2025年12月17日、ポルシェジャパンとポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)委員会は、将来のポルシェ・ファクトリードライバー育成を目的とした「ポルシェジャパン・タレント・プール・ドライバー選考オーディション」を開催すると発表した。対象は2026年シーズンで、PCCJをステップに世界で戦うドライバーの発掘と育成を狙う取り組みである。

日本最長のワンメイクシリーズ、PCCJとは
PCCJは、「Porsche 911 GT3 Cup」によるワンメイクレースとして開催されるシリーズで、「世界最高峰のワンメイクシリーズ」のひとつとして知られている。日本国内で開催されているワンメイクレースの中でも最も長い歴史を持ち、2026年シーズンには26年目を迎える。
厳格なレギュレーションのもと、車両性能は完全なイコールコンディションに保たれており、ドライバーの技量やレースマネジメントが結果に直結する点が大きな特徴だ。そのためPCCJは、プロドライバーを目指す若手にとって実力を示す登竜門としての役割を果たしてきた。これまでにもPCCJ参戦経験者の中から、FIA世界耐久選手権(WEC)、スーパーフォーミュラ、スーパーGTなど、国内外の上位カテゴリーで活躍するドライバーを数多く輩出している。
若手育成を継続するポルシェジャパンの戦略
ポルシェジャパンでは2009年から、若手ドライバー育成を目的としたスカラシッププログラムを継続的に実施してきた。今回のタレント・プール・ドライバー選考も、その延長線上に位置付けられる取り組みであり、PCCJを起点とした人材育成の仕組みをさらに強化する狙いがある。
選考では、PCCJでの戦績に加え、将来性や語学力といった要素も含めた総合的な評価が行われる。基準を満たしたドライバーには、ポルシェAGやポルシェ・モータースポーツ・アジアパシフィックが主催する国際的なオーディションへ招待される可能性も用意されており、国内シリーズにとどまらないキャリアパスが示されている点が特徴だ。
経済的支援と実践的な育成プログラム
タレント・プール・ドライバーに選出されたドライバーには、複数のPCCJ参戦チームが紹介されるほか、実質的な経済支援も行われる。具体的には、150万円のエントリーフィー還元や、最大14セットのミシュランタイヤ支給が予定されている。
さらに、レースウィーク中のコーチング、トレーニングキャンプ、多角的な育成プログラムへの参加、さらにはファクトリーチーム帯同など、競技力向上に直結する実践的な機会が提供される。これらを通じて、国内外のGTカテゴリーへのステップアップを現実的に後押しする体制が整えられている。
募集要項とスケジュール
今回の選考で選出される人数は最大5名。応募資格としては、2002年4月1日以降生まれであること、2026年2月末までにJAF国際C以上のライセンスを取得可能であること、1シーズン以上の四輪レース経験を有することなどが条件となる。また、2026年シーズンのPCCJ全スケジュール(合同テストを含む)に参加可能であること、日常英会話レベルの英語力を有することも求められる。
エントリー受付期限は2026年1月5日まで。一次選考は書類審査で、結果は1月9日頃に通知予定。二次選考は面接および実走行スキルテストが予定されており、2026年1月15日に実施される。なお、実走行スキルテストにおける車両破損などについては、応募者の自己負担となる。
応募や問い合わせは下記まで。
■問合せ先
ポルシェジャパン・タレント・プール・ドライバー選考オーディション受付窓口
メール: carreracupjapan@porschemotorsport-ap.com
TEL : 070-5513-0935
担当:安岡(やすおか)
PCCJを起点とした国際舞台への道
PCCJは単なる国内ワンメイクレースにとどまらず、世界へとつながる育成プラットフォームとしての性格を強めている。今回のタレント・プール・ドライバー選考は、その象徴的な施策といえる。
イコールコンディションの中で磨かれるドライビングスキルに加え、国際舞台を見据えたコミュニケーション能力や総合的な資質が問われる点は、近年のモータースポーツ界の潮流とも一致する。PCCJから次世代のポルシェ・ファクトリードライバーが誕生するのか。2026年シーズンに向けた動向は、国内外のモータースポーツ関係者からも注目を集めそうだ。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche Japan)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。


