ポロのスポーツモデル「GTI」が、マイナーチェンジして日本上陸。192psの1.8L TSIエンジンを手に入れたホットハッチの走りは?
ゴルフGTIの弟分として根強い人気を誇るポロGTI。マイナーチェンジによりフロントマスクが変わり、いまやゴルフGTIと見紛うばかりのルックスを手に入れてしまった。そのうえ、ゴルフGTIに設定のないLEDヘッドライトがこのポロGTIに設定されたとなると、ゴルフファンであってもこのクルマを注目せずにはいられないはずだ。
ポロシリーズのなかで最も遅く登場したGTI。マイナーチェンジの内容は
運転席からの眺めも、ゴルフGTIに迫るものだ。メーターやステアリングホイールのデザインが一新されたおかげで、ここだけ見ればゴルフGTIと瓜二つ。タータンチェック柄のシートがGTIらしい雰囲気をさらに強めている。
ちなみに、他のポロに標準のプリクラッシュブレーキシステム"フロントアシスト"やオプション設定されるアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、このポロGTIには用意されない。価格を抑えたかったのかもしれないが、up!、ポロ、ゴルフのなかで、このポロGTIだけ安全装備が手薄というのは、なんとも残念。なるべく早くプリクラッシュブレーキシステムの搭載をお願いしたい。
それはさておき、さっそく試乗といこう。イグニッションキーを回すと、速度計と回転計の赤い針がフルスケールまで振れてゼロに戻る。いわゆるニードルスイープの儀式がドライバーを迎えてくれる。そしてエンジンを始動すると大きすぎず、しかし、存在感を示すエンジン音がキャビンに流れ込む。
さっそくアクセルペダルを踏み込むと、発進からなんとも身軽。1240kgのボディに192psのエンジン、しかも、わずか1250rpmから最大トルクを発揮する特性だから、当然といえば当然だ。ターボラグを感じさせないこの1.8 TSIはレスポンスに優れ、軽くアクセルペダルを踏み増す場面でもスッと加速し、まるでストレスがない。
もちろん、アクセルペダルを思い切り踏んだときには5000rpmあたりをピークに盛り上がりを見せ、6000rpmを超えてもなお気持ちのいい加速をもたらしてくれる。吹け上がり良さや素直なレスポンスは1.4 TSIツインチャージャーを凌いでいる。エキゾーストノートも心地よく、スポーティな気分に浸ることができた。
ハンドリングにも軽快さがあり、コンパクトなサイズも手伝って、その走りはゴルフGTI以上の一体感をもたらすのがうれしいところ。一方、コーナーでの身のこなしという点ではゴルフGTIのほうが俊敏で、マルチリンクリヤサスペンションを採用するゴルフが格の違いを見せつけることになる。
軽快なハンドリングと引き換えに、乗り心地はやや硬い。といっても、マイナーチェンジ前のポロGTIの初期に比べるとマイルドになったし、普段の足として十分使えるレベルなので、心配は無用だ。
高速走行時の直進性は相変わらず高く、100km/hならフラット感もまずまず。これなら長距離ドライブも苦にならない。それだけに、ACCはぜひともほしいのだが......。
ということで、いくつか気になるところはあるが、鋭い加速を扱いやすいコンパクトなボディで楽しませてくれるポロGTIは貴重な存在。とくに、ゴルフGTIが大きく思える人には、気軽に乗れるホットハッチとして好ましい選択肢となるはずだ。
(Text by S.Ubukata)
ゴルフGTIの弟分として根強い人気を誇るポロGTI。マイナーチェンジによりフロントマスクが変わり、いまやゴルフGTIと見紛うばかりのルックスを手に入れてしまった。そのうえ、ゴルフGTIに設定のないLEDヘッドライトがこのポロGTIに設定されたとなると、ゴルフファンであってもこのクルマを注目せずにはいられないはずだ。
ポロシリーズのなかで最も遅く登場したGTI。マイナーチェンジの内容は
運転席からの眺めも、ゴルフGTIに迫るものだ。メーターやステアリングホイールのデザインが一新されたおかげで、ここだけ見ればゴルフGTIと瓜二つ。タータンチェック柄のシートがGTIらしい雰囲気をさらに強めている。
ちなみに、他のポロに標準のプリクラッシュブレーキシステム"フロントアシスト"やオプション設定されるアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、このポロGTIには用意されない。価格を抑えたかったのかもしれないが、up!、ポロ、ゴルフのなかで、このポロGTIだけ安全装備が手薄というのは、なんとも残念。なるべく早くプリクラッシュブレーキシステムの搭載をお願いしたい。
それはさておき、さっそく試乗といこう。イグニッションキーを回すと、速度計と回転計の赤い針がフルスケールまで振れてゼロに戻る。いわゆるニードルスイープの儀式がドライバーを迎えてくれる。そしてエンジンを始動すると大きすぎず、しかし、存在感を示すエンジン音がキャビンに流れ込む。
さっそくアクセルペダルを踏み込むと、発進からなんとも身軽。1240kgのボディに192psのエンジン、しかも、わずか1250rpmから最大トルクを発揮する特性だから、当然といえば当然だ。ターボラグを感じさせないこの1.8 TSIはレスポンスに優れ、軽くアクセルペダルを踏み増す場面でもスッと加速し、まるでストレスがない。
もちろん、アクセルペダルを思い切り踏んだときには5000rpmあたりをピークに盛り上がりを見せ、6000rpmを超えてもなお気持ちのいい加速をもたらしてくれる。吹け上がり良さや素直なレスポンスは1.4 TSIツインチャージャーを凌いでいる。エキゾーストノートも心地よく、スポーティな気分に浸ることができた。
ハンドリングにも軽快さがあり、コンパクトなサイズも手伝って、その走りはゴルフGTI以上の一体感をもたらすのがうれしいところ。一方、コーナーでの身のこなしという点ではゴルフGTIのほうが俊敏で、マルチリンクリヤサスペンションを採用するゴルフが格の違いを見せつけることになる。
軽快なハンドリングと引き換えに、乗り心地はやや硬い。といっても、マイナーチェンジ前のポロGTIの初期に比べるとマイルドになったし、普段の足として十分使えるレベルなので、心配は無用だ。
高速走行時の直進性は相変わらず高く、100km/hならフラット感もまずまず。これなら長距離ドライブも苦にならない。それだけに、ACCはぜひともほしいのだが......。
ということで、いくつか気になるところはあるが、鋭い加速を扱いやすいコンパクトなボディで楽しませてくれるポロGTIは貴重な存在。とくに、ゴルフGTIが大きく思える人には、気軽に乗れるホットハッチとして好ましい選択肢となるはずだ。
(Text by S.Ubukata)