ついに日本で発売となった「パサート オールトラック」を試乗。パサートヴァリアントよりもグンと存在感を増したこのクルマの実力は?
SUVテイスト溢れるクロスオーバーモデル「パサート オールトラック」が日本でも発売された。
パサートヴァリアントをベースに、アンダーガード風の前後バンパーやボディ別色のフェンダーアーチモール、そして、30mm高い専用サスペンションなど、ひと目でパサートヴァリアントとの違いがわかるエクステリアが自慢のパサート オールトラック。
インテリアも、ナパレザーの贅沢なスポーツシートが標準装着され、また、専用のウッドパネルがおごられるなど、上質な雰囲気に仕立て上げられている。
しかし、一番の特徴は、駆動方式にフルタイム4WDの「4MOTION(フォーモーション)」を採用したことだろう。通常はほぼFFとして振る舞い、必要に応じてハルデックスカップリングが後輪にトルクを伝えるオンデマンド4WDだ。
さらに、エンジンは1.4 TSIに代えて、ゴルフGTIと同じ2.0 TSIが搭載されている。モデルチェンジを機に、ハイパワーエンジンと4WDの組み合わせが消滅したパサートのラインアップだけに、パサート オールトラックの登場を心待ちにしていた人も多いだろう。
そんなパサート オールトラックを借りて、ドライブに出かけることにした。フォルクスワーゲン グループ ジャパンがあるオフィスビルからスタートすると、いつもの1.4 TSIよりも明らかに力強く、しかもスムーズな発進で違いを見せつけるパサート オールトラック。やはり、2.0 TSIと湿式6速DSG、そして、4MOTIONの組み合わせは伊達じゃない。もちろん、標準のパサートヴァリアントは十分な動力性能を持っているが、パサート オールトラックにはクルマ好きをわくわくさせるプラスアルファの魅力がある。
走りだしてから感じる余裕もパサート オールトラックならではのものだ。スピードがある程度のったところで、ちょっと加速しようと軽くアクセルを踏み込むと、すぅーっとスピードを上げていくのだ。プラス600ccの余裕がここにある。
高速道路の合流や追い越しのシーンはまさに2.0 TSIの面目躍如。アクセルペダルを深く踏み込めば、ストレスなくレッドゾーンまで吹け上がり、瞬時に次のギアへとシフトアップしていく。車両重量は1670kgと、パサートヴァリアントより200kgも重いが、それを差し引いても余りあるパワーを手に入れたということである。
ちなみに、JC08モード燃費は11.6km/L。都心の一般道では10km/Lを割るが、高速巡航ならこの数字を超えるのは簡単。燃料タンクは68Lだから、高速なら無給油で800km走るのも難しくはない。
一方、走りのほうも悪くない。最低地上高が30mm上がり、その影響がどう出るか心配だったが、SUV的なボディの揺れはよく抑えこまれていて、高速道路でもフラット感はまずまず。
ただ、225/45R18タイヤと18インチの大径ホイールを履くために、道路の継ぎ目や荒れた路面ではショックを伝えてしまうことがあり、多少乗り心地が悪化したのは否めない。それでも、十分許容できるレベルには収まっている。
オフロード走行モードが用意されるパサート オールトラックだが、今回は撮影用にお遊びで走る程度で、ESPが介入するようなアグレッシブなドライブは試さなかった。それでも、最低地上高が高いおかげで、ちょっとした未舗装路なら安心して進むことができたし、多少のギャップでもフロントバンパーをこする心配がないのはうれしいことだ。
ということで、クロスオーバー化によるデメリットは最小限に抑えられる一方、クルマとしての楽しさを一段とアップしたパサートオールトラック。優等生的なパサートヴァリントもいいが、ワイルドなパサートオール トラックはさらに魅力的である。
これは間違いなく人気モデルになるだろなぁ......。
(Text & Photos by S.Ubukata)
SUVテイスト溢れるクロスオーバーモデル「パサート オールトラック」が日本でも発売された。
パサートヴァリアントをベースに、アンダーガード風の前後バンパーやボディ別色のフェンダーアーチモール、そして、30mm高い専用サスペンションなど、ひと目でパサートヴァリアントとの違いがわかるエクステリアが自慢のパサート オールトラック。
インテリアも、ナパレザーの贅沢なスポーツシートが標準装着され、また、専用のウッドパネルがおごられるなど、上質な雰囲気に仕立て上げられている。
しかし、一番の特徴は、駆動方式にフルタイム4WDの「4MOTION(フォーモーション)」を採用したことだろう。通常はほぼFFとして振る舞い、必要に応じてハルデックスカップリングが後輪にトルクを伝えるオンデマンド4WDだ。
さらに、エンジンは1.4 TSIに代えて、ゴルフGTIと同じ2.0 TSIが搭載されている。モデルチェンジを機に、ハイパワーエンジンと4WDの組み合わせが消滅したパサートのラインアップだけに、パサート オールトラックの登場を心待ちにしていた人も多いだろう。
そんなパサート オールトラックを借りて、ドライブに出かけることにした。フォルクスワーゲン グループ ジャパンがあるオフィスビルからスタートすると、いつもの1.4 TSIよりも明らかに力強く、しかもスムーズな発進で違いを見せつけるパサート オールトラック。やはり、2.0 TSIと湿式6速DSG、そして、4MOTIONの組み合わせは伊達じゃない。もちろん、標準のパサートヴァリアントは十分な動力性能を持っているが、パサート オールトラックにはクルマ好きをわくわくさせるプラスアルファの魅力がある。
走りだしてから感じる余裕もパサート オールトラックならではのものだ。スピードがある程度のったところで、ちょっと加速しようと軽くアクセルを踏み込むと、すぅーっとスピードを上げていくのだ。プラス600ccの余裕がここにある。
高速道路の合流や追い越しのシーンはまさに2.0 TSIの面目躍如。アクセルペダルを深く踏み込めば、ストレスなくレッドゾーンまで吹け上がり、瞬時に次のギアへとシフトアップしていく。車両重量は1670kgと、パサートヴァリアントより200kgも重いが、それを差し引いても余りあるパワーを手に入れたということである。
ちなみに、JC08モード燃費は11.6km/L。都心の一般道では10km/Lを割るが、高速巡航ならこの数字を超えるのは簡単。燃料タンクは68Lだから、高速なら無給油で800km走るのも難しくはない。
一方、走りのほうも悪くない。最低地上高が30mm上がり、その影響がどう出るか心配だったが、SUV的なボディの揺れはよく抑えこまれていて、高速道路でもフラット感はまずまず。
ただ、225/45R18タイヤと18インチの大径ホイールを履くために、道路の継ぎ目や荒れた路面ではショックを伝えてしまうことがあり、多少乗り心地が悪化したのは否めない。それでも、十分許容できるレベルには収まっている。
オフロード走行モードが用意されるパサート オールトラックだが、今回は撮影用にお遊びで走る程度で、ESPが介入するようなアグレッシブなドライブは試さなかった。それでも、最低地上高が高いおかげで、ちょっとした未舗装路なら安心して進むことができたし、多少のギャップでもフロントバンパーをこする心配がないのはうれしいことだ。
ということで、クロスオーバー化によるデメリットは最小限に抑えられる一方、クルマとしての楽しさを一段とアップしたパサートオールトラック。優等生的なパサートヴァリントもいいが、ワイルドなパサートオール トラックはさらに魅力的である。
これは間違いなく人気モデルになるだろなぁ......。
(Text & Photos by S.Ubukata)