2025年5月4日、静岡県の富士スピードウェイにおいて2025 AUTOBACS SUPER GT Round 2「FUJI GT 3HOURS RACE GW SPECIAL」が開催され、Porsche/Lamborghiniが下位に沈むなか、#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが初勝利を果たした。

FIA GT3などが集うGT300クラスには28台がエントリーし、フォルクスワーゲングループ傘下のブランドとしては、PORSCHE 911 GT3Rが1台、LAMBORGHINI HURACAN GT3が2台参戦している。マシンとドライバーの顔ぶれは次のとおり。
- #0 VENTENY Lamborghini GT3……小暮卓史/元嶋佑弥
- #87 METALIVE S Lamborghini GT3……松浦孝亮/坂口夏月
- #666 seven × seven PORSCHE GT3R……藤波清斗/近藤 翼/ハリー・キング
公式予選

#0 VENTENY Lamborghini GT3

#87 METALIVE S Lamborghini GT3

#666 seven × seven PORSCHE GT3R
5月3日(土)の午後には、快晴の富士スピードウェイではノックアウト方式の予選が行われた。最初に行われたQ1 A組では、#87 METALIVE S Lamborghini GT3の松浦選手が1分37秒123のA組6番手でQ2進出を果たす一方、#0 VENTENY Lamborghini GT3の小暮選手は1分37秒510の11番手でQ2進出を逃す。Q1 B組では、#666 seven × seven PORSCHE GT3Rの近藤選手が1分36秒613のB組10番手でQ1突破は叶わなかった。
続くQ2では、#87 METALIVE S Lamborghini GT3の坂口選手が1分37秒123をマークして10番グリッドを獲得している。#666 seven × seven PORSCHE GT3Rは19番手、#0 VENTENY Lamborghini GT3は22番手からのスタートが確定した。
ポールポジションは#777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)、GT500クラスは#38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)がそれぞれ獲得している。
決勝


翌5月4日(日)も富士スピードウェイは好天に恵まれ、14時18分、3時間にわたる耐久レースがスタートした。GT300クラスは、ポールポジションの#777 D'station Vantage GT3と#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が序盤からレースをリードする展開に。その後方では、#666 seven × seven PORSCHE GT3Rが2周目の1コーナーで他車に追突されてスピンしポジションをダウン。また、#0 VENTENY Lamborghini GT3も他車との接触で右前タイヤを損傷し、ピットインを余儀なくされた。その後、一度はコースに復帰したものの、4周目にレースを終えてしまった。
スタートから30分強が過ぎたところでコース横にマシンが停止し、それを回収するためにFCY(フルコースイエロー)が導入される。その直前にタイミングよくピットインした#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)と#45 PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/篠原拓朗)が大きなアドバンテージを得ることになるが、それでも#777 D'station Vantage GT3と#61 SUBARU BRZ R&D SPORTの速さが勝り、レース中盤にはふたたびこの2台がトップ争いを繰り広げる。

ところが55周目、#777 D'station Vantage GT3にタイヤトラブルが発生し、緊急ピットストップ。さいわい時間のロスは少なく、その後、各車が2度目のピットストップを終えた時点でトップに返り咲く。
レース終盤も#777 D'station Vantage GT3と#61 SUBARU BRZ R&D SPORTもトップ争いが続いたが、ゴールまで残り10分というところで、トップを走る#777 D'station Vantage GT3がピットストップ。予定よりも大幅に早く2度目のピットストップを行ったため、ゴールまで燃料がもたなかったのだ。これにより、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTに浮上。そして、2番手にはクラス27番手からスタートし、猛烈な勢いで追い上げてきた#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)がいた。#777 D'station Vantage GT3は3位でコースに復帰を果たす。
100周を終えた時点で、トップの#61 SUBARU BRZ R&D SPORTと2位の#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIには約10秒のギャップがあったが、周回を重ねるにつれて#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIのムンタンはその差を縮めていく。
そして107周目のファイナルラップ、2台の差は2秒562まで縮まったものの、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTがなんとか逃げ切ると誰もが 確信した矢先、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTにエンジンが原因と思われるトラブルが発生し、ダンロップコーナー手前でマシンはストップ。その横を通過した#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIがトップでチェッカードフラッグを受け、チームに初勝利をもたらすという劇的な結末に。
これに、#777 D'station Vantage GT3と#7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤 圭太)が続いたが、#7 CARGUY FERRARI 296 GT3にピット作業違反により10秒のタイムペナルティが科されたため、4位でフィニッシュした#2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤 優威/平良 響/ト部和久)が3位に繰り上がった。
#87 METALIVE S Lamborghini GT3は終盤には13番手付近を走行していたが、97周目にマシントラブルが発生し、そのままレースを終えている。

#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI


GT300クラスを制した#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの片山義章選手とロベルト・メリ・ムンタン選手。
GT300クラス 決勝結果
順位 | No. | マシン名 | ドライバー |
---|---|---|---|
1 | 6 | UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI | 片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン |
2 | 777 | D'station Vantage GT3 | 藤井誠暢/チャーリー・ファグ |
3 | 2 | HYPER WATER INGING GR86 GT | 堤 優威/平良 響/ト部和久 |
24 | 666 | seven × seven PORSCHE GT3R | 藤波清斗/近藤 翼/ハリー・キング |
25 | 87 | METALIVE S Lamborghini GT3 | 松浦孝亮/坂口夏月 |
DNF | 0 | VENTENY Lamborghini GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 |
GT500クラスは、ポールポジションからスタートした#38 KeePer CERUMO GR Supraが、レース中も圧倒的な速さを見せ、ポール・トゥ・ウィンを果たした。



GT500クラス 決勝結果
順位 | No. | マシン名 | ドライバー |
---|---|---|---|
1 | 38 | KeePer CERUMO GR Supra | 石浦宏明/大湯都史樹 |
2 | 1 | au TOM'S GR Supra | 山下健太/坪井 翔 |
3 | 100 | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 山本尚貴/牧野任祐 |
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)