2026年5月7日、Porscheは、「Taycan Turbo GT with Weissach Package」向けに開発したサーキット専用アップグレード「Manthey Kit」を装着した車両が、ドイツ・ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)において、市販EVとして新たなラップレコードを樹立したと発表した。

今回の記録は、Porscheの開発ドライバーであるラース・ケルン選手が樹立したもので、20.832kmのノルドシュライフェを6分55秒533で周回。従来の“electric executive cars”クラスの記録を9秒以上更新したほか、2023年10月に同じくケルン選手が「Porsche Taycan Turbo GT with Weissach Package」で記録したタイムを12秒短縮した。記録は現地公証人によって正式に認定されている。

Manthey Kitは、これまで「Porsche 911 GT3 RS」など、PorscheのGTモデル向けに展開されてきたサーキット志向のパフォーマンスキットであり、EV向けに投入されるのは今回が初めてとなる。PorscheとMantheyの共同開発によって生まれたこのキットは、空力性能、サスペンション、パワートレインを包括的に強化することで、Taycan Turbo GTのサーキット性能をさらに引き上げている。
なかでも大きな特徴となるのが空力性能の進化だ。Manthey Kit装着車では、200km/h走行時のダウンフォースが標準モデルの95kgから310kgへと大幅に増加。最高速付近では約740kgものダウンフォースを発生するという。これにより、高速コーナーでの安定性や旋回速度が大きく向上している。


エアロパーツとしては、大型エンドプレート付きリヤウイング、新設計フロントディフューザー、高性能リヤディフューザー、アンダーボディのエアディフレクター、さらにリヤホイール用カーボン製エアロディスクなどを採用。サーキット特性に応じてダウンフォース量を調整できるセッティング機能も備える。
パワートレインにも改良が施された。高電圧バッテリーや制御ユニット、パルスインバーターの最適化により、最大放電電流を1100Aから1300Aへ引き上げ、システム出力は600kWへ向上。ローンチコントロール使用時の最大トルクは1270Nmに達する。また、“Attack Mode”作動時には最大130kWの追加出力が10秒間利用可能となり、一時的に730kWを発生する。
足まわりでは、専用21インチ鍛造アルミホイールと「Pirelli P ZERO Trofeo RS」タイヤを採用。タイヤ幅はフロントで4cm、リヤで3cm拡大され、グリップ性能を強化した。さらに、Porsche Active Rideや4輪操舵、AWD制御も専用チューニングが施されている。ブレーキシステムも大径化され、フロント440mm、リヤ410mmのディスクと高性能パッドによって制動性能を向上させた。
エクステリアにはカーボンファイバー製パーツを多数採用し、モータースポーツ色を強調。ホイールアーチベントやサイドスカート、リヤウイングなどが専用品となる。
Porscheによれば、このManthey Kitは2026年6月から受注を開始する予定で、「Porsche Taycan Turbo GT with Weissach Package」オーナー向けに後付けキットとして提供される。EV時代においても、Porscheがサーキット性能を徹底的に追求していることを示す象徴的なモデルとなりそうだ。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。


