2025年10月7日、Porsche AGは、モータースポーツ活動の再編を進める一環として、今後はFormula E世界選手権と北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2つのワークスプログラムに重点を置く方針を発表した。これにより、現在参戦中のFIA世界耐久選手権(WEC)でのワークス活動は2025年シーズンをもって終了する。

画像1: Porscheが今季かぎりでWECを終了

Formula EでEV技術を深化

ポルシェ・モータースポーツは、電動フォーミュラ「Porsche 99X Electric」を用いてABB FIA Formula E世界選手権に引き続き参戦する。開発担当取締役のミヒャエル・シュタイナー氏は、「Formula Eは高性能EV技術の開発環境であり、この競争のなかで高性能車両の開発をさらに推進していく」と述べている。

2026/27年シーズン(シーズン13)からは、第4世代Formula Eマシンの導入が予定されており、開発の自由度が拡大する見込みだ。Porscheはこの新世代車両を通じ、電動スポーツカーの開発における学習曲線をさらに高める狙いを示している。

IMSA参戦で北米市場を強化

一方、耐久レースの分野では、Porsche 963を擁してIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に継続参戦する。同シリーズの象徴的イベントである「デイトナ24時間レース」は、北米市場におけるブランドの存在感を示す格好の舞台となる。Porscheはこの活動を通じて、北米市場と耐久レースの重要性を改めて強調した。

画像: IMSA参戦で北米市場を強化

WECワークス活動は2025年で終了

ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、現在参戦中のFIA世界耐久選手権(WEC)への参戦を今季限りで終了する。シュタイナー氏は「現状の状況を踏まえ、今季限りでWECでの活動を継続できないことは非常に残念だ」とコメントしている。

この決定により、PorscheはIMSAを通じて北米での活動を中心としつつ、技術開発の観点からFormula Eに集中する体制となる。

カスタマーレーシングは今後も重要な柱

なお、Porscheはこれまで同様、カスタマーレーシングをブランド戦略の重要な柱として維持していく方針を示した。GT3カーを中心とする顧客チームの活動支援は継続され、世界各地でのPorscheブランドの存在感を下支えする。

モータースポーツは技術革新の原動力

ポルシェ・モータースポーツ副社長のトーマス・ラウデンバッハ氏は、「モータースポーツは将来技術の開発基盤であり、われわれのスポーツカーの可能性を示す場である」と強調。「Porsche 963でIMSAシリーズを、Porsche 99X ElectricでFormula E世界選手権を戦い続け、今後も総合優勝を目指していく。それがPorscheの伝統であり、焦点である」と語った。

今回の再編は、電動化の加速と市場戦略の最適化を両立させる狙いを持つ。Formula Eで得られる知見を量産EVへ還元しつつ、IMSAでの耐久レース活動を通じてブランド価値を維持する構図が浮かび上がる。モータースポーツの現場で磨かれた技術が、次世代Porscheのロードカーにどのように反映されていくのか、今後の展開に注目が集まる。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。

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