シリジウム粒子が金属表面を修復・保護することで、エンジンやギヤボックス内のフリクションを低減するREWITEC(レヴィテック)。これまでの添加剤とは一線を画するREWITECの実力に迫る。
エンジンをコーティングするという新発想
「いわゆるエンジンオイル添加剤とは違います。REWITECはコーティングによってエンジンやギヤボックスを保護するものなのです」
そう語るのは、REWITECの日本代理店であるテクニックグループ株式会社で代表を務めるミハエル・クルムさんだ。
クルムさんといえば、ドイツや日本をはじめ、世界的に活動してきたドイツ人ドライバー。全日本F3選手権でシリーズチャンピオンを獲得するとともに、フォーミュラ・ニッポンや全日本GT選手権などでの活躍。2002年にはAudiでルマン24時間を戦い、3位表彰台を獲得するなど、モータースポーツファンなら誰もが知るレジェンドである。
そんなクルムさんに、ドイツの旧知のドライバーを通して、「日本でREWITECを扱わないか?」というオファーがあったという。「いわゆるエンジンオイル添加剤とは別のものと知り、ドイツのREWITEC社を訪れました。そして、商品を日本に持ち帰り、実際にその効果が確認できたことから、PowerShotとREWITEC G5を取り扱うことにしたのです」(クルムさん)
クルムさんによれば、エンジン用の「PowerShot」やギヤボックス用の「REWITEC G5」は“オイル添加剤ではなく、エンジンのコーティング剤”だという。いわゆるオイル添加剤がエンジンオイルやギヤオイルの特性を変えるのに対して、PowerShotとREWITEC G5はオイルの性質を変えるのではなく、オイルによって運ばれたシリジウム粒子が金属表面をコーティングすることで修復・保護し、それによりフリクションを低減するのだ。
寿命を延ばすためのテクノロジー
もともとREWITECの技術は、クルマのために生まれたものではない。風力発電機やプラントで使われる大型機器のベアリングやギヤを保護し、寿命を延ばすために使われてきたテクノロジーだ。
ドイツ・マンハイム大学のトライポロジー・コンピテンスセンターによる実験では、摩耗試験でREWITECを使用することにより表面の粗さが最大58%減少したり、摩擦力が最大22%減少することが確認できている。
風力発電では、非常に高額な風力タービンの維持や交換が問題になる。ギヤボックスやベアリングの摩耗を減らし、長寿命を図ることができれば、多額のコストの削減につながる。
これを実現するのがREWITECのテクノロジー。風力タービンのメインベアリングやメインギアに加えて、発電機ベアリング、アジマスギア、ピッチギア、およびピッチベアリングなどにREWITECの商品を使うことで、ベアリングやギヤの表面が滑らかになり、動きもスムーズ。さらに、損傷を修復したり、新たな損傷を防止するなどして、メインテナンス部品の交換費用を抑えることに成功している。実際、世界各国で約2000基以上の風力発電装置にREWITECの採用実績があるというのだ。
また、産業用機器の分野でもシリジウムを配合する「DuraGear」がピッチングや歯面のダメージを防いだり、摩耗を減らす効果があるということで、さまざまな場所でREWITECが利用されているという。
このテクノロジーをクルマの世界で利用するのがREWITECのPowerShotとREWITEC G5なのである。
後編に続く……
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by REWITEC, Satoshi Ubukata)
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