7速の回転数は約2000rpmだ。4000rpmを超えるあたりまではとても活発で、多少エンジンの回転を上げてもキャビンは静かだ。フロントウインドーに採用した遮音ガラスやボディに施された遮音対策が功を奏しているのだろう。それだけに、荒れた路面を通過する際のロードノイズが目立ってしまうのが玉にキズだ。
ハイウェイの加速性能も十分だ。1.8 TSIは4000rpmを超えたあたりから多少トルクの落ちが見られるものの、吹け上がりはスムーズで、「もう少しパワフルだったらなぁ」と思う場面には出会わなかった。
DCCにより電子制御ダンパーが備わる試乗車は、乗り心地が実に快適。ノーマル、コンフォート、スポーツの3モードからノーマルを選べば、ほぼオールマイティに快適な乗り心地と、ドイツ車らしいフラットな動きがもたらされる。もちろん、直進安定性も優れていて、長距離ドライブには最適だ。
気になったのはステアリングの動き。レーンアシスト機能をオンにしておくと、ステアリングホイールに軽く手を添えているだけでクルマはレーンをキープしてくれるのだが、システムがステアリングを操作するため、レーンをキープしているあいだも絶えずステアリングを握る手に小さな動きが伝わってくる。これが、落ち着かないというか、気になってしまうのだ。安全と引き換えといえば我慢せざるをえないが、違和感を覚えないようなセッティングをぜひ見つけ出してほしいものだ。
......と、多少気になる部分もあったが、パサートのさらに上をいくモデルとして手堅く進化したフォルクスワーゲンCC。優雅な旅のお供には打ってつけの相棒になりそうだ。ライバルはメルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズというが、案外、その上のクラスからの乗り換えも多くなるのでは?......というのが僕の予測である。
(Text by S.Ubukata)