ポルシェジャパンは2024年5月28日、新型「911Carerra GTS」と「911Carerra」の予約受注を全国の正規販売店にて5月29日(水)より開始すると発表した。 

画像: 左から、911Targa4 GTS、911Carerra GTS、911Carerra Cabriolet。

左から、911Targa4 GTS、911Carerra GTS、911Carerra Cabriolet。

なお、モデルバリエーションは「911Carerra」「911Carerra Cabriolet」「911Carerra GTS」「911Carerra GTS Cabriolet」「911Carerra4 GTS」「911Targa4 GTS」「911Carerra4 GTS Cabriolet」となり、ハンドルは右/左いずれも選択可能だ。

画像1: 911Carerra GTS

911Carerra GTS

新しい911Carerra GTSは、マイルドハイブリッドを搭載した初の公道走行可能な911。新開発のパワートレインシステムの総排気量は3.6リッターとなる。911Carerra GTSは、0-100km/hまで3.0秒で加速し、最高速度は312km/hに到達する。

画像2: 911Carerra GTS

911Carerra GTS

今回、同時に新しい911Carerraも発売された。こちらは3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載し、先代モデルより出力が向上している。また、エアロダイナミクスの向上、標準装備のアップグレード、コネクティビティーの拡張、内外装のデザインの変更などが行われている。

画像1: 911Carerra

911Carerra

ポルシェは数カ月の間に6つのモデルラインのうちPanamera、Taycan、Macan、911の4モデルをアップデートしている。オリバー・ブルーメCEOは「当社の製品ポートフォリオはかつてないほど刷新され、非常に魅力的です。お客様にさらに多くのカスタマイズオプションと特別な体験を提供します」と語る。

911Carerra GTSに搭載される「T-ハイブリッドシステム」

画像: 911Carerra GTSに搭載される「T-ハイブリッドシステム」

新型911Carerra GTSには、モーターレースから得たノウハウをハイブリッドシステムの設計の基礎として使用している。

911および718モデルライン担当副社長のフランク・モーザー氏は「私たちは、911と完璧に適合するハイブリッドシステムにたどり着くために、さまざまなアイデアやアプローチを開発し、テストを行いました。その結果、911の全体的なコンセプトに適合し、そのパフォーマンスを大幅に向上させるユニークなシステムが誕生しました」と述べる。

画像: 911 Carrera GTS - Electric turbocharger

911 Carrera GTS - Electric turbocharger

新型911Carerra GTSに搭載されるマイルドハイブリッド「T-ハイブリッドシステム」には、新開発の電動ターボチャージャーが搭載される。コンプレッサーとタービンホイールの間に組み込まれた電気モーターが、瞬時にターボチャージャーの速度を上げる仕組みだ。これにより、ブースト圧が即座に上昇し。ターボチャージャーの電気モーターはジェネレーターとしても機能し、最大11kW(15ps)の電力を発生する。排気ガスの流れからこのエネルギーが取り出され、ウエストゲートを持たない電動ターボチャージャーは、従来のツインターボからシングルターボによる使用を可能にし、よりダイナミックで応答性の高いパワー供給を実現している。

画像: 911 Carrera GTS Drivetrain

911 Carrera GTS Drivetrain

パワートレインには、新しい8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)に組み込まれた永久磁石同期モーターも含まれる。アイドル回転数でも最大150N・mの駆動トルクで水平対向エンジンをサポートし、最大40kWの出力向上を実現。また、ポルシェは両方の電気モーターを軽量でコンパクトな高電圧バッテリーに接続している。サイズと重量は従来の12Vスターターバッテリーに相当し、最大1.9kWhのエネルギー(総)を蓄え、400Vの電圧で作動する。総重量を最適化するため、12V車載電気システム用に軽量リチウムイオンバッテリーを搭載した。

画像: 911 Carrera GTS 3.6-litre six-cylinder boxer engine

911 Carrera GTS 3.6-litre six-cylinder boxer engine

T-ハイブリッドドライブの心臓部は、新開発の3.6リッター水平対向エンジンとなる。高電圧システムにより、エアコンコンプレッサーを電動で駆動することが可能になり、その結果ベルト駆動が省略されるため、エンジンが大幅にコンパクトになった。その結果、電源ユニットの上部にパルスインバーターとDC-DCコンバーター用のスペースが生まれた。ボアは97mm、ストロークは81mmに拡大され、先代に比べて排気量は0.6リッター増加。エンジンにはバリオカムカムシャフトコントロールとロッカーアーム付バルブコントロールが装備される。マップ全体にわたって燃料と空気の理想的な混合比(ラムダ = 1)を維持している。

また、電動アシストなしでも、水平対向エンジンは357kW(485ps)の出力と570N・mのトルクを発生する。システムの合計出力は398kW(541ps)、合計トルクは610N・mとなり、先代と比較した出力増加は45kW(61ps)。新型911Carerra GTSは、0-100km/hまでの加速タイムでも先代を上回る。このマイルドハイブリッドは、プラグインハイブリッド車と比較して余分な重量を大幅に減らし、さらにCO2排出量を削減する。なお、先代モデルからの重量増加は50kgとなる。

画像2: 911Carerra

911Carerra

一方で、911Carerraは、従来のモデルに引き続きツインターボを備えた3.0リッター水平対向エンジンを搭載するが、エンジンは全面的に刷新された。特にターボモデルから採用されたインタークーラーは、エンジン上部のリヤリッドグリルの真下に配置される。911Carerraのターボは、先代ではGTSモデル専用ものが採用された。これらの改良により、ポルシェは排出ガスの低減と最大トルク450N・mに加え、290kW(394ps)までの出力向上を同時に達成している。その結果、新しい911Carerraクーペの0-100km/h加速タイムは4.1秒(スポーツクロノパッケージ仕様車は3.9秒)、最高速度は294km/hに達する。これは先代モデルと比較すると、それぞれ0.1秒、1km/hの向上となる。

サスペンションとアクティブエアロダイナミクス

画像3: 911Carerra GTS

911Carerra GTS

911Carerra GTSのサスペンションも全体的に見直され、今回、リヤアクスルステアリングが初めて標準装備された。その結果、高速走行時の安定性が向上し、回転半径が小さくなっている。また、ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)アンチロール安定化システムをハイブリッドの高電圧システムに統合している。これにより、電気油圧制御システムの使用が可能になり、システムの柔軟性と精度がさらに向上した。また、可変ダンパーシステム(PASM)を備えたスポーツサスペンションと10mm下げた車高により、GTSならではのハンドリングを味わえる。

画像: 911Carerra Cabriolet

911Carerra Cabriolet

新型911のホイールには、7つの19/20インチまたは20/21インチのホイールデザインが用意される。911Carerraに初採用されたエクスクルーシブデザインのホイールは、空気抵抗係数を低減し、効率を高めるカーボンブレードを備えている。

画像: 911Carerra GTS Cabriolet

911Carerra GTS Cabriolet

また911Carerra GTSは、フロントには245/35 ZR 20タイヤを8.5インチ幅の20インチホイールに装着。リヤには11.5インチの21インチホイールと315/30 ZR 21タイヤをリヤに標準装備する。

マトリックスLEDヘッドライトが標準装備されるエクステリア

911において標準装備となったマトリックスLEDヘッドライトに、すべてのライト機能を統合。これにより、フロントドライビングライトを省略することが可能となり、フロントに大型の冷却ベントを設けるスペースが生まれた。また、HDマトリックスLED機能を装備する新しいヘッドライトがオプションに用意される。このライトのハイビームは、600m以上先の道路を照らすことが可能だ。

画像3: 911Carerra

911Carerra

その結果、911Carerra GTSのフロントバンパーには、縦に配置された5つのアクティブ冷却エアフラップの他、隠れたフラップを装備している。これらのフラップがアンダーボディのアダプティブフロントディフューザーによって補完され、冷却エアフラップと一緒に制御される。必要なパワーが最小限の場合、フラップを閉めてエアロダイナミクスを最適化する。また、サーキット走行など高負荷がかかる場合は、このフラップが大量の空気をラジエーターに送る仕組みだ。

画像4: 911Carerra GTS

911Carerra GTS

テールライトのデザインも新しくなった他、ナンバープレートの位置を高めにするなど、リヤバンパーのデザインも一新された。また、911Carerraには、スポーツエグゾーストシステムがオプションで用意される他、911Carerra GTSには、専用のスポーツエキゾーストシステムが標準装備される。さらに、固定式リヤウイングなどのエアロキットもオプションで用意される。

画像5: 911Carerra GTS

911Carerra GTS

911では初となるスタートボタン式となったインテリア

今回、クーペモデルでは2シーターとして標準とし、追加料金なしで2+2シートの選択も可能となっている。また、911では初となるスタートボタン(左ハンドル仕様ではもちろんステアリングホイールの左側に配置される)が含まれる。さらに、センターコンソールの収納コンパートメントには、電磁誘導充電機能を備えたスマートフォン用の冷却コンパートメントが用意されている。

画像4: 911Carerra

911Carerra

今回、911では初となるフルデジタルのメーターパネルが装備された。12.6インチの曲面ディスプレイは幅広いカスタマイズが可能となった。レブカウンターを中央に配した5連メーターのクラシックディスプレイを含む、最大7種類の表示が可能となっている。

画像6: 911Carerra GTS

911Carerra GTS

ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)システムは、10.9インチのセンターディスプレイで操作し、ドライビングモードのカスタマイズ性やドライバーアシスタンスシステムの操作性が大幅に改善されている。ポルシェIDによるPCMへのログオンにQRコードを採用。また、Apple CarPlayは、必要に応じてメーターパネルに情報を表示し、Siriなどを介し、Appleエコシステムで車両機能を直接操作することが可能だ。SpotifyやApple Musicなどのアプリは、スマートフォンを接続しなくてもPCMのネイティブアプリとして使用できる。また、今回初めて、駐車中のビデオストリーミングもオプションで利用できるようになっている。

画像5: 911Carerra

911Carerra

新型911Carerraおよび911Carerra GTSの価格:2024年5月28日現在

車種トランスミッションハンドル希望小売価格(消費税込)
911Carerra8速PDK右/左¥16,940,000
911Carerra Cabriolet8速PDK右/左¥19,430,000
911Carerra GTS8速PDK右/左¥22,540,000
911Carerra GTS Cabriolet8速PDK右/左¥25,030,000
911Carerra4 GTS8速PDK右/左¥23,650,000
911Targa4 GTS8速PDK右/左¥26,150,000
911Carerra4 GTS Cabriolet8速PDK右/左¥26,140,000
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(Text Toru Matsumura)

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